信仰と団子

開花予報が出たとか出ないとか言われている桜の花であるが、
近所では殆ど咲いている様子はない。しかし友人から花見に誘われ、
花が無くとも心の目に咲かせれば良かろうと言われる。
確かに月見や花見といったものは一種の信仰であるから、実物がその場に
なくとも問題のないものではある。一応信仰なればこそ、形代となる
ものが必要ではあるが、それは別に桜の木で充分であるから、なるほど
もっともな意見だという事で参加を決意する。
実際の決行日は休日であるが、そこまでには何だかんだで咲いている
可能性もある。しかし、心の目に花を咲かせるのだと決意した以上は、
青空に浮かぶ雲を桜の枯れ枝に掛けて見て、そうでなくともやれ見事な花よと
エア花見を決め込む所存である。

要は春めいた陽気さえあれば、ほぼ十分なのである。あとはお好みで酒と
小腹を満たす何かがあれば良かろう。つまりは花より団子。