まさおさまの 何でも倫理学

日々のささいなことから世界平和まで、何でも倫理学的に語ってしまいます。

Q.先生にとって倫理とは何ですか?

2009-10-07 19:33:46 | 哲学・倫理学ファック
この質問は2人から出されていたのですが、
質問の意味と意図が不明でしたので、今日直接3点ほど確認させていただきました。
①この質問は、私が考える 「倫理」 の定義を聞いているのか、
 つまり、私が倫理をどういうものだと考えているのかを知りたいのか、
②それとも、「倫理」 というものが私にとってどういう意味を持つのか、
 「倫理」 が私にとってどういう存在であるのか、といったことを聞きたいのか、
③この質問のなかの 「倫理」 を 「倫理学」 に置き換えてもかまわないのか。

もしも①だとするならば、すでにお答え済みですが、
そういう意味の質問ではなく、聞きたいのは②であるとのことでした。
また、質問を出してもらったのは、
授業のなかで 「倫理」 と 「倫理学」 のちがいについて説明する前でしたので、
特に意識せずに 「倫理」 という語を使ったのだと思いますが、
私にとっては 「倫理」 か 「倫理学」 かで意味が全然違ってきてしまいますので、
その点も確認させていただいた結果、置き換えてもいいとのことでしたので、
「倫理」 と 「倫理学」、それぞれについて話してみることにします。

たぶん、この問いに対する答えは、
以前に 「Q.倫理学者は倫理的な人ばかりですか?」 に書いたことと、
けっこう重複してしまうかもしれません。

A-1.私にとって 「倫理」 とは、問い続けるべき対象です。

前に、答えが出なくても考え続けなきゃいけない問題があると言いましたが、
私は、いろいろある中でも、倫理について問い続け、考え続けることを選びました。
なぜそれを問い続けることを選んだのでしょうか。
それは、たぶん私が、人間にとって倫理というのはとても大事である一方で、
もしもヘンな倫理が流布してしまったら、人間にとってこの上ない災厄をもたらすこともある、
と考えているからでしょう。
倫理によって社会生活が可能となり、人びとの共存が可能となる一方で、
差別や自爆テロなど、個人を犠牲にするよう強いてくる倫理もあります。
与えられた倫理を鵜呑みにしてしまうのではなく、
よりよい倫理はどういうものか、逆にダメな倫理とはどういうものか、
そういうことを考え続けていきたいと思うのです。
ですから、倫理は私にとって問い続ける対象なわけです。

そして、倫理を問い続けていく学問が倫理学です。
すると私にとって倫理学とは何なのでしょうか。

A-2.私にとって 「倫理学」 とは、たまたま出会ってしまった一生の恋人です。

一瞬、「一生の仕事」 と答えそうになったのですが、
もしも大学に就職できなかったとしてもたぶん倫理学をやり続けたでしょう。
「仕事」 という言葉もいろんな意味で使えるわけですが、
お金を稼ぐためのものを 「仕事」 と呼ぶのだとすると、
仕事でなくともやり続けただろうから、
「一生の仕事」 というのはちょっと違うかなと考え、
「一生の恋人」 と言い換えてみました。
ちょっとカッコいい感じでしょ?

「たまたま出会ってしまった」 というのは本当に実感です。
「Q.哲学をやろうと思ったきっかけは何ですか?」 のシリーズを、
(その0)(その1)(その2)(その3)(その4) と書き続けたので、
それを読んでいただけるとわかると思いますが、
いろんな要素が重なってたまたま、哲学・倫理学に出会ってしまったなあという感じです。
以前は、もっと別の人と出会っていたらどうなってただろうなあ、
なんて夢想したりしたこともありましたが、
最近ではそういうことを考えることもなくなって、
この出会いが一番よかったんだと思い込むことにしています。
「ベスト選択不可知の法則」 ですね。
たまたま恋に落ちてしまってもうどうしようもないので、
この恋人と一生添い遂げたいと思います。
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