銅版画制作の日々

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真木栗ノ穴○●「穴」の向こうに見えるものは・・・・?

2009-01-23 | 映画:ミニシアター

真木栗ノ穴ってタイトルの意味って何なの?

1月14日、京都みなみ会館にて鑑賞。タイトルの意味がよく分からなかった。映画を観て初めて、主人公の名前が真木栗 勉だということが分かる。原作は山本亜紀子さんの小説「穴」というもので、2001年四谷ラウンド文学賞を受賞した。恋愛&ホラー小説の女流作家として評論家・清水良典らに絶賛されている方だそうです。私はまったく知りませんでした。監督は深川栄洋。1976年生まれの若い監督さんらしいけれど、まったくこの方の存在も知りませんでした。2005年、初の劇場用長編映画「狼少女」で東京国際映画祭「日本映画・ある視点」部門に選出されたのを機に同年12月に劇場公開されて大きな話題となったそうです。とにかく知らないことだらけですが、鑑賞してまいりました。

 この方が深川栄洋監督。やっぱり若い!!

山本亜紀子原作「穴」を新進気鋭の深川栄洋監督によって映画化された、その作品が、2009年最初の邦画鑑賞です。そしてあの西島秀俊さん主演を務めておられます。そういえば加瀬亮君との共演作「東南角部屋二階の女」は見逃してしまいましたね。

もちろんホラーです。そしてちょっと怪しい感じがします。そして西島さんは、なかなかこの真木栗さんのキャラにドンピシャですね。

物語の場所は、古都鎌倉、切り通し。そこを過ぎたところに、無茶古いアパートがあった。そのアパートでひとりの男が小説を書いている。名前は真木栗勉(西島秀俊)売れない小説家で、ただ原稿に向かうだけの日々。

 切り通しの向こうにあのアパートはあった?!

ある日、真木栗はなじみの食堂で働く女・シズエ(キムラ緑子)に誘われ、彼女の部屋を訪れる。彼女と一緒に風呂に入り、真木栗が自宅に戻って見たものは、泥棒に荒らされた自分の部屋だった。途方に暮れた真木栗は、西側の壁に小さな穴を見つける。

穴をのぞくと、隣に住む若い男・佐々木(北村有起哉)が見えた。翌朝に目覚めた真木栗は、昨日と反対に東の壁にも小さな穴を発見してのぞき込むが、ちゃぶ台が置かれた空き部屋が見えるだけであった。

ある日、行きつけのラーメン屋に行くと、週刊誌の編集者・森本(利重剛)とその部下浅香成美(木下あゆ美)がやって来た。森本は真木栗の貧乏暮らしを知ってか知らずか官能小説の執筆を依頼するのだった。

書けるはずもなく、時間だけが過ぎていった。西の部屋に住む佐々木が女を連れ込んだ。のぞき見ると情事を繰り広げている。そんなある日、真木栗は、アパートを見上げる、白い傘をさした美しい女性に目を奪われるのだった。隣室に彼女が引っ越してくることを妄想し、小説を書き始める真木栗。ところが、実際に隣に日傘の女が引っ越してきた。ここから真木栗は、夢とも現実ともつかない幻想に入り込む。女の名前は水野佐緒里(粟田麗)。豪邸に住む夫(田中哲司)と別れ、アパートに越して来た訳あり女だ。真木栗は壁穴からのぞいたことをネタにする。

その頃、真木栗の担当編集者・浅香が原稿を取りに頻繁に訪ねてくるようになった。浅香は真木栗の小説に出てくる穴が実在するような気がして、真木栗にたずねるが、はぐらかされてしまう。

真木栗と隣の部屋の佐緒里の間に流れる空気も近づきそうな怪しげな雰囲気があるが、もう少しというところですれ違う。買い物帰りの真木栗に偶然出会い、彼女が差し出すトマト。手渡そうとして落ちてしまうトマト・・・・床に落ちて汚れてしまう。彼女の足を拭こうとするも、逃げるように立ち去る佐緒里。後を追うように“穴”をのぞくと、男の声が!穴の向こうで佐緒里と男が抱き合う姿が見えた。

宅配の男

真木栗のところへ荷物を持ってきた宅配の男はネームプレートを落としていった。そのネームプレートを手にした真木栗は妄想を働かせペンを走らせる。何と宅配の男が佐緒里を襲うということを書いていたのだ。そしてふと“穴”から、女の部屋をのぞくと、真木栗が書いたことが現実に!

置き薬屋の男

置き薬のセールスマン細見は訪れては、何かと真木栗の世話を焼こうとした。偶然にも細見が真木栗の部屋に訪ねてきたのは、問題の“穴”を発見した日だった。案の定、佐緒里と細見の情事を妄想して執筆。すると宅配の男同様、穴から同じ光景が見えた。

書いたことが現実になっている。急激に“女”と“穴”に取り憑かれ、小説にする真木栗の姿があった。

出入りする宅配業者や置き薬屋(尾上寛之)と、佐緒里の情事を想像して書くのだが、いつしか妄想と現実の境界が、あいまいになり始める──。

 

不思議な偶然

何と佐緒里に関わった宅配の男も、置き薬のセールスマン細見もその後亡くなっていた。宅配の男は行く不明になって、死んだ。細見は自殺らしい。

 

驚くべき事実

真木栗の小説は評判となる。そのことを浅香が伝えにやって来た。やつれていく真木栗を気にかける。

 

小説が掲載された週刊誌に佐緒里の写真が!佐緒里はIT長者の妻だったが世間のバッシングに耐え切れず心中したという記事だった!

 

あの女はもう死んでいる?!

佐緒里は確かにアパートを探していた?

このアパートは幽霊を惹きつける?

そしてこのアパートは一ヵ月後に取り壊される?

謎だらけ、でも真木栗は彼女のことが忘れられなかった。

実家から届く梅酒を、佐緒里と飲む約束をしていた。その約束を果たすように、真木栗は、隣の部屋に吸い込まれるように入っていった。

隣の部屋は最初から空き部屋だったはず・・・・・?

浅香が原稿を取りに部屋に来た。しかし真木栗の姿はなかった。今通ってきた、切り通しを戻っていく浅香。すれ違うように浴衣を着たあの女が来た。あのアパートは実在するのか?幻想の世界なのか?

 

主演の西島秀俊さんと&深川栄洋監督インタビューはこちらをご覧下さい。


 

オフィシャル・サイト
http://www.makiguri.com/

 

夢か幻か?それともやっぱり妄想なのか・・・・・。現実の中に全てが存在しているのかもしれません。現代版牡丹灯篭のような?感じもしました。美女には気をつけないといけません。後が怖いかも・・・・。西島秀俊さん、この役はまっていましたね。穴の中を覗くのはやばいですね。

 

 


 

 

 

 

Comments (3)    この記事についてブログを書く
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3 Comments

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Unknown (keyakiya)
2009-01-23 20:39:20
西島さんのはまり役のような気がしました。ホラーっぽくなり、ちょっと背筋がゾクっとしかけたところで、現実に戻ったような映画でした。

最近、よく京都みなみに出かけます。観たい作品が続出です。大きな駐車場があるので助かります。
こんにちは♪ (ミチ)
2009-02-16 21:13:24
京都も今日は寒かったんじゃないですか?
こちらも久しぶりに雪がチラつきました。

前情報無しで見たのですが、面白かったです~。
西島君のチョイスする映画はいつも面白くて目が離せません。
彼の佇まいはミニシアターの小さめのスクリーンにピッタリのような気がします。
山本亜紀子 (佐藤秀)
2011-03-17 08:20:22
原作者の山本亜紀子さんて京都出身なんですね。1968年生まれだそうですが、今も京都にお住まいなのかな?

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