万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

現代イスラムの『罪と罰』

2007年07月26日 22時30分37秒 | 中近東
人殺しのプロ…の割にテロの成功率は 金持ちほどテロリストに?――フィナンシャル・タイムズ (フィナンシャル・タイムズ) - goo ニュース

 高学歴でお金持ちほど自尊心が強くなり、自らに特別な使命があると思い込むと、他者の命など無に等しく感じるのではないでしょうか。市井に生きる人々のほうが、たとえ貧しくても日常に垣間見える人の情に人間性の尊さを感じ取るものです。先進国の生活レベルに追いついていないイスラムの現状にあって、現代のラスコーリニコフが大量に生み出されてしまったのでしょう。

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排出権取引よりも植林を!

2007年07月26日 18時49分57秒 | 国際政治
 京都議定書の締結以来、温暖化ガスの排出権取引こそが、地球温暖化対策の切り札のように語られてきました。しかしながら、この手法が、果たして実際に二酸化炭素の総量を減らす効果があるのか、疑問がないわけではないのです。

 第一に、排出権の取引量=二酸化炭素の減少量という等式の関係が成立しないことです。企業は、排出量を減らさなくとも排出権を購入すれば良いのですから、削減効果は保障されていません。第二に、企業は、削減義務の軽い国に工場を移転させることにより、この問題を回避することができます。第三に、排出権の購入と環境技術の開発とを比較して、後者の方が遙かにコストがかかるならば、企業は前者を選択するということです。つまり、環境技術の開発促進に繋がるかどうかも定かではないのです。

 排出権取引に疑問がある一方で、確実に二酸化炭素を減らす方法はあります。それは、植林です。むしろ、削減目標を達成できなかった企業に対しては、植林事業を義務化する方が、はるかに低コストで二酸化炭素を削減できると思えるのですが、いかがでしょうか?砂漠の緑化に繋がれば、一石二鳥となりましょう。

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