バレミアン期の化石

白亜紀前期、バレミアン期の化石、

ヘテロセラスの採集

2020-03-21 13:14:39 | 日記

今回の露頭は過去にヘテロセラスの破片が多数見られた場所なので運が良ければヘテロセラスを確実に採集できる地層です。と言ってもやみくもに岩を叩いて割っても出てくるものではありません。

化石帯が含まれた地層が地殻の変動で隆起し、その隆起した地層が縦にあると良いのですが希望通りには行きません。

私は、以前に採集に入った時のデータにそって一定の深さ(厚さ)を決めて岩を数センチ間隔で横に剥いで行きます。(言葉では簡単な事ですが実際の作業は大変な事)すると当時の海流で堆積され石化されたものが時間差が無い状態で現れる事になるんです。バレミアン期の一時代が目の前に見えることになります。

ヘテロセラスを含んだ採集した石。

部分的にアップしたもの。

石割専用のハンマー。実はコンクリートブロック専用の工事用です。

この破片は同一のヘテロセラスの可能性が高い化石ですが住房部、先端部は見当たらず範囲を広げてこの作業を続けて行けば見つかるかも知れません。

右端のモノは先端部に近い所の様です。

ヘテロセラスの破片が殆どでバラバラになって漂着(堆積)したのが良く分かる露頭でした。

バレミアン期の化石図版集が終わりました。A4サイズで全159ページでした。化石展示会の時に原本を見て、気に入ったら申し込んで下さい。

正直、あまり申し込まないで下さい。?

次回のバレミアン期の化石展示会は5月上旬の一日を予定しています。次回のブログで発表致します。

 


プテリネリア・シノハライ

2020-03-14 11:41:07 | 日記

白亜紀前期の特徴属のウグイスガイ科、プテリネリア亜科のプテリネリア・シノハライです。

殻表は尖った殻頂を頂点として後方へ延びた三角形と化石図鑑に記載されています。

今回紹介する標本は小さなサイズのプテリネリア・シノハライで、ここでは見えませんが成体になると単に大きさだけで無く9個の三角形状の靭帯溝が蝶番の所に見えます。

殻が融けているのでこれは内殻印象。小さな時は可愛い二枚貝ですが成体で大きくなるとこの印象が変わり信じられないほど、変容します。

ウグイスガイ科の特徴の一つに翼状の外殻があります。(バケベリア・シナノエンシㇲ、ゲルヴィリア・ホルベシアーナ、ゲルヴィラリア・ハラダエ等)

キャストと内殻印象。二つ並べています。

図版

 

Pterinella shinoharai

瀬林層上部

化石展示会の事を考えていますがどうしたものか迷っています。

屋外の展示なので影響は無いのでは・・・・・?


Cassiopeのクリーニング

2020-03-07 10:54:01 | 日記

前回の続きみたいなものです。

風も無く暖かい日がありましたので採集した汽水生、瀬林層の巻貝、カシオペ・オガイイのクリーニングを行いました。

巻貝のクリーニングは珍しい事でブログで公表するのは初めてなんです。

巻貝本体の保存状態が期待した程では無かったんですがどうなる事か?。

前回の続きで母岩に埋もれてる状態からです。

少しずつ削っていたのですがこのまま続けても本体が壊れそうな気がしたので思い切ってタガネで巻貝の先端部に近い所に割れ目を作りそこにタガネを打ち込み・・・・・母岩を分離。

旨く行きました。下の方にはコストキレナが覗いているのが判ります。巻貝の本体がすっかり見える様になりました。が、やはり、化石の保存状態が?でした。

殻は全部残っていて変形が少し見られる程度で保存さえ良ければよい標本です。

本体に余計な石の破片が残っていますが、今回はこれで終わりにしました。

図版のカシオペ・オガイイのページです。

図版の上にクリーニングが終わったカシオぺを載せて見ました。

Cassiope ogaii

瀬林層