オーディオ機器というのはやっぱり毎日使ってやらないとご機嫌が悪くなるようだ。
先日、お客様が試聴にお見えになったので久しぶりにといっても1週間ぶりぐらいだが、CDを聴いていただこうと「CDトランスポート」のスイッチを入れて(CD盤を)CDトレイに載せたところなかなか読み込んでもらえない。
小さな表示板に「NO DISK」と表示されたままでウンともスンともいわない。流石にお客さんを目の前にして少々慌てた。
焦りながら何度かCDを出したり入れたりを繰り返すとようやくご機嫌が直ってくれたが、その後は快調に作動したのでメカの故障ではなさそうで、まずはひと安心。いきなり電流が舞い込んできたのでビックリしたのだろう。
このところテレビ画像を通じての音楽鑑賞が増えたことにより、CDから段々遠ざかっていることに遠因がある。
「ひかりTV」(NTT系~光回線)、「仲間のCD1200枚を収納したハードディスク」、「クラシカジャパンの録画ディスク」と3種類もある。
何しろリモコンのボタン一つで次から次に曲目を選択し再生できるのだから、便利なことこの上ない。CDよりも少々音質は劣るのだろうがそれほど目立って劣化するわけでもなく、つい手軽さの方が優先する。
「悪貨は良貨を駆逐する」(?)
今回の件で大いに懲りたので「これからは1日に一度はこまめにCDトラポの電源を入れよう」と、固く心に誓った。
したがって、このところ昔のCDを引っ張り出して聴くことが多くなったが、そのうちの一枚がコレ。
「北欧のリリシズム」という形容がふさわしいヴァイオリニスト「アルベ・テレフセン」(ノルウェー)の「Intermezzo」。
「Intermezzo」とは、存知の方も多いと思うが英和辞典によると「間奏曲、独奏用の小曲」とあり、文字どおり12曲の小曲が収められているが、このうちの第2トラックの「ライムライト」(チャップリンの映画のテーマ曲)が絶品だ。
この世のものとは思えないような優雅でむせび泣くようなヴァイオリンの音色が美しい旋律とともに音響空間にフワッと広がって漂う様にただただウットリした記憶がある。ジャケットの画像から見てヴァイオリンはおそらく「ストラディヴァリ」ではなかろうか。
若かりし頃、PCM放送(衛星デジタル)でこの曲を聴いてゾッコンとなり、八方手を尽くしてようやく手に入れた輸入盤(現在廃盤)である。
さあ、ヴァイオリンとくれば当然のごとく「AXIOM80」の出番だ。
ワクワクしながら耳を澄まして聴いてみるとこれがガッカリ。ヴィオリンの音色が濡れるどころかキンキンしてとても聴けたものではない。
こんなに再生が難しいCDだったかなあ?これでは昔のシステムの方が良かったぞ~!(笑)
以前と違ってシステムの周波数レンジが広がったことにも一因があるのかもしれない。
それにしてもあまりにも極端なので、何か対策を講じなくては。
それからは悪戦苦闘の毎日で、振り返ってみると4つの対策を講じる羽目になった。
ざっと挙げてみると、
1 相性のいいパワーアンプを見つける
2 吸音材、ARUの調整などスピーカー周りの作業をする
3 プリアンプの真空管を代える
4 サランネットを取りつける
いずれも例によって「独断と偏見」に満ちているが(笑)、具体的な処方と効果については次回で述べるとしよう。
とても一筋縄ではいかない「AXIOM80」がはたしてご機嫌を直してくれたのだろうか。