みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

ドメスティックバイオレンス(DV)」による事件が多発/加害者を擁護しDV法を攻撃する人たち

2008-01-23 16:39:49 | ジェンダー/上野千鶴子
つくばみらい市の講演中止事件の続報を書こう
と思ったのだけど、体調がいまいちで、
つれあいの書いた、昨日のDVの新聞記事を使わせてもらうことに。

ともちゃんありがとう。

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実は、つくばみらい市の事件は意図的になされた。
 DV防止法に反対することは自由としても、私には到底信じられない。とはいえ、その人たちの呼びかけも事実としてなされているから、紹介する。
 次のターゲットは、新潟県の長岡市、ここで行われる講演会、にあるらしいことが表明されている。
 「邪悪なるDV防止法」という人たち。
 配偶者や恋人などの暴力「ドメスティックバイオレンス(DV)」による事件の報道は事欠かないから、最近のものを紹介。


妻殺害:46歳夫逮捕 DVで被害届出したばかり 宇都宮
2008.1.22 毎日新聞

 21日午後0時15分ごろ、宇都宮市御幸本町、派遣社員、金子未来子(みきこ)さん(32)から「夫が包丁を持って家に入ってきた」と110番があった。宇都宮東署員が駆け付けると、1階居間で未来子さんが血を流して倒れ、近くで座り込んでいた別居中の夫でクレーン運転手、金子隆司容疑者(46)=栃木県真岡市熊倉1=が刺したことを認めたため、殺人未遂容疑の現行犯で逮捕した。同日午後、未来子さんの母(63)がドメスティックバイオレンス(DV)防止法に基づく保護命令を宇都宮地裁に申し立てる予定だった。【山下俊輔、吉村周平】

 未来子さんは約1時間半後に失血死し、殺人容疑に切り替え調べている。未来子さんは今月18日、県警に金子容疑者からのDVに関する被害届を出した。傷害容疑で捜査を始めたが、暴力は頻繁ではなかったため警戒はしていなかった。
 調べでは、金子容疑者は通報直前、未来子さんの実家1階窓をコンクリートブロックで割り侵入。未来子さんの首など20カ所以上を文化包丁(刃渡り約18センチ)で刺し、殺害した疑い。母や息子(3)は隣家に逃げた。「子供に会いたかった。なぜこんなことをしたのか分からない」と供述しているという。
 2人は育児方針を巡り06年6月に別居、未来子さんは実家で両親らと住んでいた。昨年12月3日未明、未来子さんは日光市の金子容疑者の実家を訪れた際、未来子さんの交友関係に激怒した金子容疑者に腹などを殴られ約2週間のけがをした。
 未来子さんは今月11日、宇都宮東署に相談、署員が被害届を出すよう説得したが、「子供への仕返しが怖い」と一度は断ったという。しかし、16日に未来子さんから「被害届を出します」と連絡があり、18日に今市署が被害届を受理した。
 海老原昇・今市署次長は「捜査中だったので残念だ。被害者の話では暴力は年に1回程度で、緊急性のあるものではないと判断していた」と話している。

 ◇実家へ避難は危険

 被害者支援に取り組むNPO法人「女性の安全と健康のための支援教育センター」・丹羽雅代運営委員の話 被害者が法的な行動を起こす時は、加害者の感情を刺激するので最も注意が必要だ。司法だけの対応にも限界があり、06年12月の徳島県の事件のように、裁判所が保護命令を出しても妻を殺害してしまう夫もいる。実家は避難場所として最も危険な場所なのでシェルターを増やしているが、支援の情報が行き届いていないのだと痛感する。

 ◇立法の背景認識を 
 藤本哲也・中央大教授(犯罪学)の話 以前は警察は家庭内トラブルには不介入の原則があったが、まだそういう意識が残っているのではないか。DV防止法や児童虐待防止法ができた背景を警察官一人一人がもっと認識してほしい。今回のケースは被害者が、警察に相談しているうちに落ち着いてしまい、かえって事態を甘くみてしまったこともありうる。

 ◇危険度を見極めて 
 戒能(かいのう)民江・お茶の水女子大教授(法女性学)の話 DV防止法があるのだから、相談を受けた警察は危険度を見極めなければならない。安全確保のうえで大切なのは「連携」で、警察は(県などに設置されている)DVセンターに連絡をしたのだろうか。被害者が実家に身を寄せるのは、居所が分かるのでとても危ない。相談や支援についての必要な情報が十分に市民に伝わっていない懸念もある。



兵庫・姫路の中3長男刺殺:DVで父に刺殺された息子、成人の日に涙の「再会」
毎日新聞 2008年1月15日

 ◇晴れ姿、喜びも悲しみも 
 兵庫県姫路市で03年3月、DV(ドメスティックバイオレンス)の末、男(43)が中学3年の長男、有賀諒君(当時15歳)を刺殺する事件があった。諒君は生きていれば14日が成人式。小学校の同級生らがこの日、母親(45)と妹(17)を捜し出して招き、卒業記念に校庭に埋めたタイムカプセルを掘り出した。出てきたのは諒君が一番大切にしていたカードゲーム。「久しぶりに会えたね」。2人は諒君との「再会」に大粒の涙をこぼした。【酒井雅浩】

 ◇カプセルに小6時の宝物 
 母親は87年に結婚し子ども2人を授かったが、男は家族に激しい暴力を振るった。01年7月に離婚。諒君は「僕が残ればパパは立ち直ってくれるかもしれない」と男との同居を選んだ。
 しかし、03年3月、男は諒君に「妹は一生会わないと言っている」などと言われて激高し、諒君を刺殺した。男は殺人罪で懲役12年が確定した。母親と妹は事件後に転居。男が出所すれば付きまとわれるのではとの恐怖から、誰にも住所を知らせなかった。
 だが、昨年11月、妹の友人を通じて、諒君の小学校の同級生から「タイムカプセルを一緒に開けませんか」と誘われた。同級生たちは「あいつも同級生だから」と、2人を捜したという。
 14日は、成人式を終えた同級生約30人が、姫路市立野里小のグラウンドで、タイムカプセルを掘り出した。銀色の四角い缶に諒君が納めていたのは、カードゲーム「遊戯王」のカード5枚。妹は「いつも自慢していた」と泣いた。母親の前で事件後初めて見せる涙だった。
 離婚して家を出たため、諒君の遺品は2人の手元にほとんどない。同級生の1人が、タイムカプセルを埋める諒君の写真も手渡した。
 母親は「同級生の晴れ姿が諒ちゃんに重なる。事件で同級生を傷つけたと思っていたが、今でも諒ちゃんのことを気にかけていてくれたことがうれしい」と感謝した。
毎日新聞 2008年1月15日 大阪朝刊


DV加害者を援護する人たちは、
これらの記事をどう読まれてるのでしょう。
まさか、「問答無用」「暴力容認」なんてことはないですよね。

ところで、
以下の「フェミナチを監視する掲示板」に
わたしの昨日の署名の呼びかけの記事がリンクされている。

フェミナチを監視する掲示板
 公権力を濫用し、『男女共同参画』の名を借りて文化破壊、
家族否定の『ジェンダーフリー』政策を推し進める
フェミ・ファシズムを告発し、国民の注意を喚起するBBSです。


投稿したのは「富士山2000」さん。ご親切にありがとう。
ま、アクセス増えるかも・・・うれしくないけど。

言論を闘わせようとする人は、暴力的なことはしない、
と思いたいけどね。
ときは、紙媒体から、ネット時代へ。

次は、新潟県長岡市の講演会がターゲットになっているようです。

「27日に予定のDV防止講演会 長岡市に抗議続々 茨城で中止、影響広がる」
新潟日報(1/23)

 ドメスティックバイオレンス(DV)問題をテーマに、「東京フェミニストセラピィセンター」所長平川和子さんによる講演会を27日に予定している長岡市に、中止を求めるメールや電話が30件以上寄せられていることが22日、分かった。
 隣のつくばみらい市が別の団体代表によるDV講演会を、抗議が殺到したのを理由に中止したのを受けた決定。この代表の講演を予定する新潟県長岡市にも多数の抗議が寄せられ、影響が広がり始めている。識者から「DV防止法の根幹にかかわる事態」と危惧(きぐ)する声が出ている。
 平川さんの講演をめぐっては、今月20日に計画していた茨城県つくばみらい市が「DV防止法は家族を破壊させるための欠陥法だ」などと主張するグループなどから百件を超す抗議が殺到し、中止とした。つくば市の県立茎崎高校も混乱を避けるため、NPO法人による28日の出前授業を中止した。
 影響が広がり始め、識者からは「DV防止法の根幹にかかわる」と危惧する声が出ている。主催する長岡市教育委員会では「粛々と行ないたい」としている。
 つくばみらい市によると、昨年12月に市の広報紙に予定を掲載したところ、「(平川さんの活動は)思想的に偏りがあり、公費を使った講演はふさわしくない」などとする抗議が百件以上寄せられた。さらに、今月16日には、講演に反対する数人が市役所前で拡声器で中止を求める騒ぎとなり、市が同日、中止を決定した。
新潟日報 2007.1.23


わたしは、ジェンダー関連の記事を書くたびに、チェックされてて、
「2ちゃんねる」にもたびたびスレッドを立てられたことがある。
わたしはいいけど、困るのは、下品なコメントが増えると、
お友だちが怖がって見に来てくれない。
じつは、わたしは、
産廃問題や右翼系の(いわゆる)情報誌の問題にかかわって、
どこかから脅迫状が届いて、岐阜県警のマルタイで、
自宅に最新のモニターがついていたんですよ。
もちろん、警護をうけるほうです(笑)。

むかし産廃いまジェンダー。

どちらも、既得権を奪われたくない人たちが、必死に抵抗します。
「おんな子ども」をなぐる権利、とか言ってね。
殴られたり、殺される「おんな子ども」の側に身をおくと、
そんな理不尽なことあるか、と思います。

暴力は絶対に許せない!


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最後まで読んでくださってありがとう
2008年も遊びに来てね 
 また明日ね
 

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