無煙映画を探せ  

映画のタバコシーンをチェック。FCTC(タバコ規制枠組条約)の遵守を求め、映画界のよりよい発展を願うものです。

「護られなかった者たちへ」 瀬々敬久(ぜぜたかひさ)監督 ○ 松竹

2021-10-19 | 2021映画評


「護られなかった者たちへ」 瀬々敬久(ぜぜたかひさ)監督 ○ 松竹

 中山七里原作の同名小説に東日本大震災を絡ませて映画化しました。
 仙台の郊外でテープで縛られ餓死させられた遺体が発見されます。刑事の笘篠(阿部寛)と若手の蓮田(林遣都)は現場に向かいます。被害者が判明した直後に二人目の犠牲者が発見されるのでした。二人(永山瑛太、緒形直人)に共通するのは生活保護の担当で、ある時期同じ職場にいました。その当時トラブルを起こしていた利根(佐藤健)は服役していましたが出所し鉄工所で働いていました。そのトラブルの原因となった遠島けい(倍賞美津子)について調べると被害者と結びつく生活保護に関するある事実が浮かび上がるのでした。

 刑事ふたりが生活保護の現場を知るために保護課の職員円山幹子(清原果耶)と訪れる不正受給者や生活が逼迫しているにも関わらず「人様の迷惑になる」と遠慮してしまう高齢者の姿などが生活保護に対しての社会の捉え方を映像化しています。
 笘篠をはじめ登場人物の多くが震災で家族に被害者がいるという設定にしたことは東日本大震災から10年という節目の作品としての価値を加える効果となりました。
 ところで、利根役の佐藤健が震災時の食料配布場面でトラブルとなり泥水に顔を押し付けられる場面がありました。迫真の演技で「コーヒー牛乳で泥水にしたのかな。」と思っていましたらパンフレットによるとなんと本物の泥水だったようです。それも自分から言ったとか・・・。役者魂を感じます。

 タバコは、なし。無煙です。(○)


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