私は初老男である。
私は「リピートする映画」しか、DVDとして購入しない。
・・・・まあ、あたりまえか。
ゆえに、わたしの持っているDVDは
「スターウォーズ1~6」「マトリックスシリーズ3部作」「地獄の黙示録・ディレクターカット」
などである。
事実これらのDVDは、気が付くと平均年に3度くらいは「再生」している。
そして、今テレビ放送されている
「ルパン三世 カリオストロの城」
も、その中に含まれている。
そして、もしかすると私の中の「再生回数最多」を誇るのが、この作品かも知れない。
最初に、私のアニメに対する一つの観方の鉄則を記しておく。
「アニメは『アニメでしかできないこと』をやらなければ意味がない」
ってこと。
ざっくり言うと「そんなわきゃないだろ!」って描写は「アニメでこそ」許される手法だ。
これに唯一対抗しうるのは「ハリウッド映画の特撮」だけであろう。
つまり映画のファンタジーは「大金をかける特撮」vs「時間と技術を積み重ねるアニメ」との対決である。
そう「アメリカハリウッド映画」と「アニメ大国日本の技術と発想力」のライバル的構図だ。
この「そんなわきゃねぇだろう!」ってことの意味を、良くわかっていたのが
「宮崎駿」
という人物である。
どうやら、長編アニメからは引退したらしいけどね。
ということで、この「カリオストロの城」は、その宮崎駿監督の初監督作品なのである。
宮崎駿という人は、最後まで一貫した「意識」の中でアニメを作り続けた人だ。
それは「アメリカ的正義感の否定」だろう。
簡単に言うと「アメリカンヒーロー」と対極にある主人公たちを取り上げるのが得意だ。
その記念すべき第一回作品が「ルパン三世」ってとこが、いかにも彼らしい。
本当~~~~~に懐かしい。
声優たちも完全オリジナルで「山田康雄のルパン」「小林清志の次元大介」「井上真樹夫の五右衛門」「納谷悟朗の銭形警部」そして「島本須美のクラリス」「石田太郎の伯爵」「永井一郎のジョド」なんてのは、垂涎のキャストだ。
よく聞くと「西ドイツのマルク札」なんてセリフが、出てくるのは「1979年」の公開作品であることを意味する。(なんと「37年前」である)
これだけの時が刻まれても「おもしろさを持続し続ける」ってことは、いかに「コンゼプトがしっかりしているか」ってことの証明だろう。
これからも、このDVDは何度も見ることになるだろう。
今回も最後までお付き合いいただきありがとう。これを読んでいる皆さんも、何度見ても変わらぬおもしろさを感じるものを見つけますように。
May
と、ここまで褒めておいてなんであるが・・・・。このストーリーは、本当に支離滅裂である。最初にばらまいた「偽札」の「原版」をなんで「盗みに行くのか?」とか、そのことと「クラリスを助ける」ことに関連は全くない気がするし、なんでそんなに「伯爵と敵対しなければならないのか?」ってことの意味が全然分からない。・・・・・まあ、いい映画ってのはそうした物なんだろうぅ。
さらに追伸。様々調べてみると、この映画をルパンファンの中には「認めていない人」も多いらしい。
しかし、私のイメージでは、ほかのどの劇場版よりこの作品が「ルパンらしい」
宇宙に飛び出したり、化学を駆使したボスキャラや怨念・祟りに満ちた敵役は、少なくともテレビシリーズにいた「ルパン三世」のイメージじゃないやい!