昨日から始まった看護教員養成講座 「哲学」 の授業ですが、
「哲学の先生に聞いてみたいこと」 のワークで代表質問には選ばれなかったけれども、
あるグループでは第2希望の質問として標記のような質問を用意してくれていたみたいです。
さすがは皆さん教員の卵ということで、哲学そのものよりも授業の仕方に興味があるのですね。
以前に講義中の私語に対してどう対処したらいいかについて連作を書いたことがあります。
せっかくですからそれらも読んでみてください。
「私語の世界(その1)・なぜ私語はいけないのか」
「私語の世界(その2)・人間は私語する動物か?」
「私語の世界(その3)・私語を許してはならない」
「私語の世界(その4)・私語にどう対処するか?」
「私語の世界 (完成バージョン)」
要するに、人間というのは私語する動物なので私語はどうしても発生してしまうけれど、
私語は、授業を聴きたいと思っている他の学生の授業を聴く権利を侵害する行為なので、
ゼッタイに許してはならない、ではそのためにどうしたらいいか、というお話でした。
今回の質問は授業中の居眠りに関してです。
これも私語と並んで教師を悩ませる頭痛のタネのひとつですね。
昨年、看護学校の学生さんからこんな質問をもらってお答えしたことがあります。
「Q.授業で寝てしまう人のことをどう思いますか?」
この質問に対しては、第1段階として 「この人は眠いんだろうなあ」 と思い、
第2段階として 「起こしてあげなくちゃ、眠気を覚ましてあげなくちゃ」 と思います、とお答えしました。
私は、私語と同様、授業中の居眠りも人間本性に根差した自然な反応と思っていますので、
1人や2人に眠られたからといって怒ったりはしません。
(さすがに受講生の大半が眠っているという状態になると小っちゃな胸がキュンと痛みますが…)
そして、私語とは異なり、他の受講生の聴講の邪魔にならないかぎり、
学生には居眠りをする権利 (自由) があると思っています。
いびきをかいて他の受講生の邪魔になっている場合には、
私語と同様、強制的にやめさせることができますが、
そうでないかぎり、授業を聴かずに講義内容についていけなくなるという自己の不利益を、
当人が結果としてその責を負う覚悟があるのであればいくらでも寝ていいのだと思うのです。
なので、私の基本スタンスとしては寝るのは本人の自由だよ、ということになります。
ただ、私が自分の学生時代の経験に照らして思うのは、
学生というのはそこまでの覚悟をもって寝ているわけではないだろうということです。
眠りたくて寝ているのではなく、起きて授業を聴いていたいけど、
何らかの理由でどうしても起きていられなくて寝てしまうのだろうと思うのです。
なので私は寝ている学生がいたら起こしてあげるようにしています。
これははっきり言ってパターナリズムです。
おせっかいであり、干渉です。
ですから、あまり押しつけにならないように、本人がイヤな気分にならずにすむように配慮しています。
ましてや、本人が私に怒られたと思ってしまったらかわいそうなので、
とにかく本人もまわりのみんなも笑ってすませられるような起こし方を工夫しています。
一番よくやるのは次のような方法です。
私は 「オノハラ声」 と呼ばれる、ものすごく甲高い声を発することができます。
九官鳥のような声と言えばわかってもらえるでしょうか。
赤ちゃんや子どもにこの声で話しかけるとなぜかものすごく笑ってもらえます。
で、寝ている学生がいたらそこに近づいていって、
オノハラ声で 「オハヨー」 と叫ぶのです。
これをするとたいていの人はハッと目覚めます。
そして、ぼくと目が合ったら今度は穏やかな声で 「おはよう。目覚めた?」 と話しかけてあげます。
これをやるとたいがいみんな、恥ずかしそうな申しわけなさそうな顔で授業に復帰してくれます。
気をつけなきゃいけないのは、突然大きな声を出すとまわりのみんなのほうがビックリしてしまうので、
寝ている子の近くに行ってからちょっと間を置いて、
この先生何か企んでるなということをまわりのみんなに悟らせてからやったほうがいいでしょう。
だいたいこれで何とかなるものですが、たまに耳が悪いのかこの方法で目覚めない学生もいます。
そういう場合は聴覚ではなく体感に訴えかける方法として、
耳に息をフッと吹きかけてあげると全身をビクッとさせながら目覚めてくれます。
ただこの方法はひょっとするとセクハラと受け止められる可能性がなきにしもあらずなので、
女子学生にはあまり用いないようにしています。
肩を揺するという方法もよく効きますが、これも同様の危険性がありますので、
その代わりに机をガタッと揺すりながらオノハラ声で 「オハヨー」 と言う方法も編み出しました。
このどれかをやれば確実に目を覚ましてくれます。
ただし睡魔が激しい場合はいったん目覚めても、
授業が再開されるとまた眠りに誘 (いざな) われてしまったりすることがあります。
こういう場合は厄介ですね。
2回やってそれでもまた寝てしまう子がいたときは、
3回目に起こしたあと、その子としばらく会話したりしています。
「そんなに眠いの? 昨日の夜何かやってたの?」
「○○○○してました。」
「そっかあ、そりゃ眠いよねぇ。ぼくも眠いんだよ。昨日○○○○してたんだ。
すっごい眠い。いいなあ、君ばっか眠れて。
あ、じゃ順番で寝ることにしない?
ぼくの代わりに授業やっといてよ、ぼくちょっと寝とくから。頼む、お願い。」
「そんなのムリですよ。」
「大丈夫、大丈夫。ぼくだってできるんだから。ほらこれ。ぼくの講義ノート貸すから。」
「ムリです、ムリです。いいから、早く授業やってくださいよ。」
とまあ、こんな感じ。
これぐらい喋ってるとさすがの睡魔も退散してくれます。
これだけやってそれでもさらに寝ちゃう子は今までいませんでしたが、
もしもそういう子が現れたときはもうゆっくり寝かせてあげたいと思います。
人間、本当に睡眠が必要なときというのもあるもんです。
そんなに眠いのにわざわざ授業に出て来てくれてありがとうというくらいです。
人間のすることで当たり前はありません。
学生たるもの授業に出て、眠らず、私語せず、真面目に聴講するのが当たり前などと決めつけず、
本能に抗って私たちの退屈な授業に付き合ってくれている学生たちに対して感謝の念を抱きながら、
大らかな気持ちで日々の授業に臨もうではありませんか。
「哲学の先生に聞いてみたいこと」 のワークで代表質問には選ばれなかったけれども、
あるグループでは第2希望の質問として標記のような質問を用意してくれていたみたいです。
さすがは皆さん教員の卵ということで、哲学そのものよりも授業の仕方に興味があるのですね。
以前に講義中の私語に対してどう対処したらいいかについて連作を書いたことがあります。
せっかくですからそれらも読んでみてください。
「私語の世界(その1)・なぜ私語はいけないのか」
「私語の世界(その2)・人間は私語する動物か?」
「私語の世界(その3)・私語を許してはならない」
「私語の世界(その4)・私語にどう対処するか?」
「私語の世界 (完成バージョン)」
要するに、人間というのは私語する動物なので私語はどうしても発生してしまうけれど、
私語は、授業を聴きたいと思っている他の学生の授業を聴く権利を侵害する行為なので、
ゼッタイに許してはならない、ではそのためにどうしたらいいか、というお話でした。
今回の質問は授業中の居眠りに関してです。
これも私語と並んで教師を悩ませる頭痛のタネのひとつですね。
昨年、看護学校の学生さんからこんな質問をもらってお答えしたことがあります。
「Q.授業で寝てしまう人のことをどう思いますか?」
この質問に対しては、第1段階として 「この人は眠いんだろうなあ」 と思い、
第2段階として 「起こしてあげなくちゃ、眠気を覚ましてあげなくちゃ」 と思います、とお答えしました。
私は、私語と同様、授業中の居眠りも人間本性に根差した自然な反応と思っていますので、
1人や2人に眠られたからといって怒ったりはしません。
(さすがに受講生の大半が眠っているという状態になると小っちゃな胸がキュンと痛みますが…)
そして、私語とは異なり、他の受講生の聴講の邪魔にならないかぎり、
学生には居眠りをする権利 (自由) があると思っています。
いびきをかいて他の受講生の邪魔になっている場合には、
私語と同様、強制的にやめさせることができますが、
そうでないかぎり、授業を聴かずに講義内容についていけなくなるという自己の不利益を、
当人が結果としてその責を負う覚悟があるのであればいくらでも寝ていいのだと思うのです。
なので、私の基本スタンスとしては寝るのは本人の自由だよ、ということになります。
ただ、私が自分の学生時代の経験に照らして思うのは、
学生というのはそこまでの覚悟をもって寝ているわけではないだろうということです。
眠りたくて寝ているのではなく、起きて授業を聴いていたいけど、
何らかの理由でどうしても起きていられなくて寝てしまうのだろうと思うのです。
なので私は寝ている学生がいたら起こしてあげるようにしています。
これははっきり言ってパターナリズムです。
おせっかいであり、干渉です。
ですから、あまり押しつけにならないように、本人がイヤな気分にならずにすむように配慮しています。
ましてや、本人が私に怒られたと思ってしまったらかわいそうなので、
とにかく本人もまわりのみんなも笑ってすませられるような起こし方を工夫しています。
一番よくやるのは次のような方法です。
私は 「オノハラ声」 と呼ばれる、ものすごく甲高い声を発することができます。
九官鳥のような声と言えばわかってもらえるでしょうか。
赤ちゃんや子どもにこの声で話しかけるとなぜかものすごく笑ってもらえます。
で、寝ている学生がいたらそこに近づいていって、
オノハラ声で 「オハヨー」 と叫ぶのです。
これをするとたいていの人はハッと目覚めます。
そして、ぼくと目が合ったら今度は穏やかな声で 「おはよう。目覚めた?」 と話しかけてあげます。
これをやるとたいがいみんな、恥ずかしそうな申しわけなさそうな顔で授業に復帰してくれます。
気をつけなきゃいけないのは、突然大きな声を出すとまわりのみんなのほうがビックリしてしまうので、
寝ている子の近くに行ってからちょっと間を置いて、
この先生何か企んでるなということをまわりのみんなに悟らせてからやったほうがいいでしょう。
だいたいこれで何とかなるものですが、たまに耳が悪いのかこの方法で目覚めない学生もいます。
そういう場合は聴覚ではなく体感に訴えかける方法として、
耳に息をフッと吹きかけてあげると全身をビクッとさせながら目覚めてくれます。
ただこの方法はひょっとするとセクハラと受け止められる可能性がなきにしもあらずなので、
女子学生にはあまり用いないようにしています。
肩を揺するという方法もよく効きますが、これも同様の危険性がありますので、
その代わりに机をガタッと揺すりながらオノハラ声で 「オハヨー」 と言う方法も編み出しました。
このどれかをやれば確実に目を覚ましてくれます。
ただし睡魔が激しい場合はいったん目覚めても、
授業が再開されるとまた眠りに誘 (いざな) われてしまったりすることがあります。
こういう場合は厄介ですね。
2回やってそれでもまた寝てしまう子がいたときは、
3回目に起こしたあと、その子としばらく会話したりしています。
「そんなに眠いの? 昨日の夜何かやってたの?」
「○○○○してました。」
「そっかあ、そりゃ眠いよねぇ。ぼくも眠いんだよ。昨日○○○○してたんだ。
すっごい眠い。いいなあ、君ばっか眠れて。
あ、じゃ順番で寝ることにしない?
ぼくの代わりに授業やっといてよ、ぼくちょっと寝とくから。頼む、お願い。」
「そんなのムリですよ。」
「大丈夫、大丈夫。ぼくだってできるんだから。ほらこれ。ぼくの講義ノート貸すから。」
「ムリです、ムリです。いいから、早く授業やってくださいよ。」
とまあ、こんな感じ。
これぐらい喋ってるとさすがの睡魔も退散してくれます。
これだけやってそれでもさらに寝ちゃう子は今までいませんでしたが、
もしもそういう子が現れたときはもうゆっくり寝かせてあげたいと思います。
人間、本当に睡眠が必要なときというのもあるもんです。
そんなに眠いのにわざわざ授業に出て来てくれてありがとうというくらいです。
人間のすることで当たり前はありません。
学生たるもの授業に出て、眠らず、私語せず、真面目に聴講するのが当たり前などと決めつけず、
本能に抗って私たちの退屈な授業に付き合ってくれている学生たちに対して感謝の念を抱きながら、
大らかな気持ちで日々の授業に臨もうではありませんか。
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