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銅版画制作の日々

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愛、アムール(2012)**AMOUR

2013-03-21 | 映画:ミニシアター

 人生はかくも長く、素晴らしい。

好き度:=90点

京都シネマにて鑑賞。「白いリボン」に続くミヒャエル・ハネケ監督新作!カンヌでは最高賞。アカデミーでは外国映画作品賞を受賞。
それだけの価値は確かにありましたね。期待通りの作品でした。

日本でも高齢化が進んで高齢者が高齢者の介護をするという現状は珍しくないですが、やはり他の国でもこんな状況なのかしら?

高齢者問題に焦点を当てて1組の夫婦の愛の行く末を淡々とそしてある意味衝撃的に描いています。考えたらいつこういうことが起きないとも限りませんよね。私自身も今まではそんな深く考えなかったけど最近は他人事とは思えないように考えるようになりました。

ネタばれになります。未見の方読まないで下さい!

冒頭のシーン。アパート一室に警察官が入るところから、妻アンヌはベッドに横たわっていました。周りには花が飾られていました。どうなったかはこれで大体分かると思います。

あらすじ(goo映画より)

パリ都心部の風格あるアパルトマンに暮らすジョルジュ(ジャン=ルイ・トランティニャン)とアンヌ(エマニュエル・リヴァ)は、ともに音楽家の老夫婦。その日、ふたりはアンヌの愛弟子のピアニスト、アレクサンドル(アレクサンドル・タロー)の演奏会へ赴き、満ちたりた一夜を過ごす。翌日、いつものように朝食を摂っている最中、アンヌに小さな異変が起こる。突然、人形のように動きを止めた彼女の症状は、病による発作であることが判明、手術も失敗に終わり、アンヌは不自由な暮らしを余儀なくされる。医者嫌いの彼女の切なる願いを聞き入れ、ジョルジュは車椅子生活となった妻とともに暮らすことを決意。穏やかな時間が過ぎる中、誇りを失わず、アンヌはこれまで通りの暮らし方を毅然と貫き、ジョルジュもそれを支えていく。離れて暮らす一人娘のエヴァ(イザベル・ユペール)も、階下に住む管理人夫妻もそんな彼らの在り方を尊重し、敬意をもって見守っていた。だが思い通りにならない体に苦悩し、ときに「もう終わりにしたい」と漏らすアンヌ。そんなある日、ジョルジュにアルバムを持ってこさせたアンヌは、過ぎた日々を愛おしむようにページをめくり、一葉一葉の写真に見入るのだった。アンヌの病状は確実に悪化し、心身は徐々に常の状態から遠ざかっていく。母の変化に動揺を深めるエヴァであったが、ジョルジュは献身的に世話を続ける。しかし、看護師に加えて雇ったヘルパーに心ない仕打ちを受けた二人は、次第に家族からも世の中からも孤立していき、やがてジョルジュとアンヌは二人きりになってしまう。終末の翳りが忍び寄る部屋で、ジョルジュはうつろな意識のアンヌに向かって、懐かしい日々の思い出を語り出すのだった……。

 最初の方は良かったんだけど、、、、。

右半身が麻痺した妻アンヌを自らの手で介護するというのはやはり考えただけでも大変。そのうちに妻の様子は悪化を辿る。食べさせたリ水分を摂取させるのにも妻は拒否。そんな状況になっても表情を変えず一心に介護するジョルジュ。妻への思い、愛はそれ以上に強かったのかな。


娘エヴァが母を心配して訪ねて来るもあわさないように鍵をかけるジョルジュの心境はどうも掴めない。何だか彼の心理が良く分からなかったなあ。

最後までジョルジュ自身、妻の介護一人でやり遂げたかったのかしら?それにしてもあの行為は理解出来ないし、、、、。そうそう気になったことがもう一つ、ハネケ監督に聞きたいよ!鳩のシーンはどういう意味がこめられているのかしら。

この鳩が2人のアパートに迷いこんでくるシーンが2回あるのですが、一度目はジョルジュは追い出します。2回目はね何とか捕まえてしまう。その後はどうしたのかは映らなかったんだけど・・・・。これって彼の心境の変化を現しているような気もしてなりませんでした。これがラストへと繋がるのかもしれないと。どう受け止めるのかは見る側の判断かもしれません。

ラストは突然暗転となりエンドクレジットです。色々考えさせるものはありました。ジョルジュのアンヌへの究極の愛はこんな感じなのかしら。 

どちらにしても老い、死から避けることは出来ませんし、、、、。だから理想の介護が出来るわけでもない、厳しい現実は目の前にあるわけです。この現実から目をそむけるわけにはいかないことをこの作品から教えられたような気がしました。愛って難しいですね。

解説(allcinemaより)

 「ピアニスト」「白いリボン」の名匠ミヒャエル・ハネケ監督が、「男と女」のジャン=ルイ・トランティニャンと「ヒロシマモナムール」のエマニュエル・リヴァを主演に迎え、“老い”と“死”をテーマにひと組の夫婦の人生の最終章を丁寧な筆致で赤裸々にして崇高に描いた感動作。カンヌ国際映画祭パルム・ドール受賞をはじめ数々の映画賞を席巻、米国のアカデミー賞でも外国語作品ながら作品賞を含む5部門で候補になるなど各方面から絶賛された。

メディア 映画
上映時間 127分
製作国 フランス/ドイツ/オーストリア
公開情報 劇場公開(ロングライド)
初公開年月 2013/03/09
ジャンル ドラマ
映倫

G

 

 

オフィシャル・サイト
http://ai-movie.jp/
 
 
 
 
 
 
 
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俗人の感想 (クラム)
2013-03-23 03:38:37
正直言ってお手上げでした。
自分の記事を書いてから回った他の方のコメントが明らかに違うんです。

映画としておもしろいと思うし、一つの愛のかたちと理解はできるけれど、
あくまで一つでしかないのではないかと思いました。
言い換えれば、必ずしもジョルジュ>エヴァではないはず。

鳩も分かりませんでした。
私なんて単純ですから、単にジョルジュが少しずつ
正気を保てなくなっているのかと受け取っちゃいました
(わざわざ日記のように綴っているところがおかしい)。
いずれにしても、まだまだ勉強不足のようです。
返信する
Unknown (めえめえ)
2013-03-23 21:09:20
鳩のシーンは他の方のレビューで知りましたが、
とにかく捕まえるまでが長かった…

もしこの日にこの作品を観られたのなら、
ご一緒だったかも知れません。
年配のご婦人が多かったです(笑)
返信する
クラムさん☆★ (mezzotint)
2013-03-24 18:20:05
今晩は☆彡
いえいえ私も分からないことだらけです。
鳩の2シーンは私なりに想像してみたり、、、。
意外にジョルジュの感情を抑えての介護かと
思えたもんで、ラストは予想ついていたけど、
やっぱり驚かされました!ハネケ監督らしい
手法かも。
返信する
めえめえさん☆★ (mezzotint)
2013-03-24 18:23:04
今晩は☆彡
鑑賞日は火曜日だったんです。
ということは違うかもです。それにしても
年配の女性多かったです。さすが賞ゲットしただけ
あって連日満員のようですね。
返信する
Unknown (mig)
2013-04-01 10:19:25
こんにちは、
ハネケファンの目からみると、
ハネケだからこそ傑作なった、
ハネケらしい作風でした。
私のレビューに書いた海を飛ぶ夢という、
ハビエル主演作品も尊厳死がテーマにあったんですが
こちらはもう少し、身内の愛を描いて
痛々しいシーンはなかったものの
いつものハネケ通り、考えさせられる
重みのある映画でした。
返信する
mig さん♪ (mezzotint)
2013-04-02 12:07:12
こんにちは!
そうかやはりハネケありの作品なんですね。

海を飛ぶ夢ですか。一度DVDレンタルしてみます。
興味深々な感じですね。主演がハビエルさんなら
なおさら興味ありです。
返信する
愛というより (sakurai)
2013-04-10 15:04:29
抵抗の物語に見えたアタシは、現実的な人間なのかなと~と、若干嫌悪気味ですわ。

まず自分の老いの前に、とりあえず老二組の両親がおりますので、そっちを見てから自分のことを考えたいと思いますです。

鳩に関しては、「映画のブログ」のナドレックさんが、こんなふうに述べてらっしゃいますので、よければ参考に。

http://movieandtv.blog85.fc2.com/blog-entry-401.html
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