「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

見事なJBL「メトロゴン」(レプリカ)!

2013年12月10日 | オーディオ談義

去る8日(日)の午前中のことだった。

「以前にお話ししていたJBL“メトロゴン”のレプリカを作られている方のお宅を今日の午後訪問しますが、ご都合がよかったら同行されませんか?」と、オーディオ仲間のMさん(大分市)から電話があった。

「いやあ、ありがたいです。もちろん同行させてください!」

訪問先の日出町(ひじまち)は別府市の隣にあるこじんまりとして鄙びた町で、クルマでおよそ20分程の所で週に一度のペースで図書館に通っている。そんな身近な場所でJBLのメトロゴン(レプリカ)を製作している方がいるなんて想像もつかなかった。隠れたオーディオマニアは世の中に沢山いる!いやがうえにも期待が高まる。

MさんとOさんのお二人がお見えになったのはきっかり約束の13時だった。

まずは、出発前に前回のブログ「オーディオは引き算・・・・・」で記したように我が家のプリアンプなしの「AXIOM80」を聴いてもらってご意見を拝聴することにした。お二人は1週間ほど前にも我が家にお見えになったばかりで「プリアンプ有り」の音を熟知されているので絶好の機会。

「まるっきり、音が変わりましたね!」とOさん。ベテランのマニアなら既にご承知の通りだが「音が変わった=良くなった」というのは早計でよく混同することが多いので要注意(笑)。

音像がよりシャープになって録音収録時の再現性が高まったのはたしかだが、プリアンプによる味付けも捨てがたい様子で簡単に結論が出せないというのがお二人の総合的なご意見だと受け止めた。

ついでにJBLの3ウェイシステムも聴いてもらったが、Oさんからズバリ「うまくまとめられてますが、ウーファーのD130ユニットと375ドライバーの繋がりがもっと良くなるといいですね」とご指摘があった。

「そうなんですよ。ここが一番悩んでいるところです。現在、両者のクロスオーバーを500ヘルツ付近にしていますが、エンクロージャー(ウェストミンスター)のフロントホーンの形状から考えて1000ヘルツ付近にしようかと考えていたところです。」

40分ほど試聴してから課題を残したまま、後ろ髪を引かれつつ日出町へ向けて出発。

予定どおり、14時前後に到着した。日光が燦々とさし込む農村地帯の見晴らしのいい立地条件に恵まれた邸宅でオーディオ環境満点、これなら周囲に気兼ねなく音楽が楽しめそう。

「いやあ、はじめまして~」、初対面のSさんにご挨拶。見るからに健康的で“はつらつ”とした方である。さっそくオーディオルームにご案内してもらった。

            

いきなり目に入ってきたのが、部屋の中央に鎮座するスピーカー。JBLの黄金時代を彷彿とさせる見事なメトロゴンの複製!

いやあ、見るからにいい音がしそうですねえ~!

中に収められているユニットはJBLのD130とLE85とのことで、さっそく持参したCD「米良美一さんの歌曲集」を試聴させてもらった。

プリアンプはマークレヴィンソン、パワーはサンスイ製で実にバランスが取れた「いい音」だった。

頭の中は質問したいことでいっぱいだが、何せ初対面なので失礼にならないように出来るだけ言葉を選ぶように心がけた。

☆ 作製期間はどのくらいかかったのですか?

きちんと型枠を作ったうえで3台同時に完成させました。全体でおよそ6か月くらいでしょうか。これからの分は(型枠を作らなくていいので)スピードアップできると思います。

☆ お値段の方はいくらぐらいするものですか?

現在、オークション(クリック可)にも出してますよ。

(実際に価格を教えていただくと予想したよりも半分くらいの値段だったので二度びっくり。我が家ではJBLのユニット「130A」(38センチ口径)「LE85]「075」ユニット、それに「AXIOM301」(30センチ口径)が各1セットあるので、2ウェイ、3ウェイとして十分使えそう。真剣に購入を検討してみたくなるが、問題はSPが3セットもある部屋のスペース!)

☆ 口径38センチ以外のフルレンジユニットなどの取り付けも可能ですか?

口径38センチ用の穴を開けてますが、補助バッフルを取り付ければもちろん可能です。

☆ 差支えなかったらエンクロージャーの内部を拝見させていただけませんか?

            

背圧を逃がすスペース(下部)もちゃんと開閉ができるようになっていてユニットの個性に対する適応能力も高いようだ。

個人的な感想だが、使い道としてはすでにSPユニットを持っていて既存のエンクロージャーに不満足な方、あるいは飽きた方などには最適だろう。

また、メトロゴンは音を反射させて鳴らす方式なので聴く位置が「スピーカーの正面じゃないとダメ」みたいなことがなく、どこの位置でもおおらかに聴くことが出来る。したがって喫茶店などのお店によくマッチすると思う。見栄えがして豪華だし、まるで家具みたいでオーディオっぽい見かけがしないのもメリットのひとつ。

1時間半ほど聴かせていただいてから一同興奮気味に帰路に着いた。

自宅まで送ってもらい、お二人とお別れした後に先ほどOさんから告知された課題のJBL3ウェイシステムのネットワークの手直しにさっそく取りかかった。

実に簡単な作業でウェスタン製の鉄心入りコイル「1.2mh(ミリヘンリー)」をD130ユニット(8Ω)のSPコードに挿入し、375ドライバー(16Ω)のSPコードには、ウェスタン製のコンデンサー「10μF(マイクロファラッド)」を挿し込むだけ。これで1000ヘルツ前後をクロスさせるネットワーク(6db/oct)が完成。半田ごてを暖める時間を含めて15分くらいかかったかな。

すぐに試聴してみると、さすがに人間の耳にとってもっとも敏感とされる1000ヘルツ付近までを1個のユニットでカバーするので音に安定感がある。ゆったりと包み込んでくるようで「これでどうだ」とでも言わんばかりの説得力。

ま、あまり細かいことを言わずにしばらくこれで聴いてみることにしよう。

ホッと一息ついたところで、「アッ、しまった!ウォーキングに行く時間が大幅に遅れてしまったあ」(笑)。

さて、9日(月)の早朝に別件でKさん(福岡)から電話があったので、そのついでに「日曜日にJBLのメトロゴンを聴きに行きましたよ!」と言ってみた。

さすがに百戦錬磨のKさん、実に反応が早い。「ああ、パラゴンの小型版ですね。ずっと昔にパラゴンとメトロゴンを両方聴きましたが私はメトロゴンの方が好きでした。素晴らしい音だと思いましたよ。それはぜひ聴いてみたいですね~。」

「次回に別府へお見えになったときにご案内しましょう。どうかお楽しみに。」

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