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ミステリ感想-『さよならの次にくる<卒業式編>』似鳥鶏

2010年02月20日 | ミステリ感想
~あらすじ~
「東雅彦は嘘つきで女たらしです」愛心学園吹奏学部の部室に貼られた怪文書。
部員たちが中傷の犯人は誰だと騒ぐ中、渡会千尋が「私がやりました」と名乗り出た。
初恋の人の無実を証明すべく、葉山君が懸命に犯人捜しに取り組む『中村コンプレックス』など、四編を収録した学園ミステリの前編。


~感想~
デビュー作『理由あって冬に出る』はよくぞこれで鮎川賞に投じたと、それだけは感心できる脆弱なトリックで度肝を抜く一方で、出版にこぎつける原動力となった軽妙な筆致と等身大でありながら魅力的なキャラで楽しませてくれた作者だが、今作もやはり決定的にトリックが弱い。
しかし描写のうまさ、会話の楽しさはより輝きを増しており、物語として面白いのは大きな救いである。
……と、しつこくトリックの弱さを指摘してみたが、この作品はまだ前編であり、後編の『新学期編』では噂によると定評を覆す超展開が待ち受けているそうなので、期待半分・不安半分ながらもつづけて読んでみたいと思う。


10.2.16
評価:保留

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