世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。
「ギリシャ人は税金逃れ」 IMFトップ発言“炎上”(産経新聞) - goo ニュース
IMFのラガルド専務理事が”ギリシャ人は税金逃れ”と発言したことに対して、ギリシャ国内では激しい反発が起きたそうです。ラガルド氏も、”ギリシャには同情する”と鎮静化に努めていますが、ギリシャでは、脱税が財政危機の原因となっていることは、周知の事実です。
この発言に憤慨した人々は、きちんと納税している人々であり、誠実に納税義務を果たしながら、脱税者呼ばわりされたのではたまらない、ということなのでしょう。しかしながら、富裕層や政府との間にコネのある一部の人々が、脱税の常習者となっていることは、ギリシャ人にとりましても、深刻な問題なはずです。むしろ、ラガルド氏の発言を追い風として、脱税の摘発や徴税制度の改革に取り組むほうが、ギリシャの財政危機の克服には役立つはずです。氏の発言に感情的に反発したのでは、脱税者を擁護し、税制改革を遅らせることにもなりかねないのです。あるいは、こうした点を考慮しますと、氏の発言に反発した人々は、本当は、税金逃れをしてきた人々なのかもしれませんが…。
事実を指摘された場合には、怒るよりも冷静に素直に受け止め、是正と克服に向けて歩み出す方が、結果がよいことがあります。税金逃れにも問題はありますが、現実からの逃避は、さらに問題を悪化させるのではないかと思うのです。
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ギリシャ、再選挙の投開票は6月17日(朝日新聞) - goo ニュース
連立政権交渉が決裂したギリシャでは、来月の17日に再選挙が実施される予定とのことです。ユーロとギリシャの行方を決める運命の選挙となりそうですが、ギリシャのユーロ離脱に際しては、相当の混乱が発生することが予測されます。
ギリシャが自国の中央銀行をESCBから切り離し、通貨発行権を回復すれば、ギリシャは、中央銀行による赤字国債の引き受けという手段を取り戻すことができます。高率のインフレを覚悟すれば、国内的には、財政問題の解決手段とはなるものの(対外的にはユーロ建ての国債償還・利払い問題は残る…)、もう一つの問題として、ユーロからドラクマへの移行に伴う混乱を挙げることができます。単一通貨ユーロの導入は、ドラクマをユーロと交換するだけで済んだのですが、ユーロからドラクマへの逆コースは、前者ほど簡単ではありません。まず、ユーロとドラクマとの間の線引きが困難です。ドラクマと交換される範囲としては、政府の財政、国有財産、ギリシャ国民並びに金融機関を含めたギリシャに籍を置く企業の資産…などが考えられますが、ギリシャの金融機関では、預金の引き出しが続いているところを見ますと、国民の多くは、ユーロ建てで資産を保持するための逃避行動に走っているようです(国民がユーロ建て=外貨建て預金を望む場合、政府は、ドラクマへの交換を強制できるのでしょうか?)。また、法定通貨としてドラクマを指定したとしても、市中ではユーロが依然として使用が継続され、ユーロとドラクマが併用される二重通貨体制が出現するかもしれないのです。
ユーロ圏から離脱し、財政緩和政策を実施したとしても、ギリシャの現状が改善されるとは限りません(絶対に悪化するとは言えませんが…)。果たして、ギリシャ国民は、ユーロ離脱を選択するのでしょうか。
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ギリシャ、第3党の連立交渉不調…再選挙濃厚に(読売新聞) - goo ニュース
ようやくギリシャ発の欧州危機が収まる兆しが見え始めた矢先、ギリシャでは、連立政権交渉が成立せず、再選挙となる見通しのようです。まだまだ混迷が続くようですが、むしろ、ストレートに、ユーロ離脱の是非を国民に問うべきではないかと思うのです。
ギリシャには、国民投票の制度が存在しています(首相の同意の下で大統領が提案…)。この手法は、ユーロ各国による支援策の受け入れに際して、パパンドレウ首相が提案したために混乱の元となり、封印されてしまった観があります。しかしながら、支援策の受け入れではなく、明確にユーロ離脱を争点として実施すれば、最大の問題に明確な決着を付けることができるのです。議会選挙にあっては、財政緊縮策に対する賛否が争点となりましたが、これでは”玉虫色”です。国民も、危機感が薄まり、楽観的な見通しに傾きがちです。財政緊縮策反対は、ユーロ離脱に至る確率が高いにも拘らず…。ギリシャのユーロに対する態度が早期に決まれば、他のユーロ各国も、具体的な対策に着手することができます。
もちろん、6月実施ともされる再選挙に際して、ユーロ離脱を争点にするという方法もありますし、再選挙後に発足する新政権の下で行うという方法もあるかもしれません。何れにしましても、混乱を長引かせるよりも、ギリシャは、現実を直視し、国際経済の安定化のためにも、できる限り早くに結論を出すべきではないかと思うのです。
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ドイツでは、不祥事により辞任した前ウルフ大統領の後任として、旧東独出身のガウク氏が新たに大統領に就任する見通しなそうです。首相のメルケル女史も旧東独出身ですので、大統領と首相のポストに、旧東独出身者が顔を揃えることになりました。
東西ドイツの再統一は、コール元首相の強力な指導力の下で西独主導で進められ、事実上、西独による東独の”吸収合併”と称されました。もっとも、再統一以来、旧東独の人々は、旧西独人の”ウェッシー”に対して、”オッシー”と呼ばれ、両者の区別が長らく続いたそうです。しかしながら、再統合からおよそ20年を経て、大統領ならびに首相の両ポストが、東側出身者で占められるとなりますと、再統一時とは、大きく様変わりしたことになります。西独による”吸収合併”どころか、今や、東独出身者が、全ドイツのかじ取りを任されるのですから。初の旧東独系のドイツの登場は、今後のドイツにどのような影響を与えるのでしょうか(もっとも、ドイツの大統領には、強い政策権限はありませんが…)。
旧東独出身者には、凡そ二つの種類の人がいると言われています。一方は、旧体制、つまり、社会共産主義体制へのノスタルジーから過去への回帰を望む人々であり、もう一方は、旧東独の弾圧体制に懲り懲りし、旧西独の人々以上に、自由と民主主義を尊ぶ人々です。幸いなことに、ガウク氏は、旧東独時代には反体制派の牧師であったそうですので、後者のタイプと推測されます。この変化が、東独の西独化の証しであれ、間違っても、ドイツに、西独の東独化ではないこを、願うばかりなのです。
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EU加盟、国民投票で承認=来年7月に28カ国体制へ―クロアチア(時事通信) - goo ニュース
第1次拡大から第6次拡大まで、EUが新規加盟国を迎え入れる度に、ヨーロッパは、おおむね歓迎ムードに包まれたものです。しかしながら、財政危機後となったクロアチア加盟に対しては、加盟する側にも受け入れる側にも、どこか不安げな空気が漂っているようです。
クロアチアの国民が、EU加盟を支持した理由の一つには、EUの財政支援に対する期待もあるそうです。加盟が決まれば、初年度だけで、EUから4億5千万ユーロの支給を受けることができるそうですし、財政危機に際しても、いざとなれば、EUが救いの手を差し伸べてくれるかもしれないからです。その一方で、EUにとりましては、財政支出を要する加盟国が増えるわけですから、負担増となります。このため、ドイツを筆頭に、既存の加盟国は、今後の条約改正により加盟国の財政規律を強化することで、少なくとも、二度と今回のような危機的状態に陥らないよう、予防線を張っているのです。
このことは、クロアチアにおいて、欧州市場、ならびに、グローバル市場で競争力のある産業分野が育ちませんと、EUの拡大は、経済成長に繋がらない可能性あることを示唆しています。財政危機を根本から解決するためにも、EUは、経済が低迷している加盟国の産業を振興し、歳入を増やすという困難な問題にも直面していると思うのです。
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東証、大発会 影落とす欧州危機 堅調スタートも先行き警戒(産経新聞) - goo ニュース
昨年来、EUは、財政危機から脱出する出口を探しあぐねており、本日も、ユーロ安を亢進しています。新年早々に、独伊首脳会談も行われる予定ですが、議論の焦点は、加盟国の財政規律の強化のようです。
財政規律を軸としたEUの解決策に対しては、”生ぬるい”との批判の声も聞かれますが、それでは、究極の解決方法とは何かと言いますと、それは、財政赤字の国に対して恒常的にEUが財政補填を行うことです。この方法は、国レベルでは一般的に行われている、財源の乏しい地方自治体に対する中央からの財政移転に他なりません。つまり、完全に統合されている国家では、地方は、地方債を発行して財源の不足を補わずとも、国からの支援を受けられるのです(それでも不足する場合には、地方債が発行されますが…)。実のところ、国債の特性とは、借金に共通する債務性にありますので、この義務がなくなると、返済をめぐる問題もまた消滅します。果たして、この方法、EUにおいても可能なのでしょうか。
EUは、国家のようには完全に統合されておらず、各国の国民が単一のアイデンティティーを共有しているわけではありません。ですから、EUに対して、財政統合=財政移転という解決方法を迫ることも、酷なように思えるのです(モラル・ハザードも発生する…)。通貨統合は、必然的に財政統合をもらたすかという命題は、やはり、財政統合は選択肢の一つ、しかも、かなりハードルの高い解決方法であるとしか言えないのではないかと思うのです。
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EU、財政規律強化へ…最大26か国が新条約(読売新聞) - goo ニュース
2011年は、EUにとって、財政危機に見舞われた試練の年となりました。新条約の締結により、今後、財政規律の強化や財政支援制度の整備が進められることになりましたが、この問題の真の解決方法は、産業の活性化ではないかと思うのです。
産業の空洞化は、先進国が共通して抱える問題であり、EU加盟諸国もまた、経済の停滞に苦しんでいます。産業競争力のあるドイツだけは、ユーロ安の波に乗って輸出を伸ばし、すこぶる順調ですが、財政危機に直面している加盟国ほど経済が沈滞しています。この状況のままでは、たとえ財政危機に対応するための制度を整えたとしても、税収の減少をくい止めることはできません。このため、近い将来、再度、財政危機に陥るか、さもなければ、高い福祉レベルや生活水準を切り下げざるを得なくなるのです。財政とは、VAT、法人税、所得税などの税収そのものに支えられているのですから、産業に活力を欠いては、財政問題も解決しません。
新たにイタリアの首相に就任したマリオ・モンティ氏は、市場統合の経済効果についての報告書―『モンティ報告書』―を作成した人物として知られております。財政危機にある国ほど、広域市場である欧州市場を活かした、産業重視の政策が必要なのではないかと思うのです。
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【@Now】世界がいらだつ「働かぬギリシャ」(産経新聞) - goo ニュース
欧州財政危機の発端となったギリシャ。世界経済への危機の波及が懸念されながら、今月1日にも、官民の二大労組による24時間ストが敢行されたそうです。
こうしたギリシャ人の態度には、現代人が陥りやすい、偏った精神的傾向が垣間見られます。それは、自己の権利だけは、過大に要求するというものです。おそらく、この傾向は、個人の権利の尊重を謳った近代啓蒙思想が、封建時代に課せられていた”過大な義務”に対するアンチ・テーゼから始まったことと関係しているのでしょう。この思想を受け継ぐ現代もまた、権利と義務のバランスは、どちらかと言いますと、権利の方に傾いているのです。例えば、”個人の基本的な自由と権利の保障”は、各国の憲法において特別の地位が与えられていますが、”基本的な義務”については、どこか及び腰です。ギリシャの人々が、EUや国際社会に対する責任、ならびに、借金返済の義務を忘れ、”権利の侵害!”とばかりに緊縮財政に反対し、デモに参加するのも、義務に対する意識が希薄であることに起因しているのかもしれません。
もちろん、個人の基本的な権利の保障は、否定すべくもなき人類共通の価値です。しかしながら、義務を置き去りにした権利の主張は、他者の権利を蔑にし、無責任な行動を誘発することにもなります。ギリシャの再生には、国民の義務意識の覚醒を要するのではないかと思うのです。
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「京都議定書はシンボル」EU代表団 COP17開幕へ(朝日新聞) - goo ニュース
もし、温暖化ガスが地球の気候に多大なマイナス影響を与え、人類の生活空間を破壊するならば、その削減は喫緊の課題です。ところが、最近に至って、温暖化現象の二酸化炭素犯人説には疑問も呈されるようになりました。一方、こうした地球温暖化の原因に関する議論は置き去りにして、COP17は、南アフリカで予定通りに開催され、京都議定書の延長問題が議論されるそうです。
京都議定書の生みの親でもあるEUは、COP17の方針について、当議定書の延長を支持することを早々に表明したそうです。しかしながら、EUのひときわ熱心な温暖化ガス削減への取り組みが、財政危機の遠因となっている可能性は、否めないのではないかと思うのです。何故ならば、京都議定書で削減の義務を負っているのは、EUや日本などの先進国であり、BRICsを始めとした新興国では、厳しい規制はありません。そこで、EU域内の企業が、生産を増加させようとする場合、域内よりも規制の緩い域外の国に工場を建設しようとするインセンティヴが強く働くのです。この結果、域内の産業の空洞化が進み、税収の低下、雇用対策などのための政策費の増加、国債の増発といった負のスパイラルを描くようになったとも考えられます。
日本国もまた、経済の”6重苦”に直面していますが、EU域内の産業もまた、苦戦を強いられています。しかも、新産業として有望視されいたエコや再生エネルギー分野でも新興国に追い上げられていますし、金融面から期待されていた排出権取引市場も低迷しています。COP17で、新興国への削減の義務付けが実現しないとなりますと、EUは、さらに自らに重い足枷を課すことになるのではないかと思うのです。
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ユーロ圏、共同債の導入提案 欧州委、資金調達狙う(朝日新聞) - goo ニュース
ギリシャに端を発した欧州の財政危機は、ユーロ導入国に新たな対応を迫ることになりました。その一案に、ユーロ圏で共同債を発行する案があるそうです。もし、この方式を採用しますと、ドイツは、いわば、連帯保証人の立場に立たされることになります。
現在、検討されている案は、(1)共同債案、(2)共同債と各国国債の併存、(3)従来通りの各国国債の3案とのことです。この案が採用されますと、各国政府は、個別に国債を発行することはできなくなりますが、償還や利払い不能によるデフォルトの危機に直面することはなくなります。ギリシャを始めとした財政危機にある国にとりましては歓迎すべきことですが、ドイツにとりましては、他国の借金を返済する義務を背負うことになります。ドイツも、国債を発行している状況にありますので(このニュースの影響か、応札が不調に…)、必ずしも、財政に余裕があるわけでもありません。自らも財政赤字を抱えながら、連帯保証人になるのですから、ドイツが、いち早く反対を表明する理由も理解できます。しかも、ドイツ一国の信用力で共同債を発行することにもなりかねず、良好なドイツ経済に、万が一変調が起きれば、ユーロ導入国の全てに経済不安が広がります。
かつて、ドイツ・マルクは、ECU(ユーロの前身)の”アンカー通貨”と呼ばれていましたが、今度は、財政分野において”アンカー”となることが、ドイツには期待されているようです。果たしてドイツは、この連帯保証人という”アンカー”の役割を引き受けるのでしょうか。
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ギリシャの富裕層「税金ほとんど払っていない」(読売新聞) - goo ニュース
財政問題に揺れるギリシャ。その最大の原因は、歳入不足にあることは明白なのですが、法の抜け道を知る富裕層が脱税できる”脱税天国”である一方で、主たる納税者である中低所得者層が”公務員天国”を支えるという歪んだ構造となっているそうです。
処方箋としては、ギリシャ経済の活性化策が欠かせないのですが、この杜撰な税制を改革しませんと、有能な人材まで自国に失望し、国を後にすることになります。残るのは、脱税富裕者と、無責任な公務員と、無気力状態に陥った人々では、ギリシャの将来は暗いとしか言いようがありません。そこで、まず、ギリシャが着手すべきは、確実に納税額を捕捉できる、最先端のコンピュータ技術やIT技術を駆使した徴税システムを開発し、導入することではないかと思うのです。つまり、個々の国民の所得、財産、資産などを正確に把握し、納税額を正確に計算したうえで、金融機関の口座などから税を徴収できるシステムです(VATの捕捉も含めて…)。現在、こうした作業は、手作業で行われているそうですが、これでは、賄賂も横行しそうですし、正確性にも欠けています。公平な税制を実現し、政府が国民の信頼を取り戻すことができれば、ギリシャ経済も上向く可能性はあります。
もし、自国に開発企業が存在しないならば、ギリシャ政府が、政府調達として世界各国のシステム開発企業に呼びかければ、応札してくる企業もあるはずです。長期的に見ますと、先端的な徴税システムの導入の方が、財政問題解決への近道ではないかと思うのです。
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独仏首脳、「国民投票」でギリシャ首相説得工作(読売新聞) - goo ニュース
経済の世界では、契約や債務の履行こそ”命”であって、借りたお金が返せないとなれば、それは身の破滅を意味します。ところが、ギリシャの反応を見ていますと、市場経済を支えるモラルに対する意識が欠如しているように見えるのです。
ギリシャの財政問題は、全ユーロ導入国を巻き込むことになりました。言い換えますと、ギリシャ一国が、他のEU加盟諸国を地獄への道連れにしてしまったのです。しかも、この混乱は、EUを超えて世界大に広がり、ギリシャ発の経済危機は、全世界の人々の生活をも脅かしています。こうした状況を省みれば、ギリシャの人々は、責任を痛切に感じるはずなのですが、予定されている国民投票では、6割の国民が包括案の受け入れには反対を唱えているそうです。ギリシャよりも貧しい加盟国が、救済策の負担を強いられているにも拘わらず・・・。
これは、一体、どうしたことなのでしょうか。考えても見ますと、ギリシャは、長期にわたり左翼政権が政策運営を担ってきました(現在も、政権与党は全ギリシャ社会主義運動…)。もしかしますと、市場経済に馴染みの薄い左翼の人々にとっては、信頼や信用の重要性を全く理解していないのかもしれません。社会主義的な思考パターンが国民に広く浸透したために、デフォルトや債務削減で損失を蒙るのは、他国の金融機関であるからどうでもよい、とか、豊かな国が何とかしてくれる、とでも無責任に考えているかもしれないのです。ギリシャが責任ある国家であるのかどうか、国民投票の結果は、それを内外に示すことになるのではないかと思うのです。
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混乱続くアテネ、若者ら暴徒化 20日にも市内デモ(朝日新聞) - goo ニュース
苦心の末にユーロ導入に漕ぎ着けた時、ギリシャは、将来、自国を揺るがす財政危機が発生するとは予測していなかったことでしょう。ギリシャ神話のように、人間たちは、神々の気まぐれによる悲喜劇に翻弄されているかのようです。
ギリシャは、神話で名が知られるのみならず、政治学の発祥の地でもあります。”ポリティックス”や”ポリシー”といった政治学用語は、古代ギリシャ諸国の都市国家、ポリスに語源を辿ることができます。古代にあっては、地中海沿岸には数多くのポリスが建設され、そのそれぞれにおいて、様々な政体の下で、政治が営まれてきました。アテネのように、民主主義の制度を発展させた国もあり、”デモクラシー”という用語もまた、古代ギリシャに起源があるのです。このことは、古代ギリシャ人には、高い統治能力が備わっていたことをも示しています。
こうした歴史を振り返りますと、現在のギリシャは、古代のポリス建国の精神を忘却してしまったかのようです。古代ポリス世界では、自主独立と公共の精神の下で、市民達が、ポリスの政治に積極的に関わっていました。現代のギリシャにあっても、デモや暴動に走るのではなく、自力で自国を救おうとする決意の下で、国家再建に自発的に取り組む人々が必要なのではないかと思うのです。
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独仏首脳、税制統合など「ユーロ圏政府」提案(読売新聞) - goo ニュース
ユーロの信用を揺るがす加盟国の財政危機を背景に、独仏首脳は、「ユーロ圏政府」の設立を伴う”税制統合案”を提案する予定とのことです。一般には、税制は財政に含まれるのですが、この案、将来的な財政統合への布石を意味するのでしょうか。
報道によりますと、この提案では、財政については、来年の夏までにユーロ圏の参加17か国に対して、財政均衡を義務化する憲法改正の実施を求めるそうです。この措置は、あくまでも主たる財政権限が加盟国にあることを前提としています。その一方で、税制については、”統合”を強く打ち出しており、2013年までに、独仏間の法人税の税率の共通化をはかり、年2回のペースでユーロ圏首脳会議も開催するとしています。この内容だけでは、”統合”が、ユーロ圏加盟国の税率の共通化なのか、それとも、各国の歳入にまで踏み込むのか、判然としません。もし、”歳入”の統合を構想しているとしますと、もはや、加盟国は、自国の税収を自国の歳入に組み込むことができなくなるか、EUに対して”地方税化”することを意味します。そうして、最終的に、”歳出”を含む全面的な財政統合が実現し(今でも、限定的ながら独自財源がある…)、EUレベルでの財政移転政策が実施されれば、ギリシャといった財政状況が悪い国は助かりますが、ドイツなど、欧州経済を牽引する国の負担は重くなります。
さらに「ユーロ圏政府」の創設ともなりますと、EU理事会や欧州委員会が存在する中で、どのような役割と権限を担うのか、明瞭な実像が浮かんできません(ユーロ参加国による財政調整機関or共通財務省?)。財政統合が実現すれば、EUは、”国家”にさらに近づくことになるのですが、はたして、ユーロ圏17か国の合意に至るのか、先行きもまた不透明なのです。
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なぜ菅首相は「唐突」な決断をし批判されるのか――政治の意思決定プロセスを日英比較から考える(ダイヤモンド・オンライン) - goo ニュース
菅首相の浜岡原発停止要請は、電力供給が産業ならびに生活の基本インフラであるため、中部電力、中部地方の企業、住民・・・など、そのマイナス影響の範囲は測りしれません。当然に、非難の声が上がったのですが、イギリス政治と比較して擁護する意見もあり、いささか驚いています。
上久保氏の擁護論によりますと、イギリス政治には、(1)イギリスの政治的な意思決定は、密室で行われる、(2)議会の審議がなくとも、首相の決断で、即日に増税が実施できる、(3)首相の決定は専門家の検証に耐えるものでなければならない(専門性)、(4)国民は政治決定の公共性を評価基準にしている、という特徴があるそうです。しかしながら、この特徴、これまでのイギリス・モデルとは、正反対なのです。(4)はその通りとしても、かつてのイギリス・モデルは、(1)政治的な課題はオープンに議論する、(2)マグナ・カルタ以来の伝統により、財政権は、議会にある、(3)首相決定は、議会の議論に耐えるものでなければならない、というものであり、それ故に、議会制民主主義の母国とされてきたのです。
奇妙なことに、菅首相のみならず、議会軽視の独裁型政治家として知られる小沢氏もまた、イギリスを政治制度のモデルと見なしています。もし、擁護論が主張するように、イギリスの政治システムが首相独断型に移行しているならば、我が国は、現在のイギリスのシステムを、参考とすべき民主主義国家のモデルとすることには、極めて慎重にならざるを得ないと思うのです。
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