「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

小は大を兼ねる

2017年12月06日 | オーディオ談義
つい先日、近くにお住いの方(開業医)が入浴中に急逝された。死因は心臓麻痺。会えばごあいさつをする程度のお付き合いだったが、40年近くにもなる積み重ねがあったのでたいへんなショック。

ご出棺のときに奥様が号泣されて一同もらい泣き。合掌

我が団地(150戸あまり)では、ここ3年の間に4名亡くなられたが、いずれも共通点があって季節は冬、時間帯は夜、高齢(70~80歳)、そして入浴中というのが一致している。内訳は男性2名、女性2名で男女を問わず。

これから本格的な冬が到来しますが、お互いに気を付けましょうねえ。もちろん「高齢」には該当しない人が多いでしょうが(笑)。

閑話休題

1か月以上も前に登載した「ウッドホーンの誘惑~その4~」だが、その中で「クラシックとジャズの再生は両立してうまく鳴らせない」といった趣旨のことを述べておいた。

しかし、実を言うとオーディオは百者百様だし「はたしてこんなことを書いてよかったんだろうか」と、一抹の不安は拭いきれなかった。

すると、畏敬しているメル友の「I」さん(東海地方)から次のようなメールが届いた。(抜粋)


「ワンポイントマイク録音のクラシックとマルチマイク録音のジャズを、1台のスピーカーシステムで”ハイレベルで”具現するのは無理・・・と私も思います。
 
例えば、広く深い音場を再現するシステムで、マルチマイク録音のジャズ・ピアノトリオを再生すれば、センター奥にピアノが引っ込み、左のSPにベースが貼り付き、右のSPにドラムが貼り付き、不自然な3点ステレオ音場になってしまうはずです。
 
両方をそこそこにというのはあると思います。しかし、その状態は「音工房Z」の主宰が仰るように、「どんなジャンルの音楽再生にも対応するスピーカーです、というのは、どのジャンルの音楽も高度には再生できません、と言っているのと同じです」(だったかな?原文は忘れました)・・・私もそう思います。」

以上のとおりだが、これにはとても勇気づけられた(笑)。

「クラシックもジャズもうまく鳴ってくれる」というケースは、「ただし、両方とも高度な再生は出来ていませんが・・」というエクスキューズ付きなのだ。

もちろん、幸せ度からいくと「我が家のシステムは何でもうまく鳴ってくれる」という人が一番なのは議論の余地がないが(笑)、そういう人は別にしてクラシックもジャズも両方とも極めたいということであれば、どうしても2系統以上のシステムが必要となろう。

そういえば、ずっと昔大きな病院の院長さんだったK先生(故人:大分市)と親しくさせてもらったことがあり、とても広くて天井が高いリスニングルームにはタンノイさんのオートグラフとJBLのパラゴンが堂々と鎮座していた。

今となってはその時の音の記憶があまり定かではないのが残念だが、何だかとても大味な音だったという印象しか残っていない。アンプは、たしか「M&オースティン」の真空管アンプ「TV-A1」(KT88プッシュプル)だった。

定評のあるスピーカーとアンプをポンと設置して「いい音」が出てくれればこれに越したことはないが、実はそこからオーディオの危険な罠がポッカリ穴を開けて待ち受けていると、今となっては自信を持って言えるような気がする…(笑)。

特に広い部屋で鳴らすときのバランスのとり方は、つい最近の体験(「部屋の広いは七難隠す」)からして、一般的な常識が通用しないところがある。

それはさておき、以上は「クラシック VS ジャズ」というソフト側の視点から述べてみたわけだが、今度はガラッと角度を変えてハード側の視点から「大型スピーカー VS 中小型スピーカー」と見方を変えるとどうなんだろう。

たとえば大型スピーカーで大規模編成のオーケストラを聴いたり、ジャズを大きな音でガンガン鳴らす、その一方、ボーカルや小編成のジャンルは中小型スピーカーの出番といった調子。

こちらの方がむしろ一般的かもしれない。

我が家の例でいけば大型システム1系統と中小型システム3系統あるが、つい面倒くさくなって「大型システムで小編成を聴いたり」、「中小型システムで大編成を聴いたり」することがときどきあるが、面白いことに気が付いた。

前者の鳴らし方には違和感を覚えることが多いが、後者の鳴らし方にはすんなり入っていけるのだ。

つまり、大型システムの方がどうしても大味になって「つぶし」が利かない!
 
巷間よく言われる「大は小を兼ねる」とはとても言い難く、むしろ「小は大を兼ねる」ところがあり、あまりお金のかからない中小型システムの方に万能性があるところがオーディオの面白いところだ。

ただし、先日(11月12日)テレビで放映されて話題になった「シン・ゴジラ」の効果音は大型システムで試聴するに限ると思った。

音楽の再生にとって一番大切なのは「ハーモニー」だと思うが、それとは無縁のドド~ンという地響きのような衝撃音のすさまじさはほんとうに心胆を震え上がらせた。映画の迫力はサウンド(効果音)次第で豹変するので、わざわざ映画館に行って観る価値は十分ありそう。

    

いずれにしろ、我が家の大型システムの出番はテレビ番組とオペラぐらいなのがちと寂しいが、それだけ中小型システムが充実している証でもあり、ま、いっか(笑)。


 
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