息子が大人になった日

息子と私は散髪へ行く時は一緒に行く。髪の長さがそろそろだと思うと「パパ、散髪へ行こうか？」と言ってくる。息子が予約の電話を入れ、時間になると２人で車で行くのだ。
いつも先に散髪するのは私。私はスポーツ刈りだ。アメリカンと言えばやってもらえる。エアコンで涼しくいつもウトウトしていたら終了。カットと顔剃りで洗髪は設備が無い。約４０分で終了。８０バーツだ。
次は息子の番。いつもは子供料金６０バーツでカットだけだが、最近は鼻の下の髭も濃くなっており、私が顔剃りもやってもらうよう指示。今日から大人料金だ。カットはいつもと同じなのでリラックスして進んだが、シートを倒して顔剃りに入ってからは緊張開始。後ろから見ても肩と足に力が入っているのが分かる。顔を剃るのは初めてだからか細かい毛がたっぷり出る。顔剃りが終ったら軽くマッサージしてもらえる。最初はクリームをつけて眉間。それから肩。「痛てて・・おばさんもういいよ」肩を揉まれて気持ちが良い歳ではない。初めての大人コースの感想を尋ねると、顔剃りは怖かった、マッサージは痛かったそうだ。集落内にいくつか理髪店はあるが、衛生的に問題が無さそうなのはここだけ。繁盛しているので予約無しだと待つ事になる。

集落で一番お客さんが多いのは市場横の店。３人の理容師で回転が早く、料金も４０バーツと安いが、そこそこ衛生的な理容師は１人しか居ない。以前はその理容師に切ってもらっていたが、ある日に順番を待っていたら、その理容師に用事が出来て店を出てしまった。私も出直そうかなと思っていたら、ちょうど手が空いた別の理容師に捕まってしまった。椅子へ座ってカットが始まったが鏡の前の棚は埃やら髪やらでゴミだらけ。顔剃りの石鹸を溶く容器には他人の髪の毛もたっぷり入ったまま。もしかして注ぎ足しだろうか。洗った様子が無いのだ。こんなので顔を剃られたら病気を貰ってしまいそうだ。何とか逃げなければ。
カットが終って顔剃りの準備が始まった。
私「お、お腹が痛くなった」
理容師「トイレに行っておいで」
私「いや、帰るよ」
理容師「じゃあ首のところだけ剃ろう」
絶体絶命だ。
私「あ、漏れちゃう漏れちゃう」
理容師「・・・」
私「タオル除けて！」「はい、お金」
そうやって逃亡したのだった。
そうして上のおばちゃんの店になったのだ。

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タイで家庭菜園　久しぶりに更新しました。

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