SF系の物語などでよく登場する"透明人間"であるが、よくよく
考えてみると案外考察の余地のある存在だということに気付く。
そのせいか、物語によっても解釈や性質が異なっていたりして、
作家毎に苦慮の跡がうかがえる。
ともあれ、透明人間がどうやって透明になっているのかに
ついて、考えてみたことを以下に記したい。
◆実体がある系
構造自体は普通の人間や生物として特に変哲の無い存在がこれ。
見えないだけで、体温や呼吸や行動に伴う音は生じる。
ものによっては影だけは落ちるというケースもあるが、この場合
屈折率がゼロでないことになる。ともあれ理屈は不明。
それはさておき、諸々のパターンを挙げてみる
●光学的トリック型 ガラスのように本当に透明なもの。
原則として屈折・反射率はほぼゼロであるが、水中でも不可視になる理由は不明。
・体組織が完全に透明→飲んだり食べたものは見える。
※体に入ったものがどの段階から透明化する(馴染む)のかは不明
※抜け落ちた毛や流れた血なども不可視の場合がある。
・体表に光を歪曲する何かがあって、背景を透過する。
→体内に入れたものは透けない。また、"体表"の範囲によっては着ている
ものも透明化する場合もある。そして、体表から離れたものは透過しない。
●感覚的トリック型
周囲の人間の感覚に働きかけ"いないもの"として認識させる。
程度によっては、体温や音なども消去できるが、足跡などの間接的なものは
消去できない場合がある。
・視覚のみを騙し、認識されない場合。
・存在そのものを認識の外に追いやる場合。→触れていたとしても気付かれない
なお、光学的トリック型の場合、当の本人が視覚により外界を認識することは
理屈の上では不可能である。つまり、このパターンの透明人間は"何も見えてない"。
エコーロケーションや嗅覚といった、視覚に依らない外界認知の手段を獲得
していると考えるのが妥当であろう。
◆実体が(ほぼ)ない系
構造がすでに人間ではなく、幽体や霊体、もしくはごく小さい粒子の集合体(煙)
のような存在がこれ。壁とか物質を透過できるが、反面こちらから物質を持ったり
干渉することが出来ない、もしくは干渉可能なものがごく限られているものが多い。
●幽体型 いわゆる幽霊。限られた人しか認識することが出来ない。
なぜか大体の場合において、家を揺らすとか大雑把な行動しかできない。
物質の透過は出来るが、家屋には許可がないと入れないとか、流れる水を
越えられないなどの、特有のルールに縛られる場合もある。
幽体型亜流・陰に潜む型
暗闇に文字通り溶け込んだり、相手の影の中に潜り込んだりする。
全くもって理屈は不明である。暗闇に溶け込むのは、後述の群体で可能か。
●粒子型 煙や小動物(虫)の群体。 厳密には透明ではないが、粒子径によっては
ほぼ不可視と言えるレベルにまで達することは可能。ただし、一体一体が小さい
せいか、知能はおしなべて低い傾向があったり、本体が別の場所にいる場合が多い。
重いものを動かしたりすることは出来ないが、えげつない攻撃が可能。
性質上強い風に弱い。
ざっと考えてみたが、やはり理屈では説明しきれない所が多く、ファンタジーの
存在であることがむしろ強調されたような結果であった。
"こうありたい""こうだったらいいのになァ"というような、(どちらかと
いうと負の)願望がこういった存在を生み出すのであろう。
ある種根源的願望の現れとして、普遍的な存在の一つ(例えば人造人間のような)
なのかも知れない。
考えてみると案外考察の余地のある存在だということに気付く。
そのせいか、物語によっても解釈や性質が異なっていたりして、
作家毎に苦慮の跡がうかがえる。
ともあれ、透明人間がどうやって透明になっているのかに
ついて、考えてみたことを以下に記したい。
◆実体がある系
構造自体は普通の人間や生物として特に変哲の無い存在がこれ。
見えないだけで、体温や呼吸や行動に伴う音は生じる。
ものによっては影だけは落ちるというケースもあるが、この場合
屈折率がゼロでないことになる。ともあれ理屈は不明。
それはさておき、諸々のパターンを挙げてみる
●光学的トリック型 ガラスのように本当に透明なもの。
原則として屈折・反射率はほぼゼロであるが、水中でも不可視になる理由は不明。
・体組織が完全に透明→飲んだり食べたものは見える。
※体に入ったものがどの段階から透明化する(馴染む)のかは不明
※抜け落ちた毛や流れた血なども不可視の場合がある。
・体表に光を歪曲する何かがあって、背景を透過する。
→体内に入れたものは透けない。また、"体表"の範囲によっては着ている
ものも透明化する場合もある。そして、体表から離れたものは透過しない。
●感覚的トリック型
周囲の人間の感覚に働きかけ"いないもの"として認識させる。
程度によっては、体温や音なども消去できるが、足跡などの間接的なものは
消去できない場合がある。
・視覚のみを騙し、認識されない場合。
・存在そのものを認識の外に追いやる場合。→触れていたとしても気付かれない
なお、光学的トリック型の場合、当の本人が視覚により外界を認識することは
理屈の上では不可能である。つまり、このパターンの透明人間は"何も見えてない"。
エコーロケーションや嗅覚といった、視覚に依らない外界認知の手段を獲得
していると考えるのが妥当であろう。
◆実体が(ほぼ)ない系
構造がすでに人間ではなく、幽体や霊体、もしくはごく小さい粒子の集合体(煙)
のような存在がこれ。壁とか物質を透過できるが、反面こちらから物質を持ったり
干渉することが出来ない、もしくは干渉可能なものがごく限られているものが多い。
●幽体型 いわゆる幽霊。限られた人しか認識することが出来ない。
なぜか大体の場合において、家を揺らすとか大雑把な行動しかできない。
物質の透過は出来るが、家屋には許可がないと入れないとか、流れる水を
越えられないなどの、特有のルールに縛られる場合もある。
幽体型亜流・陰に潜む型
暗闇に文字通り溶け込んだり、相手の影の中に潜り込んだりする。
全くもって理屈は不明である。暗闇に溶け込むのは、後述の群体で可能か。
●粒子型 煙や小動物(虫)の群体。 厳密には透明ではないが、粒子径によっては
ほぼ不可視と言えるレベルにまで達することは可能。ただし、一体一体が小さい
せいか、知能はおしなべて低い傾向があったり、本体が別の場所にいる場合が多い。
重いものを動かしたりすることは出来ないが、えげつない攻撃が可能。
性質上強い風に弱い。
ざっと考えてみたが、やはり理屈では説明しきれない所が多く、ファンタジーの
存在であることがむしろ強調されたような結果であった。
"こうありたい""こうだったらいいのになァ"というような、(どちらかと
いうと負の)願望がこういった存在を生み出すのであろう。
ある種根源的願望の現れとして、普遍的な存在の一つ(例えば人造人間のような)
なのかも知れない。