バレミアン期の化石

白亜紀前期、バレミアン期の化石、

石堂層のプテロトリゴニア   Pterotrigonia sp

2024-04-28 15:10:26 | 日記
今回は、石堂層から産出するプテロトリゴニアです。
種名を検索する参考資料、文献は色々ありますが二枚貝については、この「化石図鑑」があれば殆ど解決できます。


石堂層のプテロトリゴニアは、4種見る事ができます。
同定するにあたり放射状肋は、重要ですがトリゴニアのエリアの形状や姿勢も大事な要素になります。

プテロトリゴニア・ポシリフォーミスのBtype
放射状肋が14本




プテロトリゴニア・ポシリフォーミス
放射状肋が12本  放射状肋が少ないので小型に見えます。


プテロトリゴニア・ポシリフォーミス Atype
放射状肋が14本




プテロトリゴニア・ホッカイドアナ
放射状肋が18本




よく似ているホッカイドアナとポシリフォーミス Atypとの比較です。

以上ですが参考になれば良いのですが貴方次第です。良く画像を見て下さい。



Pterotrigonia(p)pocilliformis

Pterotrigonia(p)pocilliformis Atyp

Pterotrigonia(p)pocilliformis Btyp

Pterotrigonia(p)hokkidoana

石堂層





石堂層のイノセラムス   Inoceramus

2024-04-12 14:46:14 | 日記
イノセラムスは、絶滅した二枚貝の一属で中生代を代表する大型の二枚貝です。

白亜紀前期バレミアン期の石堂層からの産出報告は無いようです。
二枚貝専門の友人がイノセラムスの採集を目標に目指していましたが残念ながら諦めたようです。
私は、数個体のイノセラムスが採集できましたので纏めて見ました。

大型の二枚貝と冒頭にありますが石堂層のイノセラムスは小型で最大でも約4Cmです。
No.1の標本

No.2



No.3


No.4




現在まで石堂層からのイノセラムスは、4個体採集できました。

武井先生のイノセラムスの報告論文の表題
「山中地溝帯白亜系から」とありますが詳しくは、三山層です。



論文は見つかりましたが博物館にある筈の標本は見つからない様です。

イノセラムスの採集に当たっての注意ですがカキ目とある通り小型のカキ化石と間違える可能性があります。
カキの小さいのがありましたら捨てないで家に持ち帰り良く調べてから処分して下さい。

Inoceramus sp

石堂層


クラドフレビス   Cladophlebis exliformis

2024-04-05 11:13:05 | 日記
見出しの画像は、クラドフレビス母岩の全体像です。
Cladophlebisは、中生代の地層から産出するシダ類です。
シダ目、またはゼンマイ目の裸葉に与えられた名称で、実葉を殆ど伴わないか、または実葉を伴ったとしても保存が悪いため、分類上どの科に属するかが不明な形態属である。
Filicales シダ目      Osmundales ゼンマイ目

日本の上部ジュラ紀~下部白亜紀にかけて多産する代表的な種である。
葉状体は3回波状複葉で主軸は非常に太い。
和名は、コガタワカレシダ             日本化石集より

瀬林層には、海生層、汽水生層と陸生層があります。
植物化石のシダ類は、沢を挟んだ汽水生層の反対側に見られます。

今回のクラドフレビスの標本は、沢の水中から掘り出したもので瀬林層の崩れやすい泥岩を如何に無事に採集、大きなまま持ち帰る事が出来るものか考えました。
幸いにも大きな布団用のシーツを持参していたので流れの中でシーツにくるみ込み、グルグル巻きにして水中から採集する事が出来ました。

さて、持ち帰った母岩は、崩れやすいので手付けずに乾燥している倉庫の片隅で自然乾燥するのを待ちました。

2年位(忘れていた)が経過したので慎重にシーツを剥がし母岩の様子を見ると想像した様にクラドフレビスの母岩が現れ採集は大成功。

瀬林層の露頭では、ハンマーでの作業は感心できません。
バラバラになりやすい岩石をいかに掘り出すかが良い標本を採集する条件になるかも知れません。

ここからは、部分アップの画像。






長い時間が過ぎてしまいましたが旨く行きました。

Cladophlebis exliformis

瀬林層

イソグノモン・サンチュウエンシス Isogomon sanchuensis

2024-03-22 13:14:38 | 日記
今回は、良く知られていない(人気の無い)二枚貝です。
イソグノモンは、ウグイスガイ上科、マクガイ科の二枚貝で岩場に生息しています。
殻の外形は亜円型か四角型で殻は薄く、扁平。左殻に比べ右殻は小さく殻頂は背縁の前端で鋭く突出している。
生息は、「岩場の貝」と言われている様に右殻を下にして海中の岩に付着して生息している。

最近のイソグノモンの一種。 殻長は約5Cm位。


イソグノモン・サンチュウエンシスはオーテリビアン後期からバレミアン期に栄えた種
ペルム紀の派生から第四紀まで化石記録がある。

石堂層の亜円型のイソグノモン


大きめのイソグノモン


瀬林層の亜円型、イソグノモン


石堂層の四角型、イソグノモン  殻頂は先端の尖った所。


露頭で採集


これだけ見ると歯の化石? 実は、イソグノモンの靭帯溝、この靭帯がウグイスガイ科の特徴です。
採集した時は、瀬林層でもあり恐竜の歯ではないかと思ったのですが最近になってイソグノモンの靭帯と判りました。

Isognomon sanchuensis

瀬林層、石堂層


ヘテラステル・マクロホルクス Heteraster macroholcus

2024-03-10 14:27:36 | 日記
暫くブログから遠ざかっていましたので色々心配してくれる方もおられるので思い切って投稿する事にしました。

石堂層の露頭からヘテラステル・マクロホルクスのウニ化石は多産しています。
多産していても標本として保管する様なものは、なかなか手にすることは難しいのです。

この標本は、ヘテラステル・マクロホルクスの平均サイズのものですが左側から丸形、そして右側が扁平型です。
論文によりますとどちらもヘテラステル・マクロホルクスです。

扁平型の採集が圧倒的に多く、丸形は、20対1位の割合でしか採集できません。
次の標本は、今迄見た事が無い様な巨大なヘテラステル・マクロホルクスです。
ウニ本体のサイズが約10Cmあります。
母岩と本体も黒いので良く撮れていません。


丸型のサイズが約5Cm。

扁平型のサイズが7Cm。

少し小さく約6Cm

通常ウニ化石は、採集時に母岩から離れてしまいますが母岩に付いている事があります。
展示等を考えると母岩に乗っている方が良い様です。

ヘテラステル・マクロホルクスは、ブンブク類に属する絶滅種。
その特徴は、大型で縦長、扁平。前歩帯は深く切れ込む。
白亜紀前期のアルビアンからバレミアンにかけて栄え分布。

Heteraster macroholcus

石堂層