運じゃなく、運命だった。
4月20日、MOVX京都にて鑑賞。待ち焦がれていた本作「スラムドッグ$ミリオネア」をようやく鑑賞しました。
第81回アカデミー賞最多8部門受賞という驚異的な受賞とあって、MOVX京都も大勢のお客さんでした。しかも、MOVXディということで1000円、これは見逃せない絶好のチャンス。前売りチケットが1500円だったので購入せず、この日を狙っていましたよ!
これだけの受賞がなければ、シネコンでの上映もなかったでしょう。名前の知られているキャストは出演していません。監督はダニー・ボイル、有名なイギリスの監督ですよね。彼の作品では「トレインスポッティング」が好きかな。
低予算で、しかもインドで撮影され、無名の役者たちを集めた作品が何故に観客や評論家に絶賛されたのか?
インド、ムンバイがこの映画の舞台。今やムンバイはインドの経済の中心として大きく発展している。そういえばインド映画も最近は注目されているよね。インド好きの友人よると、おひざ元インドでも母国映画がかなりブレイクしているという。ラストに繰り広げられた、あの駅のホームでのダンスも、インド映画に必ずあのようなダンスシーンがあるらしい。
すべては、大人気番組「クイズ$ミリオネア」からこの物語は始まる!そして番組は歴史史上最高にエキサイティングな瞬間を迎えていた。
挑戦者はムンバイ出身のスラム出身の18歳、ジャマール・マリク。
学校にも行ったことがない彼が難解な問題に正解し続ける。あと1問で2000万ルピーを手にするところまで来ているのだ。
正直、番組のホスト、ブレーム・クマールにとっても面白くない。
クマールはこっそり警察に連絡し、1日目の収録が終了したところで、ジャマールを逮捕させてしまった。
尋問を受けることになったジャマール。本当に答えを知っていたと主張する彼は、これまで出された質問のひとつひとつの答えを知ることになった苛酷な過去を話始める。
それにしてもよく言ったものだ。親がなくても子は育つって・・・。その言葉の通り、親を亡くした幼いサリーム・ジャマール兄弟は、辛い環境の中で、死にもの狂いに生きていくわけだ。生きるためには、何でもする。スラムで生きる子供たちの逆境で生きざまのパワーをヒシヒシと感じる。ぐっときちゃうんだけど、この子らのハングリーさ、きっと私ではできないなあ・・・・・。
お金はないけど、優しい母の元で暮らしていたジャマール。
トイレでうんちをきばっていたら、サリームに閉じ込められてしまった。
大好きな映画スターのサイン欲しさに肥えたんこに落ちて、サインをもらう!
そんな兄弟は、対照的な性格、兄サリームは破天荒なタイプで、生きるための処世術を身につけている。生きるための金儲けも上手いんだね。
それに比べて弟ジャマールはそんな辛い状況の中でも、ピュアな心の持ち続ける素晴らしい少年。同じように孤児となってしまった幼馴染みのラティカへの優しい気持ちを持ち続けるんだね。
インドでは今も宗教心が凄く強い国。この映画でもイスラム教とヒンズー教の暴動が起きて、惨事となる。兄弟の母親も殺されてしまう。暴動から逃げる兄弟の姿が、今も目に焼き付いている。
ある日、ふたりは、ひとりポぽつんと立っている女の子を発見。サリームは放っておけというけれどジャマールは仲間に招きいれてあげる。3人となった彼らは、自分たちを“三銃士”と見立て、残酷な少年時代を手を取り合って生きていくんだけれど・・・・・。そんな孤児たちを搾取する恐ろしい大人の手に。逃げ出途中、ラティカと生き別れになってしまう。
列車に乗り込む兄弟。
ジャマール(幼少期)(アーユッシュ・マヘーシュ・ケーデカー
ル)(右)
サリーム(幼少期)(アズルディン・モハメド・イスマイル)左
列車の上から食べ物をちょっと盗んで・・・・・。
生きるために何でもする。
タージ・マハルでは焼き付けの知識で観光ガイドのフリをしてお金を稼いで生き延びる。どんな苦労にも負けず、決して金銭の欲望にとらわえることなく、まっすぐな心と誠実さを失わないジャマール。サリームは金とパワーに貧欲になっていく。どんどん兄弟の溝は深まっていく・・・・。
ジャマールの心の支えは、今どこにいるのかわからない、幼馴染みのラティカ。どうしても彼女を見つけたい。
一度彼女に再会した。彼女はダンサーとして生きていた。サリームによって引き離されてしまう。
どうしても彼女に会いたい!その一心からジャマールは「クイズ$ミリオネア」に参加することを決意。インドのどこかできっと彼女が自分を見つけてくれるかもしれないという希望に賭けた。
実は、お金が目的じゃあなかったんだ。
尋問を受けるジャマールが過去を語るうちに、彼がクイズの答えを何故?知っていたのかも少しづつ明らかになる。次第に、警部もジャマールの話に心動かされていく。このスラムの負け犬はもしかしたら、真実を語っているのでは?
警部(イルファン・カーン)この方、「ダージリン急行」や「その名にちなんで」などに出演されているインドでは結構有名な俳優さんです。
番組に出演しようとした動機が明らかになり、警部は「スタジオに戻って、最後の質問に答えなさい」と言う。
そしてジャマールは、全てを賭けた“ファイナル・アンサー”を出すために、スタジオへ戻ることに。
果たして最後の質問は、何が用意されているのか?ここで正解が出せなければ、彼は元の生活に戻ることになる。そして正解すれば、2000万ルピーという夢のような大金を手にすることができる。そしてそれよりも、この(スラムの負け犬)ジャマールは、本当の目的を達成することができるのだろうか?
インド中が息を飲んで見守る中、彼に出された最後の質問は、ジャマールの人生を試すような驚くべき質問だったーーー。
ラティカはある組織のボスの籠の鳥だった。それを助けたのは兄サリーム。彼女を逃がした。彼は弟のために犠牲となってしまう・・・・。兄弟の心はどこかで繋がっていたんだと。
最後の質問は、解らなかった。ジャマールはライフラインのテレフォンを使い、答えを聞くことに。兄の携帯にかける・・・・、電話に出たのは何と!
これこそ運命?
ラティカ(フリーダ・ピント) ジャマール・マリク(デヴ・パテル)
お金より、もっと大事なものがある。貧しくても心の支え、愛が大切。ジャマールの思いはそれなんだ!
サリームもきっとそのことに気づいたに違いない。
サリーム・マリク(マドゥル・ミッタル)
プレーム・クマール(アニル・カプール)
右側に写っているのがラティカ(幼少期)役の女の子
ルビーナ・アリちゃんです。
ダニー・ボイル監督
メディア | 映画 |
上映時間 | 120分 |
製作国 | イギリス/アメリカ |
公開情報 | 劇場公開(ギャガ・コミュニケーションズ) |
初公開年月 | 2009/04/18 |
ジャンル | ドラマ/コメディ/ロマンス |
映倫 | PG-12 |
原作:ヴィカス・スワラップ 『ぼくと1ルピーの神様』(ランダムハウス講談社刊)
「トレインスポッティング」「28日後...」のダニー・ボイル監督が、インドを舞台に撮り上げたバイタリティに満ちあふれた社会派エンタテインメント大河ラブ・ロマンス。原作はヴィカス・スワラップの『ぼくと1ルピーの神様』。日本でもお馴染みのクイズ番組で史上最高額まであと1問と迫ったスラム育ちの青年が語る過酷にして波瀾万丈の生い立ちが、多彩な要素を巧みに織り込みつつスリリングかつ躍動感いっぱいに描かれてゆく。世界中で数々の映画賞を獲得し、ついにはアカデミー賞で作品賞を含む最多8部門を受賞する快挙を成し遂げた。 ※結構ウルウル状態になりました。 スラムドッグ$ミリオネア(ウィキぺディア) この映画の詳細、HPにもリンクできます。
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お金より大事なものがある!!当たり前ですね
最後の質問もまさに運命。
私もまさかのウルウル状態でしたよー。
うわーー、あのシーンまでUP!!思わず息を止めて見てました・・・・。
あの少年の親が、何千万だかで、養子に出したとか、などという話も聞こえてきましたが、現実はやっぱ厳しいでしょうねえ。
あたしも「トレスポ」好きですが、というより、これしかなかったかな・・・・(「シャロウ・グレイブ」も良かったかも)だったのですが、復活ダニー・ボイルでした。
うわーー、あのシーンまでUP!!思わず息を止めて見てました・・・・。
あの少年の親が、何千万だかで、養子に出したとか、などという話も聞こえてきましたが、現実はやっぱ厳しいでしょうねえ。
あたしも「トレスポ」好きですが、というより、これしかなかったかな・・・・(「シャロウ・グレイブ」も良かったかも)だったのですが、復活ダニー・ボイルでした。
いや~いい映画でした。
なんか観た直後からずーっとひきづってまた観たいなぁて思ってます
ほんとは水曜日行こうと思ってたのにすっかり今日が水曜と間違えてました
サントラはゲットしたんですがやっぱりいいです~♪(お勧め!)
「その名にちなんで」は観てないんですよね、
「ダージリン急行」は観たけど出てた人だったんですね、あの警部。
キャスト、皆よかったです☆
この土日で見に行こうかな…
レッドクリフ2も見たい。
沢山、見たい作品あるのですが…
なかなか時間が作れません。
やはり、私の映画館は、ここです。
この映画はホントに見応えがありましたよね
自らの人生を諦めて途中で命を放棄してしまう日本人が多い中、
この映画に描かれていた生きる事への貪欲さには
美しくさえ感じられました
クイズに勝ち進んだ事への疑惑を巡り、
どんな拷問を受けても自らの潔白を主張し続けたジャマールの心の強さは
幼少時代から培われてきた信念の強さだったんですよね
他人は騙せても自分の心は騙せない…
生きていくのに大切なのは「魂の強さ」だという事を
ガツンと見せつけられたような力強さと
人を思いやる事の大切さや優しさを兼ね備えた
素晴らしい作品だったと思います
いやあきっと日本人にはここまで
出来ないでしょうね。
日本は飽食な国ですものね。
偉そうなことは言えませんが・・・。
私も彼らのような強さはないです。
この映画から、色々教えられました。
これがアカデミー賞ってのもある意味ディスティニー?(笑)
それとこのブログ、5年目ですか!素晴らしい。昔は10年一区切りって感じでしたが今は5年でもサイクル早いのによくぞ。
継続は力なりですね。これからも楽しみにしています。
いつもTBありがとうございます!
やはりTB反映されないようですね?以前は届いていたようですが、最近のエキサイトはどうもダメです。残念です。
さてこの作品素晴らしかったですね。ダニー・ボイルならではの展開が良かったと思いますね。