「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

今年はたいへんな当たり年でした!

2014年12月02日 | オーディオ談義

映画俳優「高倉 健」に続いて名優「菅原文太」がまるで後を追うかのように鬼籍に入った。享年81歳。隠れファンとして寂しい限り。代表作は「仁義なき戦い」と「トラック野郎」だが、奇しくもこのブログの前回のタイトルが「仁義なき戦い」だった。

もちろん、このヤクザ映画にちなんでつけたタイトルで“シマ”をめぐる戦いを貴重な真空管の争奪戦に喩(たと)えたわけだが、この映画はメチャ面白かった。命を張った男たちのむんむんする体臭が画面を通じて直に伝わってくるかのようで終生忘れえぬ傑作となった。合掌。

閑話休題。


卒業した職場の先輩が「1日は長いけど1年は短い」という名言(?)を吐いていたが、自分の場合は「1日は短いけど1年はそれ以上に短い」というのが実感。毎日が非常に充実して忙しく、退屈することがまったくない。しかし、家内に言わせると自分は「ぶらぶら会社の社長さん」だそうな(笑)。

さて、今年のカレンダーも残すところ1枚となった。いよいよ師走に入ったのでこの1年間をふり返ってみることにしよう。もちろん「音楽&オーディオ」についての回顧談である。

先日(11月29日)、我が家に試聴にお見えになった同じ「AXIOM80」仲間のKさん(福岡)が「〇〇さん、年初に比べるともの凄く音がよくなりましたよ。今年はいろんな機器を購入されましたが、たいへんな当たり年でしたね~」と、しみじみ述懐された。

「いやあ、まったくそのとおりだと思ってます。おかげさまで近年にない大当たりの年でした。」

地方に住んでいると、いろんな機器を実際に試聴出来る機会に恵まれないのでどうしてもハンディがある。ネットなどで性能などを十分調べてはみるものの最終的には機器同士の相性もあって当たり外れが必ずつきまとう。

万一外れたときはそれはそれは悲惨なもので二束三文で下取りに出さざるを得ない。そういう体験、いわば高い授業料を随分払ってきた。

その点オーディオ仲間たちからのクチコミは実にありがたい。取り分け、同じスピーカーを使っている仲間だと100%に近い確率で的中するので非常に重宝している。

オーディオといえば、つい音響空間や機器群についてのハード面に囚われがちだが、その一方、ソフト面での人との交流による情報交換もけっして無視できないことを痛感したこの1年だった。

この両者がうまく調和し「クルマの両輪」となってはじめてシステムは完成の域に近づいていくのではあるまいかと思う今日この頃。

さて、そこで「大当たりとなった機器」を時系列で振り返ってみることにしよう。

と、ここまで書いたときに何となく引っ掛かるものを覚えた。

畑村洋太郎さん(東大名誉教授)の著作に「失敗学のすすめ」というのがある。「成功談よりもむしろ失敗談に関して学ぶ方がためになる」という本だが、この中に「人は他人の成功談にはあまり興味を示さない。むしろ失敗談の方を熱心に聞きたがる。」という一節がある。

その伝でいけばこれから述べることは成功談なので読者にとってはあまり面白くないかもしれないし、さらには持ち物の“のろけ話”として受け止める向きがあるかもしれない。そういう虞のある方は不快の念を起されるとまずいので、どうかこの続きは読み進まないようにしてくださいな(笑)。

☆ dCSのCDトランスポート「ラ・スカラ」

          

今年の4月頃、これまで長い間使ってきたワディアのCDトランスポート「270」が故障したのでオーバーホールしたものの、その修理期間中、オーディオショップ(東京)の好意で「ラ・スカラ」を貸与してもらい使ってみたところ、なかなかの音質で仲間たちからも「明らかに270を上回る性能」との折り紙つきだった。

戻ってきた「270」と実際に聴き比べても、はっきり分かるほどの差を示したので、これはうれしい悲鳴だった。まったく「ピンチはチャンス!」。

もちろん羽根をつけて飛んでいった大切なものがあるが、その8割方の原資は「270」をオークションに出して回収したのでメデタシ、メデタシ(笑)。

なお、試聴会の都度Kさんが「このdCSがシステムの中で実によく利いてます。我が家の80の音がどうしても追い付けないところがあるのもそのせいでしょう。」と悔しげに洩らされるが、まあ、デジタル機器は日進月歩の世界なのですぐに値崩れするのが残念なところで、そのうち逆転現象が起きるのでどうか気を落とされませんように。

その一方、パソコンオーディオだとあまりその辺の心配はしなくていいが、ストックしている折角のCDが勿体ないし、それも大好きな曲目ばかりなので有効活用の方が何といっても焦眉の急である。したがって、今後もパソコンオーディオをやろうとはつゆほども思わない(笑)。

☆ 1920年代製の真空管を使えるアンプ

           

これまでの真空管に対する認識をガラリと変えてくれたアンプである。一般的に「音のいい球」として流布しているのは言わずと知れた「WE300B」(アメリカ)と「PX25」(イギリス)である。音質に優れた直熱三極管の両雄として並び称されており、自分などは評判に釣られて「この球さえ使っておけば安心」とばかりに長年使ってきた。まあ、平たく言ってみれば「ブランド信仰」ですなあ(笑)。

ところが、まるで真空管の“生き字引”みたいなKさんと出会ってから状況が一変した。95db以上と能率の高い「AXIOM80」に見合った真空管がほかにも沢山あることに驚いた。

世の中には星の数ほどの沢山のスピーカーがある中でなぜ「AXIOM80」を愛用するかといえば、「艶やかなふっくら感」と「音声信号に対する反応の速さ、いわばスピード感」が両立していることにあるが、WE300BやPX25などに比べると真空管の図体が小さい分、スピードの点で軽く凌駕している真空管の存在が何よりも新鮮だった。

いわゆる「71A → 45 → 50 → 2A3」の世界である。「AXIOM80」は45アンプのもとで開発されたと聞いたことがあるし、あの伝説のオーディオ評論家「瀬川冬樹」さんが「AXIOM80」に使用されていたアンプは「245」(45のナス管)だった。

これらの系統のアンプをKさんから持参してもらい我が家で試聴を重ねること1年余り、あまりの「AXIOM80」との相性の良さに感銘を受けてオークションで購入したのが〇〇アンプだった。最後まで競り合って非常に際どい勝負の結果1000円差でようやく落札したが、このちっぽけなアンプがその後の我が家のシステムの命運を握っていようとはその時には夢想だにしなかった(笑)。

このアンプは通常は1940年代前後に製造された古典管を使用するのだが、そのときはたしかに“いい音”には違いないがまあ「並みの音」、それが1920年代後半に製造された特別球に差し換えると音がガラッと豹変するから驚く。

以下、続く。
 

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