「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

タンノイ・オートグラフを聴く

2016年05月17日 | オーディオ談義

つい先日、同じ「AXIOM80」仲間のSさん(福岡)からメールが入った。

「東京出張の折りに、シルバー in オートグラフを聴いて来ます。はてさて、あのモヤっとした音のオートグラフでもモニターシルバーが入れば締まった音がするのでしょうか?」


以前のブログで話題にしたように、オリジナルのタンノイ・オートグラフにシルヴァーのユニットが入ったものが、本国(イギリス)から入荷され、お値段の方も1000万円近いとの声も上がるなか、このヴィンテージ品を聴いてこられるというわけ。

こういうチャンスはおそらく一生に一度だろうが、実にうらやましい(笑)。

国産箱のオートグラフはこれまで何度も聴かせてもらったので音の傾向はだいたいアタマに入っているが、改めて確認の意味でもう一度聴きたくなった。

オートグラフを身近に愛好されている方といえば、Mさん(大分市)なのでいそいそと出掛けてみた。

         

Mさんは圧倒的なレコード派で3台のプレイヤーを駆使し、2系統のスピーカーでクラシックからジャズまで幅広く鑑賞されている。システムの流れを紹介すると、

クラシック系

レコードプレイヤー → MCトランス(カンノ) → イコライザーアンプ(カンノ) → プリアンプ「出力管ウェスタン310A:整流管付き」 → パワーアンプ「KT88(GEC)プッシュプル」(新藤ラボラトリ:モノ×2台) → スピーカー「タンノイ・オートグラフ」

ジャズ系

レコードプレイヤー → イコライザーアンプ(ピッカリング) → プリアンプ(同上) → パワーアンプ「マランツ8B」 → スピーカー「クリプッシュ」(アメリカ)

周知のとおり、音の入り口に当たるカートリッジ(プレイヤー)と音の出口に当たるスピーカーはアンプなどの増幅系とは違って変換系なので替えてやるだけで音が激変するが、Mさんはたいへんな「アームとカートリッジ」狂である。

ちなみに、真空管式プリアンプはつい最近導入されたばかりで、オーディオ仲間のNさん(大分市)の製作。これまではTR式のマッキントッシュの「C28」を使ってあったが、このプリアンプを聴いてすぐにオークションに放逐された由(笑)。

はじめに、オートグラフから試聴開始。

けっして周波数レンジの広さを感じさせないものの、音像定位が良くて品はいいし奥行き感があってホール感たっぷりの音でこれこそオートグラフの世界なんだろう。しかも、良くも悪くもあの「モヤっとした感じ」の印象を受けないのはひとえにMさんのセンスを物語るところだろう。

我が家との音の違いを脳裡にくっきりと刻み込んで参考にさせてもらったのは言うまでもない(笑)。

「音がいいとか悪いとかいう資格は自分にはありませんが、これまで聴かせてもらった中では一番好きな音が出てますね~。」

ひとしきり聴かせていただいてから、今度はジャズへ移行。


          

モノラル盤のレコードが圧倒的に多いなか、女声ボーカルを聴かせてもらったが、とてもクリヤで音の鮮度が素晴らしかった。

Mさんは低音をドスンとかボ~ンとか迫力でもって鳴らすのがとてもお嫌いのようで、ボリュームもかなり絞った状態のもとオートグラフにしてもクリプッシュにしても大型システムなのに程良いバランスを心がけておられるのがよくわかった。KT88のプッシュプルという大出力のアンプだから「ドスン・オーディオ」も可能なのにこういう鳴らし方だから、そのオーディオ哲学が偲ばれる。

こういう鳴らし方をする人は「AXIOM80」のサウンドにもきっと理解を示されるに違いない。

次回、Mさんが我が家に試聴にお見えになったときは、「“鬼面(きめん)人を驚かす”ようなコケオドシの勝負はもってのほか」と肝に銘じて帰途についたことだった(笑)。
 

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