【衆議院本会議 平成29年2017年4月13日(木)】
●空転
午後1時設定も、空転。前日の厚生労働委員会で、森友問題で質問したところ、与党が「質疑が出尽くした」として採決に踏み切ったこと。与党内にも反省論が出ており、与野党国会対策委員長を1時間以上開催。二大政党国対委員長が対応を引き取りました。
空転はさほど長引かず、早ければあすにも正常化するのではないか、と私は思います。
【衆議院憲法審査会】
定刻から8時間半遅れて開会し、次回の参考人質疑の手はずを地整えて、1分ほどで散会しました。
民進党では、野田・蓮舫グループ「花斉会」のプリンス、武正公一さんが幹事をつとめていますが、この日、憲法改正に前向きな、細野豪志代表代行が、蓮舫代表に辞表を突きつけました。民進党内では、長島昭久さんが離党、松野頼久さんが派閥立ち上げの「慶應ボーイの反乱」も起きています。岡田克也さん、玄葉光一郎さん、安住淳さんらは静観のかまえ。
【衆議院その他】
科学技術・イノベーション推進特別委員会(松野頼久委員長)の一般質疑や、衆議院総務委員会のマイナンバー関連法案の審議は、空転のあおりで、次回以降に持ち越され、きょうは、委員会は設定されませんでした。
【参議院第1種常任委員会 平成29年2017年4月13日(木)】
経済産業委員会と文教科学委員会はありませんでした。それ以外の9委員会が開かれました。
【参議院外交防衛委員会】
●日米豪英ACSAついに次の本会議で承認。
「日米ACSA](192条約1号)「日豪ACSA」(193条約1号)「日英ACSA](193条約2号)を承認すべし、と決まりました。民進党・共産党・沖縄の風の反対、自民党・公明党・維新の賛成多数。
首相入り質疑では、「敵基地攻撃能力は無いし、持つつもりも無い」と首相は明確に答弁しました。質疑の終局にはとくに異論はありませんでしたが、討論は1人5分前後の長いものになりました。
民進党の大野元裕さんは反対討論で「平和安全法制による存立危機事態は、その立法事実が無く、定義があいまいで他国にも失礼だ」と指摘しました。共産党の井上哲士さんは「多国間の軍事連携を強化するものだ」としました。
2014年7月の解釈改憲から始まった平和安保法制への抵抗も、ここまで!、というのが正直なところです。
【参議院農林水産委員会】
●種子法が可決、来年4月施行。
「種子法改正案」(193閣法23号)が民進党・共産党・希望の会が反対し、自公維が賛成して、賛成多数で可決すべしと決まりました。
討論では、民進党の田名部匡代さんが「種子を守るのは国の責務であり、食糧安保の面からも法規制を止めるべきではない」としました。
「農業機械化促進法廃止法案」(193閣法22号衆修正)も採決され、共反対、自公民維の賛成多数で可決しました。
【参議院環境委員会】
「遺伝子組み換え生物を規制するカルタヘナ法改正案」(193閣法32号)が採決され、全会一致で可決しました。元環境事務次官の中川雅治さん(自民党)も質問しました。
【参議院総務委員会】
●自治体の臨時職員法案が可決。
「地方公務員法改正案」(193閣法51号参先議)が採決され、共反対、自公民維希賛成多数で可決しました。
平成32年度からの会計年度任用職員制度の創設による、非常勤職員の待遇改善について、正規採用を増やすことや、育児休業の整備などを話し合いました。自治官僚出身で元総務省の片山虎之助さんや、自治労出身議員も質問しました。高市早苗総務相は、被災地に派遣する会計年度職員(臨時職員)を登録する制度を、今夏にも立ち上げることを表明しました。
【参議院財政金融委員会】
「国際開発協会加盟法改正案」(193閣法13号)が、討論無しに、全会一致で可決されました。付帯決議がつきました。
この委員会では、自民党の中西健治さんが法案と関係ない、保証のある融資・保証のない融資について金融庁監督局長に質問。次に立った、民進党の風間直樹さんが「先ほどの麻生副総理と中西さんの質疑の中で、労働組合に関する不適切な発言があったように思うが」と切り出すと、麻生副総理は珍しく「不適切だった」と速やかに謝罪しました。元有名会社経営者の子息である、風間さんが、今まで以上に、党内でいじめられないか、少し心配なところです。
【参議院内閣委員会】
「地方分権第7次一括法案」(193閣法36号)が山本幸三地方創生相から趣旨説明され、質疑は次回にすることにして、散会しました。
これに先立つ一般質疑では、自民党の有村治子さんが「国旗を上下に並べることは外交儀礼上失礼にあたるか?」と尋ね、首相の実弟の岸信夫外務副大臣が「そうだ」と答えました。私はてっきり日教組かなにかの関係かと思いましたが、有村さんは「先日放送のNHKニュースウォッチ9が、日中の国旗を上下に並べた」としてやり玉に挙げました。日本会議系自民党議員の批判の矛先はあらゆるところに及んでいるようです。
【参議院法務委員会】
「裁判所法改正案」(193閣法5号)が趣旨説明されました。金田法相は「司法修習生の給付金を復活させ、最高裁がその額を決める。貸与制と併存させる。非行があった修習生は司法修習を止めさせることができる」としました。質疑は後日にして、散会しました。これに先立つ、一般質疑では、特区制度で家事代行などにも解禁された、外国人技能実習生をめぐり、入国管理法に関する質問が目立ちました。
【参議院国土交通委員会】
「住宅セーフティーネット法案」(193閣法8号)が石井啓一国土交通大臣から趣旨説明されました。次回は、参考人質疑をする手筈をととのえて、きょうは散会しました。
【参議院厚生労働委員会】
●相模原やまゆり園の精神保健福祉法案はていねいな審議に。
「精神保健福祉法改正案」(193閣法34号参先議)の参考人質疑。その後、委員と政府の質疑がありました。法案提出後に関係団体の反発をうけて、厚労省がレクチャー用の概要を補充したことについての不満が出ました。措置入院者の退院後の処遇について、拘束が強すぎるとの懸念が出ているようです。質疑は次回も続くことになりました。参議院先議だから、参議院でていねいに審議をしようという意識が与野党にあるようです。
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