内的自己対話-川の畔のささめごと

日々考えていることをフランスから発信しています。自分の研究生活に関わる話題が多いですが、時に日常生活雑記も含まれます。

高度1万メートルで聴いたジョージ・セル指揮・チェコ・フィル演奏『ドボルザーク交響曲第八番』

2019-08-25 23:59:59 | 私の好きな曲

 昨晩、無事自宅に帰り着いた。帰路は、すべて順調、なんのトラブルもなかった。
 機内では、最後尾窓側の席を選んだ。席のすぐ後ろがトイレで、若干その臭いが気にならなくもないが、座席の後部に小さな荷物は置けるし、後ろの座席を気にする必要もなく、通路側に一席あるだけで、出入りもしやすいというのが選んだ理由。昨夏利用したエール・フランスでも同じ席を選んだ。そのときは、トイレの使用音がかなり気になったが、今回利用したJAL便ではそんなことはなかった。
 機内では、映画を観て過ごすことが多い。しかし、今回は特に観たい映画も見つからなかった。かといって、本を長時間読むのも眼に辛い。何か音楽でも聴こうかと、リストを眺めても、これといった曲目がなかなか見つからない。
 唯一、ジョージ・セル指揮、チェコ・フィル演奏のドボルザーク交響曲第八番が目に止まった。1969年のルッツエルン国際音楽祭での演奏のライブ録音。セルの「ドボ八」といえば、逝去の年1970年に手兵クリーブランド管弦楽団を指揮しての演奏が歴史的名演として有名で、これは私もかねてより CDを所有しているが、その前年のこのライブ録音も本当に素晴らしい演奏だ。ヘッドホンで聞く音が痩せているのは仕方ないが、それでもライブの熱気とチェコ・フィルのキレがあるのに暖かく柔らかい演奏の魅力は感じることができた。
 ここ二年ほど、自宅でも音楽はストリーミングで「聞き流す」ことが多くなってしまい、真剣に聴くということがめっきり少なくなってしまった。昨日は、思いもかけず、久しぶりに交響曲の演奏を集中して鑑賞することができた。今日、早速当該のCDを注文した。付録としてMP3の音源も付いてくるので、Bose SoundTouch で再度聴いてみた。セルならではのきりりと引き締まり統率された演奏でありつつ、各楽章、各パートがそれぞれにとても表情豊かで、ますます気に入ってしまう。
 機上で思わぬ贈り物をもらったような気分である。