kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

転ばぬ先の杖

2017-03-13 07:51:22 | 日記
10日発表された雇用統計は市場予想以上に好調でした。これで
今週のFOMCでの利上げ確率はほぼ100%近い水準まで跳ね上
がりました。2月末まで30%だったことを考えれば10日余りであっ
という間に3月利上げへと180度変わったことになります。この動き
を受けて金融市場では主要通貨に対するドルの総合的な動きを
示すドル指数は2ヶ月ぶりの水準に達しました。

この影響でドル建てで取引される原油や銅などは割高感が意識さ
れて軒並み下げています。WTIが2月末の54ドル台から3月10日に
は48ドル台へと短期間に1割弱下げたのは原油在庫が増加したこ
ととドル高のダブルパンチが原因のようです。

ロシアやブラジルなどは資源安で株価は下落しています。大統領
選挙後から昨年末まで続いた流れが今月は真逆の動きとして鮮明
になっています。今週のFOMCで利上げ加速に繋がる材料が出て
くればこの動きは一段と進む懸念もあります。ドル高の反対に位置
する円安は日本株に追い風となりますから10日の東京市場は教科
書通りの反応だった訳です。

もっとも原油などの資源価格の一段安はエネルギーや素材株の下
げに繋がります。またドル高で新興国からマネーが流出すれば新興
国景気に冷や水をかけることになります。いずれもリスクオフの要因
になり安全通過である円の買い要因となり一点為替相場は円高に
振れる事も考えられます。目先の円安に一喜一憂する前に利上げ
加速が世界のマネーの動きにどんな変化が出てくるかも考えておく
べきです。

マネーの急激な動きの変化は為替や商品市場それに株式市場の振
幅を大きくすることになります。NY市場は3月1日には高値2万1169ド
ルをつけてから揉み合い状態です。東京市場は10日に昨年来高値
1万9604円をつけました。長期投資の海外マネーが本格参戦すれば
息の長い相場に繋がりますが、またそこまでの確証は得られません。

将来的には株高が続くとしても目先は日米市場とも高値圏ですから
いつ波乱に巻き込まれても不思議ではありません。「転ばぬ先の杖」
とは先人の諺ですが、市場はいつ何時どんな変動があるか予想でき
ません。好調な時こそ注意深く市場を見ておく必要がありそうです。
現状では2万円を越えてさらに一段高するだけのエネルギーがあるか
どうかは判断するだけの材料に欠けているように思えます。
コメント
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