「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

ホーンは生かさず殺さず

2016年06月21日 | オーディオ談義

先日、メル友の「I」さん(東海地方)から次のような「ホーン」に関するメールを受け取った。

ホーンの使い方はいつも気になるのでとても興味深く拝見したが、得るところが大いにあったので後日のために記録に残しておくことにした。


「JBLのLE85ホーンをH91から2370Aに変えました。調整に苦戦しそうです。これまでのJBLのシステムですがジャズを聴くにはかなり満足のいく状態になってきたと思っていました。

ただ、H91の開口部の面積が小さいため、ウーファーとのつながりが少し弱いのではないかと気にはなっていました。しかし、テナーサックスも不足なく聴けるし、まあいいかなと思いつつ、開口部の大きなホーンを試したい気持ちはずっとありました。
 

JBLに限らず1インチ用のホーンは製品が少なく、かといって2インチ用を使おうとすると、値段も高く、スロートアダプターも必要になりさらにコストが嵩みます。現実的には、JBLの樹脂製の2370A(たぶんPA用途)かなと考えていました。
 
2370Aは樹脂製ですが、ちょっとお値段が張るのでオークションで中古を狙っていたところ、即決価格、送料を入れて手頃な出品を見つけ、購入したものです。商品が届き、早速H91と交換しました。

               
            
良い面  ウーファーとのつながりはさすがに良い。低音部の音圧まで上がる。

困った面 上記の裏返しで、なんと中低音のぼんつきが出た。音像が大きくなった。その結果、少々品
の無い音になっ  
       た。
要するに、あまりいい結果とは言えない状態です。
 
この日に、アンプ修理でお世話になっているYさんと電話する機会があり、このことを話したところ、「ホーン鳴きもあるでしょうが、ホーンにも音の回り込みがあり、大きめのバッフルを付けるのが効果的」との助言をいただき、使ってない箱があるからあげますよ、と有り難いお話までいただきました。
 
ホーンは大きくしたいが、躯体は大きくしたくない(2405も乗せたいし)ので、箱の提供はお断りしました。
 
対策

1 ホーンのデッドニングは音が死ぬ可能性があり、やり直しもききにくいためやりたくない。

2 デッドニングの代わりに、ホーンの振動の多そうなところに、ボルトナットを取り付けて振動モードの変化
を狙う。10個の取り付け穴を利用し、そのうち4箇所に着けて様子を見る。
    
3 2の結果が良ければ10個前部に対策する。
    
4 3でも駄目な場合は、小さめのバッフルを作る。
 
ソースによって印象が異なるので、しばらくこの状態でいろいろ聴いてみます。クロスオーバー周波数やパワーアンプレベル等一切いじらずに、ホーンの変更だけにしています。が、クロスオーバーを下げてみたい欲求には負けそうです。」

以上のメールに対して次のように返信した。

「以前、JBLの<LE85>を使っていましたので興味深く拝読しました。これまでの拙い経験から言わせてもらいますと、中音域のホーンの大小は両刃の剣みたいなところがあるみたいです。


大きなホーンは迫力は増すのですが、仰せのとおり音像が大きくなって品の無い音になりがちです。これまで随分<血と汗と涙>を流しましたが、今のところホーンは小さい方が無難という気になってます。

そういえば、イギリス系のSPは総じて中高音域に大型ホーンを使っていないことに気が付きました。
おそらく音像が大きくなって品がなくなることを警戒しているのでしょう。

ただし、ジャズの場合は話は別でしょうからいろんなアプローチがあってもいい気がします。ところで、ご相談ですが我が家のウェストミンスターの上に載せるドライバーの件です。クロス4000ヘルツで、現在、ワーフェデールのコーン型ツィーターやJBL075を使ってますが、これで十分とは思っていますが、同じJBLの175ドライバーあたりも試してみたい気がします。175にはツィーターが不要なところが良さそうです。

JBL以外でもいいのですが、4000ヘルツ以上を持たせてツィーター不用の適当なドライバーがあったり、出品されたら教えていただけませんか。」

これに対して「I」さんから次のようなメールが返ってきた。

「イギリス系のSPとホーンの大きさについて、納得の情報でした。JBLのH90やアルテックA5のマルチセルラホーン(でいいんでしたか)は、まさにジャズ愛好家御用達ですね。
 
4000Hz以上でツイーター不要のドライバーは・・・とのことですが、私などが申し上げられることではありませんが、個人的に気になっているドライバーがひとつあります。ツーウエイでいけそうかなと思っているものです。
 
MIXELで販売しているPRVのコンプレッションドライバーのチタン振動板のタイプです。MIXELは西宮の個人商店のようで、私はVifaのユニットや小物を購入したことがあります。その際、直接オーナーの〇〇さんに電話相談して購入しました。気楽に応対してくれます。もしよかったら、MIXELの通販ページをご覧ください。
 
ただ・・・〇〇邸の特製075に敵うものは無いように思います。拙宅のJBLのユニットは使いだして35年ぐらいたつと思いますが、当時、D130+075と現行ユニットとどちらにするか迷ったものです。いまでも、この2ウェイは気になる存在です。比較的近距離でジャズに身を委ねるにはもう・・・あっ、クラシック用でしたね。失礼しました。
 
クラシックは難しいですね。ジャズ再生は、極端な言い方をすれば、どんな音でも許されるようなところがありますが、クラシックはそうはいかない世界だと感じています。ジャズは泥沼=OK、クラシックは泥沼=地獄でしょうか。
 
また、ホーンをいろいろ試されている方のブログも拝見しているので、いい情報がありましたらお知らせします。
 
フィリップスの小型SPの件、本当に楽しそうですね。純米酒を五勺ほど飲んで、腕の立つ職人さんが打った、二八のせいろをかっこむ感じでしょうか、たまらないですね。」

以上、「I」さんとのやり取りを通じて「ホーン」に関する一考察だった。

部屋の大きさ、システムの状況、日頃聴いている音楽のジャンルなどによって「ホーン」への対応は千差万別だろうが、小説の読み過ぎか、ドラマの見過ぎのせいか、いつも主役と脇役を分類するクセが身についているが、オーディオシステムにも主役と脇役があるように思っている。
 
我が拙い経験ではホーンは家庭内でクラシックを主体に聴く限り、主役を張るべき存在ではないような気がしている。ホーンにチカラを入れ過ぎると全体の音のバランスが壊れてしまうのだ。

したがって、目立たせず控え目に、喩えて言えば江戸時代のお百姓さんのように「(ホーンは)生かさず殺さず」といった使い方が一番ではなかろうか、ひいてはホーンに大枚のお金を突っ込むのもいかがなものか・・。

この「独断と偏見」に、もし異論がある方はどうか「素人の戯言」として笑い飛ばしてくださいな(笑)。
この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「私のフルトヴェングラー」... | トップ | ジャズを聴いていない者は殺す »
最新の画像もっと見る

オーディオ談義」カテゴリの最新記事