極東戦線異状アリ

気の向くままに書いています。

六月読了

2010年07月11日 19時13分21秒 | 
●『蜜のあわれ われはうたえどもやぶれかぶれ』 室生犀星
NHKのドラマで『火の魚』というのをやっていて、良いドラマだったので原作だというこの小説を読んでみました。ドラマの最後で原田芳雄さんが「タバコ吸いてぇ~!」と叫ぶのがカッコ良かった。
室生犀星の作品を初めて読みました。ドラマの原作の話よりも犀星のエッセイ?の方が面白かった。二時間おきくらいにおしっこをしたくなるという話が読んでいて苦しくなったです。
私もトイレが近くて常に便所の在りかを気にしているのでね。トイレから出てくるのが遅いから一緒にいる人に迷惑掛けるしね。


●『武士道シックスティーン』 誉田哲也
青春!(こういう機会を持てた人は幸運だと思う)という感じで良い作品でした。香織が中二病を克服するお話ですな。続きも読みたいです。香織の兄、萌えるな。


●『お嬢さん』 三島由紀夫
三島作品は数える程しか読んだことはないけれど、改めて、三島由紀夫って凄いと思いました。こういう作品も書けるんだなって。女性心理をこれだけ描写できるだなんて。
終わりも暗くなくてハッピーな感じで良かった。(所々、主人公の親に対する鬱屈とした感情はやはり文学的?だったと思うけど)過去、読んだ作品は主人公が不幸っぽくて(純文学とはそういうものなのかもしれないけれど)終わりが昔の仏映画なみに暗いので。