ニュースサイト宮崎信行の国会傍聴記

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◎「消費税」から逃げて逃げて逃げまくる腰抜け自民党は「石原総裁」で出直せ!

2012年01月02日 19時57分15秒 | 第180通常国会(2012年1月~9月)一体改革


 新年早々がっかりです。

 自民党総裁で影の首相の谷垣禎一さん(衆院京都6区)は、2012年1月2日夜のNHKニュース7にVTR出演しました。

 平成24年の自民党について、「(与党・民主党の)震災の復興や外交の扱いを見ていると、こういう政権にいつまでも、日本の舵取りを任せておくのは、これは、日本のためによくない。政治決戦、政治と国民との信頼関係を作り直していくために政権与党を追い込んでいくんだ」と述べました。

 そのうえで、第180通常国会前半に提出される消費増税準備法案について、「消費税(の法案を)を通すためには、野党の協力がないとできないですね。それならば、協力できる前提を彼ら(与党・民主党)が作ってこなければなりません。一番大きな物は信を問うということ(衆院解散総選挙)だ」と語りました。

 きょうは国会閉会から24日目で次の国会での自民党の初登壇日まではちょうど24日ぐらいです。露出を高めておきたいところ。その晴れの舞台。政権交代ある二大政党デモクラシーの定着への中間仕上げとなる第46回衆院選が予想されているのに、この発信力はなんでしょう。

 「消費税を通すためには野党の協力がないとできない」とは参院で野党が過半数を占めているということです。そこで、「協力できる前提をつくる」ために衆院を解散したって、参院は、与党3党(民主党、国民新党、大地・真民主党の3党)で110議席、自民党と公明党はあわせて102議席だから、ともに、過半数の122にはるかに届かないんですよ。そこでどう協力すると言うのでしょうか。国民の政治不信は政府ではなく、ガバメント(政府と国会)の両方に向けられていることを、政権準備政党として自民党は自覚すべきです。そのうえで、ある程度の国会戦術として抵抗は認められるでしょうが、パラダイム(考え方の大きな枠組み)に基本的な大間違いがあります。失望しました。

 谷垣さんは、たしか2006年に、与党・自民党総裁選に出馬したと記憶しています。このときは現職の財務大臣でありながら、「麻垣康三」のトップを切って出馬表明したんじゃなかったでしょうか。そして、「消費税を2010年代半ばまでに(今の2倍の)10%に増税する」という公約をハニカミながら打ち出したのを良く記憶しています。このときは、「言いにくいことをハッキリ言う姿勢は良い」と評価されながら、「とはいえ、丸い数字とはいえ、2倍だ、10%だと、具体的に数字を言っちゃうところが、谷垣さんらしい細かさだ」と評されました。その後、政権準備野党の総裁となった今、私は谷垣さんは細かい人ではなく、むしろ、ゆったりした人。サラリーマン集団の民主党とは違って自民党は個人事業主集団であり、総裁はいわば商店街や町内会の会長として、自民党が持っている力を引き出す党運営をしていると高く評価します。

 民主党は、総理・代表である野田佳彦さんの力強いリーダーシップの下、侃々諤々の長時間議論をまとめあげて、「2014年4月に8%、2015年10月に10%及び給付付き税額控除、景気弾力条項付き」という消費税増税法案の素案をしっかりと作りあげました。凛々しい責任与党ぶりです。それに引きかえ、自民党は半世紀の政権担当の矜持を投げ捨ててしまったようです。

 逃げて逃げて逃げまくる腰抜け野党。新年早々、こんな自民党総裁の姿を見せつけられるとは情けない限り。自民党にしっかりしてもらわないと困ります。二大政党デモクラシーの完成は遠のきます。もうそんな余裕はありません! このままでは、第46回衆院選は、みんなの党などの第3極が伸びてしまい、民自公以外に衆院の議席が分散し、衆参ねじれとあわせて、複雑怪奇なかけひきとキャスティングボート狙いのスタンドプレーばかり議会運営がまかり通ることになるでしょう。それはガバメントの透明性がなくなり、国民の手から政治が遠ざかることにつながります。

 民主党はバラバラだと言われますが、実際には自民党の方がバラバラです。ベテラン対若手。衆院対参院。さらに参院内でも会長派と幹事長派の争いがあります。「最大派閥は衆院支部長」と言われていますが、その支部長も派閥に入っている人もいます。グチャグチャです。


[写真]自民党の石原伸晃さん、伊吹文明さん。

 やはり自民党もしっかりしてもらわないと困るので、9月の総裁選を前倒したらどうでしょうか。自民党規約では、総裁は2選までしかできません。いったん辞めた後に再出馬することはできます。「総裁選前倒し規定」という言葉を時々聞きますが、自民党規約には総裁選前倒し規定はありません。ですから、自発的辞任に総裁選で、新総裁・影の首相として発信力と攻撃力がある石原伸晃さん(衆院東京9区)で次の総選挙に臨むのが良いのでは。石原さんは衆院の本会議や予算委員会でアドリブを交えながら、分かりやすく問題の構図を解きほぐして演説しています。シェイクスピアのお芝居のようなハッキリした手振り身振りも有権者に分かりやすい。


[画像]国会で、与野党の対立軸の明示が分かりやすい、石原伸晃さん(衆院インターネット審議中継から)。

 やさしいイメージがある野田・民主党代表は、「平成24年から(安全運転の国会運営から)君子豹変す」と話していますが、現状ではまだどう出るか、分かりません。石原さんの後任の自民党幹事長には伊吹文明さん(衆院京都1区比例)の再登板に期待します。伊吹さんは総裁が党内の会議で野次られたとき「君たち、他人の話は静かに聞きなさい!」と一喝して静まらせることができます。残念ながら、民主党にはそういう人材は一人もいません。伊吹さんは第168ガソリン国会では与党幹事長時代ながら攻撃的幹事長として、自ら筆をとって「ガソリン暫定税率つなぎ法案」を突如、衆法として提出。委員会で強行可決したうえで、本会議に上程せず議長あっせんで与野党を合意させるというトリッキーな国会戦術で見事に全議員を騙しました。ところが、伊吹さんは嘘を突き通せないお方のようで、記者会見で、「あんなに元気だった民主党のみなさんは急に静かになりましたが、どうしたんでしょうね?」と発言。民主党がつなぎ法案と議長あっせんのトリックに気付き、再び勢いづき、最終的に租税特別措置法の1ヶ月失効、ガソリン値下げにつながりました(民主党の青春)。第179臨時国会でも、伊吹さんは野田首相に、「消費税増税準備法案を出した上で解散しなさい、自民党も必ずマニフェストに消費税増税を入れますから」と水を向けました。これは民主党政権が消費増税法を成立させて、総選挙で負けた場合、新政権が消費増税をご破算にせざるをえなくなることを恐れての発言。伊吹さんは国家100年の計が見えている卓越した政治家だと、私は考えます。このように、石原総裁、伊吹幹事長。また党内融和のために、参議院から谷川秀善さんを総務会長にし、茂木敏充政調会長を続投した上で総選挙に臨むのが強い自民党の姿でしょう。

 平成24年、2012年。

 わが国のデモクラシーは「議論から説得へ」の段階を迎えています。

 いかにして、消費税増税を、社会保障のため、国民のため、庶民のため、地方のために使っていくか。二大政党は責任を共有していかねばなりません。

 全国の自民党元職支部長が、酒池肉林の万年与党時代を反省し、寒風の中、這いずり回っています。冬来たりなば春遠からじ。

 第180通常国会は落ち着かない雰囲気になりそうな気配はありますが、まずは腰を落ち着けて二大政党がじっくり話し合う姿を見せないことは、支持政党を問わず全国民の不幸です。

 谷垣さんも頑張ってください!!

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