中小企業診断士 地域活性化伝道師のブログ

地域活性化を目指すプロフェッショナル人材をリンクさせイノベーションを目指す中小企業診断士、地域活性化伝道師です。 

自動車の価格帯からみる中小企業と価格弾力性の関係

2014年10月28日 04時14分16秒 | 2014年版ものづくり白書を読む!
おはようございます。株式会社リンクアンドイノベーション 中小企業診断士の長岡力(ながおかつとむ)です。

昨日は2014年版ものづくり白書17ページ「図 112-10 「輸送用機器」の貿易収支の推移」を見ましたが、今日は20ページ「コラム 価格帯に応じた自動車の貿易動向の変化」をみます。

白書は、下図により、国内自動車メーカーの代表車種の輸出傾向については、価格帯に応じて変化があることが分かるとあります。

例えば、200万円台までの低価格帯の車種は、地産地消が進み、輸出台数上位の車種の生産拠点も海外に移管するなどの動きがあり、今後は、輸出台数は減少する可能性がある。

ボリュームゾーンである中価格帯(200~350万円)の輸出台数はリーマンショック後に大幅に減少し、ようやく半分程度は回復したものの、その後は横ばいである。

輸出台数上位車種を中心に、今後の動向が注目される。一方で、高価格帯(500万円~)の車種は引き続き日本において生産し、先進国市場へ輸出するという構図が維持されるのではないかと期待される。

また、ミクロの貿易動向を分析すると、新興国市場の急激な拡大や生産拠点の海外展開に伴い、価格帯に応じて変化が見られる。

価格弾力性が高く、新興国を中心に需要が急増している「低価格車」は需要地で生産・販売(「地産地消」型)し、需要の急激な拡大は期待は出来ないものの、価格弾力性が低いため価格が引下げられにくい「高価格車」は日本で引き続き生産し先進国に輸出するという構図が今後は明確になると予想される、とあります。

価格弾力性とは価格の変化に対する需要の変化のことであり、価格弾力性が高いとは、価格が下がると需要が大きくなる、低いとは価格が上がっても需要にはあまり変化がないということです。

本コラムは、中小企業においても価格弾力性が低い商品や技術の開発が求められていると読み取ることができますね。

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