極東戦線異状アリ

気の向くままに書いています。

五月の鑑賞

2010年06月29日 20時00分23秒 | 鑑賞
劇場に行くとき、見覚えのある人が前を歩いているなと思ったら人間国宝でした。
一般客に混じって出勤していて驚きました。
大きなお世話だけれど、一人で大丈夫なのかと心配になりました。


<文楽五月公演・第一部>
●祇園祭礼信仰記
・金閣寺の段
・爪先鼠の段
歌舞伎では見たことがあります。鼠、可愛かったよ。飼っていたハムスターを思い出したよ。
雪姫は歌舞伎と同様に刀を鏡にして髪の乱れを直すんだね。あの場面は可愛くもあり、色っぺーですな。
久吉が慶寿院に会うために金閣寺の最上階に登って行くときの曲がノリが良くていいですな。


●碁太平記白石噺(ごたいへいきしらいしばなし)
・浅草雷門の段
・新吉原揚屋の段
抗えないくらい物凄い睡魔が襲ってきて殆ど覚えてないです…。
申し訳ないけどこの話のどこが良いのか全く分からない。


●連獅子
人形でどうやってやるのだろうとドキドキしました。
子獅子の人形遣いの人は大変だなと思いました。飛んでましたよね。後に登場したとき肩で息をしていてしんどそうでした。



<第二部>
●新版歌祭文
・野崎村の段
・油屋の段
・蔵場の段
歌舞伎で野崎村だけ見たことありますが最後は悲劇なんですね。やっぱ、久松に腹立つわ。久松がしっかりしていれば、おみつもお染も不幸にならなくて済んだと思うんよ。いや、なんかさ、男のせいで人生左右されるってぇのが気に食わないのよ。久松がお染に靡かなければお染は決められた人のとこに嫁入りできたわけじゃん。死なずに済むわけじゃん。おみつが尼にまでなって諦めた意味がねーだろと。
やはり、人(おみつ)の人生を駄目にした報いだとしか思えんわ。

話は変わりますが正直、いまだに義大夫さんが語る言葉が字幕や本を見ないと分からない事の方が多いのね。でも、住大夫さんの語りは言葉がちゃんと頭に入ってくるし何を言っているか聞きとれるんですよね。


●団子売
人形で舞踊をやるって凄いなと感心します。だって本当は人が踊ったほうが早いのに、わざわざひと手間かけるようなものじゃないですか。やはり、人形を遣う人は人間が踊る舞踊の振付をちゃんと覚えてやるのですかね。

五月読了

2010年06月20日 21時31分29秒 | 
●『人間の建設』 小林秀雄、岡潔
西部すすむ(←漢字出てこない)さんだったけか?がテレビで小林秀雄くらい知っていないと-みたいな事を言っていたので読んでみました。私のアタマが悪いだけだけど難しいと思いました。
印象に残った話はピカソの絵を大枚叩いて買って家に飾るのは気が休まらないから(値段が高いからではなく鑑賞用として)どうかと思うみたいなことが書いてありました。確かに、ゲルニカとか茶の間にあったら毎日、気が滅入りそうだよなぁ。最近も高い値段でピカソの絵がオークションで落とされてましたよね。現代社会では美術品として愛でるというわけではなくて投機目的とかマネロン目的だと思うのですが。って、純粋に好きで買ったのならば申し訳ありませんが。


●『東京島』 桐野夏生
桐野さんの作品を初めて読みました。読み易くてスルスルいけました。面白かったです。初めて読む作家さんの文章って馴れるまでちょっと時間がいりますよね。
女って強いと思いました。前に美輪明宏さんがテレビで男の社長は自殺するけど女の社長は自殺しないと言っていたのを思い出しました。
登場人物たちがお下劣な言葉を言いまくるのが笑えたです。その場面が浮かぶんですよ。