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日本株と投資信託のお役立ちノート

株や投信の運用に役立つ記事を探します。
(主に日経,ロイター,WSJから引用。賞味期限の短い記事は今後省きます)

日本勢、アジアの稼ぎ 陰り タイなど景気減速で10~12月減益 自動車軒並み苦戦

2015年03月27日 | 東南アジア(ASEAN)
〔15.3.27.日経新聞:アジアBiz面〕
 

 日本企業のアジアでの業績が減速している。主力市場であるタイやインドネシアで右肩上がりの成長にやや陰りが見え、日本勢が高いシェアを誇る自動車などの販売が頭打ちになっている。2014年10~12月期に上場企業がアジアで稼いだ営業利益は前年同期より3%減と3年ぶりに減少した。アジアを軸にした各社の成長戦略に影響を与えそうだ。

 地域別の営業損益を継続的に開示している主な115社を対象にアジア(オセアニアを含む)の利益を集計した。14年4~12月期では前年同期比5%増の1兆1851億円と3年連続で増え、金融危機後の最高を更新した。だが伸び率は13年の16%に比べて小幅にとどまり、10~12月に限れば3896億円と前年同期を下回った。

 背景にあるのは東南アジアを中心とした景気の減速だ。トヨタ自動車が10~12月期にアジアで稼いだ利益は1076億円と前年同期より2%減少した。佐々木卓夫常務役員は「東南アジアはタイの減速感が強い。インドネシアも販売競争が激しく、販売が落ち込んでいる」と話している。

 東南アジアで新車販売台数トップのインドネシアはインフレと金利の引き上げで、ローンで購入する消費者の購買意欲に陰りが出ている。タイは政情不安に加え、自動車を初めて購入する人を対象にした税還付措置が終了したため、需要が落ち込んでいる。東南アジアを主力市場とする三菱自動車のアジアの利益は79億円と30%減った。

 アジア市場の開拓競争の激化も採算悪化につながっている。スマートフォン(スマホ)向けの電子部品を手掛ける大真空はアジア勢との競争激化のあおりで製品単価が下落し、5700万円の赤字(前年同期は1億6400万円の黒字)に転落した。国際石油開発帝石は原油や天然ガスの販売数量減などにより、55%減益だった。

▽三菱電機などは増益 独自の商品力、需要つかむ

 トヨタなどはアジアの減速を北米輸出などでカバーしているが、中長期的に市場拡大が期待されるアジアの強化は日本企業の成長戦略の要だ。足元でも利益を伸ばしている企業も少なくない。

 三菱電機は中国などでファクトリーオートメーション(FA)機器が伸び、アジアの営業利益は60%増えた。スマホの普及の伸びはピークを越えつつある。だが、急成長期に利益が拡大した多くのファウンドリー(製造委託先の工場)の手元資金は豊富で、彼らによる設備の更新需要は引き続き旺盛だ。

 現地の人件費上昇に対応した自動化投資のほか、加工・組み立ての精度や品質を高めるニーズも活発とみられる。「今後は高付加価値品の普及が期待できるインドネシアなどでシェアをとりにいく」(柵山正樹社長)

 検査機器のシスメックスのアジア地域の営業利益は47%増の23億円だった。日本で生産する検査機器は競争力が強く、現地の景気動向に左右されにくい。足元ではインドや東南アジアの一部で販売を代理店経由から直販に切り替え、顧客の潜在ニーズの掘り起こしにつなげている。

 サンリオはアジア地域の営業利益が前年同期比44%増えた。「ハローキティ」をはじめ主力キャラクターが人気で、東南アジア向けの物販や新規のライセンス収入が好調だった。アジア地域の営業利益は消費不振だった欧州地域と、映画「アナと雪の女王」関連グッズに押された北米地域のいずれも上回った。アジアでの法人税負担は欧米より軽く、アジアでの利益拡大は会社全体の利益を押し上げた。

 三菱電機のFA機器は足元でも需要が高水準で推移。自動車各社も新工場を建設するなど生産体制を強化する動きが目立つ。急速な成長に足踏みもみえるアジアでは、独自の商品力に磨きをかけるほか、生産・販売手法を見直し、需要をより細かく取り込めるかどうかがカギを握りそうだ。 (東京=竹内宏介)

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