ニュースサイト宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

「黄金の3年間」折り返し当初予算は「微減」でコロナ明け、辻元清美さん「森喜朗先輩」でヒアリング求めて「レジャーランドぬるま湯」から戦いのステージ

2024年03月28日 20時30分12秒 | 第213回通常国会 令和6年2024年1月召集
[写真]母校・早稲田大学のシンボル「大隈大講堂」で女性の後輩に語り掛ける辻元清美さん、きょねん2023年1月17日、宮崎信行撮影。

 コロナ大膨張から微減の112兆円の令和6年度予算が政府原案通り成立しました。きょねん12月22日に閣議決定し、1月16日に能登予備費0・5兆円積み増しの「変更」の閣議決定という異例の過程。そして、「5年で43兆円」の閣議決定(きょねんの防衛財源確保法の条文に落とし込み済み)で、防衛費が7・9兆円へと激増しました。が、特例公債による財政ファイナンスは今のペースで十年、二十年はやれるでしょう。黄金の3年間の折り返しに、「10万円給付金」「持続化給付金」「ゴートゥートラベル」「雇用調整助成金(特別会計)」「休業補償金(都県)」といったコロナ膨張を抑えたことは評価に値するでしょう。

 なお、「※法案」のうち「裁判所職員定員法改正案」(213閣法15号)だけが年度内に成立しない公算となりました。同法案は「この法律は、令和六年四月一日又はこの法律の公布の日のいずれか遅い日から施行する」と書いてあります。公明党議員が59年間委員長をつとめる参・法務ですが、離婚後共同親権法案(213閣法47号)の送付を前に波が高くなったようです。

【参・予算委 きょう令和6年2024年3月28日(木)】
 辻元清美さんが気を吐きました。まず小林製薬「紅麴」問題で安倍政権の規制緩和の行き過ぎを指摘。そして、昨夜の日テレ報道をふまえて、「では、裏金問題いきます。総理ね、聞き取り調査4人の安倍派幹部の一部からキックバック再開の判断には、森元総理が関与していた。こんな新証言が出たと報道されました。事実ですか」。首相は「自民党として政治責任あるいは道義的責任を明らかにするために必要な聞き取り調査を行う」とし「今の段階で、内容について明らかにするこれは控えております」と答弁しました。
 辻元さんは畳みかけて「それでは確認しますけど、ここ焦点なんですよ。昨日の総理の答弁では、森元総理の関与の証言は一切認められなかったと。そしたら、昨日も聞き取りをしても同じ答弁、ここでできますか、どうぞ」と水を向けました。首相は「政府としてはその失礼、自民党としては公式に森総理が直接関わる発言については把握していない現状においては変わっておりません」としました。

 辻元さんはやがて「キックバックの再開の判断には、森元総理が関与していたと、私は思います。それは相当堅い筋から聞きました。でね、これね。もしももしももしもですよ。握りつぶしたらですねこれを茂木幹事長森山総務会長、岸田総理の責任問題になりますからね。もしも出てたら、はっきりと明らかにする約束してください」としました。

 辻元さんは土井たか子社民党が激減してから初当選しており「左翼少数派の女性」というドグマに悩んできました。ところが、違う秩序では「早稲田大学卒業生の女性で最も当選回数が多い議員」であり続けました。現在、「夜間大学院修了」の小渕優子さんに在職年数で半年逆転されました。「国会稲門会」では、1969年初当選の自民党の森喜朗さん、民主党の渡部恒三さんの二人が女性「上級生」の辻元さんを引き立て、3人が肩を組んで早稲田大学校歌(歌い出し「都の西北」)を歌うニュース映像が時々流れ、「あれはなんだ」となってきました。マイノリティからやがて最大野党の女性初の国対委員長を2年やりました。また辻元女性議員の長年の「パトロン」であった早稲田同窓の「T社長」「S社長」は、立憲民主党結党の際に、東北大卒の枝野幸男初代代表に総額5億円以上の融資をしました。これがないと立憲民主党は現存していないことになります。この早稲田秩序の中、辻元さんは立憲代表代行としての立場に立って戦ったことになります。女性を立てて肩を組んで校歌を歌うレジャーランドは、右肩上がりの経済でないと成立しません。もう時代は違います。きょねん1月17日に辻元清美さんは蓮舫さん(青山学院大学卒業)とともに早稲田大学のシンボル「大隈大講堂」で女性学生に対して政治をめざしてほしいとの趣旨のトークショーをしました。私は(主催サークル「鵬志会」の関係者席ではなく)記者席で聞きました。7割良い意味で、あの話を聞いて自分も政治家になろうと思った女性の学生はほとんどいないんじゃないかな。辻元さん62歳のいわば「狂気」で閉塞した政治を打ち破っていただきたいと思います。もはや大学レジャーランドではないといったところです。

【参・本会議】
 「角田義一元副議長の哀悼」がありました。角田さんが民主党参議院議員会長のとき北澤俊美幹事長でしたが、北澤さんは会長・副議長をのがしました。
 
 国会同意人事が両院で承認されました。
 「令和6年度予算」が可決し、成立しました。
 防衛装備品調達の国庫債務負担行為を5年から10年に延ばした際にサンセット条項(時限条項)がついていたのを外して恒久化する「長期契約法改正法」(閣法13号)が可決し、成立しました。
 「在外公館名称・位置・給与法を改正する法律」(閣法第6号)、「地方税法改正法」(閣法第2号)、「地方交付税法改正法」(閣法第3号)、定額減税を盛り込んだ「所得税法等の一部を改正する法律」(閣法第1号)が可決し、成立しました。

【参・総務委】【参・財政金融委】上述の法案を処理しました。

【衆・内閣委】「セキュリティークリアランス経済安全保障2法案」(213閣法24号・213閣法25号)の参考人質疑でした。50歳になった私ですが、最近の有識者が全然名前の知らない人ばかりになってきて、日ごろ「現実」の取材ばかりしているのだと感じます。自分に自信を持ちます。

●衆・憲法審査会は今週も開かれませんでした。
●衆・本会議も開かれませんでした。
●衆の総務、文部科学、安全保障の理事懇がありました。

●首相会見 この後、午後8時45分から。

 以上です。

参・予算委2時間遅れで開会、清和会キックバック不記載で森喜朗元会長の関与の証言得たとの情報

2024年03月28日 10時47分22秒 | 第213回通常国会 令和6年2024年1月召集
 参議院予算委員会は、きょう令和6年2024年3月28日(木)9時から「締めくくり質疑」をする予定でしたが、1時間半以上経っても開会していません。理事会はいったん休憩となり、国対委員長会談が開かれます。SNSによると、前日に合意した「岸田文雄さんによる党・安倍派ヒアリングの報告」に関して、折り合えない部分があったもよう。

[追記11:05]
 その後、午前11時に、2時間遅れで始まりました。[追記おわり]

 きのうの「パレスホテル」での岸田ヒアリングで、清和会幹部が「派閥パーティー券のキックバック不記載を再度始めることを決めたのは、森喜朗元会長だった」とする証言があったと報道。これは現時点では日テレニュース24のみが報じています。

 この件で、森ヒアリングが既になされたのではないかとの疑念が、野党から示されたとの見立ても浮上しています。

 きょうは午後4時20分から参議院本会議を開いて成立させるはこびでした。が、予算委の締めくくり質疑の自民党割り当てが片道3分(往復で9分想定)、公明党が8分(24分)しかなく削り代がないので、予算委の開会が遅れた時間がそのまま本会議の開会遅れにつながりそうです。午後6時10分からの首相記者会見では、電力・ガス・ガソリンの値下げの継続の話もでる見込みですが、これも、ずれ込みそうです。

 以上です。