kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

変われる企業だけが生き残れる

2017-12-08 06:28:22 | 日記
東京市場は6日の下落分の7割弱戻しました。6日に下げた多くの銘柄に
買いが入り値上がり銘柄数は全体の8割強の1716に及びました。前日の
欧米市場の比較的落ち着いたことで買い安心感が広がったようです。6日
の全面安、7日の全面高と激しい展開です。今後クリスマス休暇で益々市
場参加者が減少する状況では同じような展開が再び起こることは想定し
ておくべきです。日本経済に取って一番気がかりな中国経済への不安が
まだ燻っている状況では日替わり相場も仕方ないようです。

もはや円安だから輸出関連銘柄オンリーとか円高だから内需銘柄一色と
いった物色ではなく同じ業種間でも成長期待の強い銘柄が一段と上値を
伺い、業績低迷が目立つ銘柄からは益々資金が逃げ出していく動きのよ
うです。資生堂やコーセーの根強い人気は何を暗示しているのでしょうか。

かつて日本経済をを支えた業種は自動車、電機、精密などの組み立て産
業が永らく主役でした。造船・重機も造船部門は中韓の追い上げで劣勢に
なりましたが、航空機関連や火力発電などのインフラ部門は期待が高い
分野でした。その業界に何が起こったのでしょうか。三菱重工や川重それ
にIHIと言った御三家は深刻な業績不振に陥っています。黒字基調は維持
していますからシャープや東芝のように経営危機を向かえマスコミに大きく
取り上げられることはありませんが、今期過去最高の利益を上げる企業が
続出している状況ではその不振ぶりが目立ちます。

インフラや航空機産業は新興国の経済成長が続き有望産業だと見られて
いました。主力事業としてこの分野を手がけているにも拘わらず3社の業績
株価とも冴えないのはどこに原因があるのでしょうか。例えば三菱重工が
主力事業としている火力発電事業は新興国の電力不足解消のために先行
きは明るいと見られていました。ところが再生可能エネルギーの発電コスト
が劇的に低下したことにより火力発電事業は苦戦しています。

地球温暖化問題の深刻化に伴なって世界的に火力発電に対する厳しい見
方が広がりました。CO₂排出がない原子力発電は今後も市場が拡大する
と見られていました。ところが福島原発事故発生以降一気に原子力発電事
業に対して大きな逆風に変わりました。そして原発の停滞からそれを補うた
めに火力発電でしたが、ここ数年再生可能エネルギーの発電コスト劇的に
低下したことで火力発電には逆風となりました。

日本電産だって主力事業のHDD用モータに依存したままの事業構造だっ
たら成長は続かなかったでしょう。HDDから家電そして自動車分野へと事
業領域を迅速に広げたのが高成長に繋がりました。成長できる企業は強
い企業ではなく事業環境の変化にいち早く変われる企業だと言う意見を言
う人がいます。変化に対応できず成功体験が仇となって潮流から取り残さ
れ衰退した企業は数知れません。何時の時代でもイノベーションが生まれ
れば業界勢力図は一変します。日本電産のような企業がもっと増えないと
日本株のPERは切り上がりそうもありません。
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