「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

真空管の高騰

2013年05月09日 | オーディオ談義

このところ「ウェスタンサウンド」にすっかり参ってしまっている。

これもひとえにオーディオ仲間のKさん(福岡)が持参されたVT52(ウェスタン刻印)などのアンプの音を聴かされたせいである。どなたかが「ウェスタンサウンドは麻薬だ」と言っておられたが、こういうことを指すのだろう。

あの200ヘルツあたりから500ヘルツほどの、しっかりと分解能が利いた骨太の音が耳にこびりついて忘れられない。このあたりは音楽にとって一番おいしいところだし、そして耳にとっても極めて敏感な部分である。

「VT52」(ウェスタン刻印)が欲しいなあ!

Kさんの情報によると山口県に大量の古典管を売ってる店があるというので、さっそくググってみた。

お金のことを持ち出すとやや品が下がるが、ここは素直に現実を直視することにしよう。

まず、VT52(刻印)だがペアで13万円!いやあ、これはいくらなんでも素浪人にはちょっとねえ・・・。これでアンプを作るとなると良質のトランスなどをかませたとして確実に20万円は越えてしまう。

とにかく全体的に高い。真空管の高騰ぶりを改めて感じた。

たとえば、整流管だがウェスタンの422Aは自分が購入したときは1本が1万2千円だったが、今では6万円もする。同じく整流管のCV378(太管)はたしか3000円くらいで購入したものが、2万円も。

まったく信じられない価格のオンパレード。

いったいどうしてこんなに値上がりしたのだろう?

真空管の使い道はアンプ以外には考えられないので、TRアンプにはない良さが広く浸透してきた、また往時と同じ性能を持った真空管の再生産がまったくできないので、需要と供給のバランスが崩れてしまったことぐらいしか思い浮かばない。

とにかく買えないのであればこの上は、現在持っている真空管を後生大事に使うしかない。

そこでWE300B(オールド)を日頃使うのはもったいないような気がしてきて、急遽、中国製の300Bに差し換えて聴いてみたが、日頃聴くにはこれで十分のような気がする。

これなら、球が切れても大丈夫という気持ちで聴くと、音楽も安心して聴けるのが不思議(笑)。オリジナル管は自分ごときには勿体ない、お客さんが見えたときだけ聴くことにしようかな。

面白いことにKさんも同じご心境のようで2A3真空管の1枚プレート(刻印)を使用するのはもったいなくて、日頃は並品で聴いておられる由。

「お互いに似た者同士ですね」と、笑ったことだった。しかし、一方では「お客さんなんてどうでもいい、自分が一番大切なんだから日頃から銘管で聴く」という方もたしかにいらっしゃる。

皆さんの場合ははたしてどちらに分類されるんでしょう?

ところで、つい最近になって気が付いたのが整流管によってノイズの出方が違うこと。何気なくネットを見ていたら、直熱管よりも傍熱管の方がノイズの点で有利という記事をたまたまみかけた。

わがやの300Bアンプは、つい最近になってJBL375ドライバーに接続替えしたが、なにぶん108dbという高能率のユニットのため残留雑音がちょっと目立つのが気になっていた。

そこで、これまで使っていた5R4GY(STC:直熱管)に替えて、WE422A(傍熱管)に替えたところ、めっきり雑音が減った。おまけに、ややハイ上がりだった音がぐっと下がってきて非常に好ましい傾向になった。

          

真空管アンプを使っておられる方で、もし残留雑音が気になる方は直熱管に拘らず、傍熱管にするのも選択肢の一つですぞ。

 

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