国分寺市から、上野千鶴子さんの質問に対する回答が届きました。
以下に全文を掲載します。
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国教教生発第47号
平成18年2月13日
上野 千鶴子 様
国分寺市教育委員会教育部
生涯学習推進課長 熊谷 淳
公開質問状について(回答)
平成18年1月13日付,国教教庶収第484号文書,及び平成18年2月7日付,
国教教庶収第522号文書,市長,教育委員長,教育長,生涯学習推進課長
宛の2件の公開質問状について,下記のとおり回答します。
記
(1)国分寺市教育委員会は,東京都教育委員会と実施計画書の内容に
ついて協議しましたが,東京都教育委員会の意向からモデル事業の
再委託を受けることは困難と判断し,本事業を実施しないこととし
ました。
なお,地方教育行政の組織及び運営に関する法律第17条により,
国分寺市教育委員会の権限に属するすべての事務を教育長がつかさ
どっています。
したがいまして,責任者は国分寺市教育委員会教育長です。
(2)国分寺市教育委員会は,不適切であるとの判断はしておりません。
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上野さんの人権講座を実質的に企画していたのは
国分寺市の実行委員会の市民のみなさんです。
上野さんの抗議文、公開質問状の経過をお知らせして来ましたが、
現場の当事者である市民の皆さんが出していた、
12月15日付の「公開質問状」の経過についても報告します。
この質問状に対して、
都教育庁から、2月7日付けの以下の回答が届きました。
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17教生社第636号
平成18年2月7日
「東京都の人権意識を考える市民集会」実行委員会様
東京都教育庁生涯学習スポーツ部社会教育課長
船 倉 正 実
公開質問状について
平成17年12月15日に公開質問状をいただきましたが、本件に関する事実経過は下記のとおりです。
記
本事業は、東京都教育委員会の事業として国分寺市教育委員会に委託し、実施を計画していたものであり、東京都教育委員会は、同市が企画中の内容が「『ジェンダー・フリー』という用語の使用に関する東京都教育委員会の見解」を踏まえたものであるかどうかについて問い合わせたものです。
東京都教育委員会は、国分寺市教育委員会が都の委託事業であることを考慮し実施しないこととしたものと理解しています。
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上野さんへの回答と、まったく同じ文章です。
東京都教育庁が回答「公開質問状について」(2.9記事より)
質問の内容も趣旨も違うのに、まったくふざけていますね。
とりあえず、
うるさいから出したよ、というアリバイ証明でしょうか。
行政の説明責任を放棄しています。
国分寺市に対して、
「東京都の人権意識を考える市民集会」実行委員会は、
2月5日に、再度「公開質問状」を出しています。
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国分寺市 市長殿
国分寺市教育長殿
経緯
平成17年度文部科学省委託事業「人権教育推進のための調査研究事業」の実施にあたり、平成17年3月国分寺市は委託先である東京都に実施計画書を提出しました。
実施計画書の提出を受け、東京都と国は了解の意向を示し、国分寺市は実施に向けての準備に入りました。
国分寺市は実施計画書にある「モデル事業の特色、工夫した点、期待される成果等」に記載したように、準備会方式を取り、広く市民を公募し、13名の市民が集まり準備に取り組んできました。「人権教育」というテーマに沿って準備会では、多様な議論の結果、人権に関する学習機会の充実方策として次のような事業計画を練り上げました。
メインテーマ 「当事者主権」
障害者、高齢者、子ども、海外支援などの問題を取り上げ、講座や講演会、映画上映、ワークショップなどを開催する。
しかし、準備会参加者は、東京都は当計画の中に講演予定者として上野千鶴子さん(東京大学社会学部大学院教授)が上がっている事を知り、「上野さんは講師としてふさわしくない。講師を変えないと委託できない」と伝えられました。今回の事業は「当事者主権」を学ぶ講座であり、東京都が「ジェンダーフリー」の用語使用を理由として、上野さんが講師としてふさわしくないとしたことは理解出来ません。準備会参加者は、講師変更要求は不当で、到低納得の行くものではなく、変更する根拠がない旨を国分寺市に伝え、準備会の計画通りの内容で正式に東京都に提出して欲しいとお願いし、公民館の理解を頂きました。また、その後、国分寺市が突然、生涯学習推進課長名で取り下げの事務手続きを取り、委託契約を断念し、事業の実施は出来なくなりました。
国分寺市の取った行動に対し説明を求めます。
公開質問状
1.事業計画案は要綱に沿って作成したが、逸脱があったと考えるか。
2.2005年12月15日東京都の人権意識を考える市民集会実行委員のメンバーが都庁で都に対し、抗議文並びに公開質問状を提出し面談した際、都は「東京都は8月1日に国分寺市に赴き、生涯学習推進課長、公民館館長並びに担当職員と会い、「ジェンダーフリー」に関する都の見解を示し、これに触れる事業になる懸念はないか?国分寺市の判断を尋ね、国分寺市は持ち帰った。その後何の連絡もなく、取り下げの事務連絡が来たと言っている」がそのような事実はあったのか。
3.8月17日付 生涯学習推進課長名で東京都への事務連絡の中で、「両者協議の上」とあるが東京都と国分寺市はどのような協議をしたのか。又、準備会に何の連絡もなく取り下げの手続きをとったことに対してどの様に考えるか。
4.この経過の中で、市民の知る権利、並びに人権は、損われたという認識はあるか。
上記の質問に関しては、2月20日までに文書で回答し、お送り下さるようお願いいたします。
2006年2月5日
東京都の人権意識を考える市民集会実行委員会
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実行委員会にも回答が届くかもしれません。
今後の経緯を見守りましょう。
賛同書名に届いた意見(「東京都のに抗議する!」より)
最後まで、読んでくださってありがとう。
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アタシのお鼻↓ポッチンしてね
嬉しいし、頼もしいよ!
お上は何を恐れているのでしょうか?
その心は? ・・・・・
皆が賢くなると都合の悪い人がいるのかな?
居ながらにしてこうして経過がわかるのは、
きちんと整理してくださる、みどりさんのおかげです。
質問と回答の双方を見ていくと、
良否の違い歴然。
コメントありがとうございます。
「お上」は、よく考えずにやってしまったことが大きな問題になったので、あわててごまかしているのでしょう。
★るなさん
せっかく上野さんのカテゴリーをつくっているんだから、ちゃんと追跡調査しないとね。
お役人の言語って、お役所仕事といっしょで、理解しにくいですね。
東京都から責任転嫁されて、たしかに国分寺市は苦しい立場でしょうね。
東京都と同じとは思いませんが、委託事業とはいえ、自治体は法的に対等な関係なのですから、もっと粘ってたたかって欲しいですね。
>親分から金を貰って事業をしようとしたが親分の気に染まないようで、ひと言言われたし、子分の方もそんなことなら金も貰いづらい、じゃあやめときましょう!という図式でしょうか。
「親分/子分」と思っている限りは何も変わりません。主権者は市民ですから、こういうがけっぷちに立ったときにこそ、「市民側に立つ」判断が必要だと、わたしは思います。
★むくさん
今回に限れば、石原知事はかなり弱腰ですね。
わたしは、また失言(確信犯的な挑発)をするのかと思いました。