若手ピアニストのエフギニー・キーシンを「仰ぎ見る大天才」と評したのは高校時代の同窓生で音楽家のO畑君だが、同じくお薦めだったのが今度はヴァイオリニストの「ワディム・レーピン」。
キーシンが見事に的中したこともあり彼の推薦とは相性がいいみたいなので「間違いなし」と踏んでつい最近取り寄せたのが次の2枚のCD。
☆ ☆☆
☆ ブラームス「ヴァイオリン協奏曲」ほか
ライプツィヒ・ゲバントハウス管弦楽団 指揮:リッカルド・シャイー
レーベル:ドイツ・グラモフォン
☆☆ モーツァルト「ヴァイオリン協奏曲2番、3番、5番」
WIENER KAMMER ORCHESTER 指揮:ユーディ・メニューイン
レーベル:エラート
いやあ~、参りました。それほどに素晴らしかった。O畑君はどうしてこんなにいい若手のアーティストを次々に知っているんだろう?
朝、昼、晩と三度の食事並みに熱中し興奮して連日傾聴しているが、こういうことは近年ホントに珍しい。あくまでも自分の感想だが彼の弾くヴァイオリンは音色が豊かで艶があって抒情味もありしかも音程が正確無比。
やっと自分が大好きな往年の女流ヴァイオリニスト「ジネット・ヌヴー」に取って代わる才能に出会ったと言ってもいいくらいだが、強いて言えば、ヌヴーとオイストラフを足して2で割った印象でどちらかといえばオイストラフに近いがSPの「アキシオム80」で聴くヴァイオリンの音色はひとしおで「聴覚」にとってもウットリとさせられて実にいい耳の保養になっている。
この魅力的な「ワディム・レーピン」について調べてみた。
生年は奇しくもキーシンと同じで1971年、それも同じロシア出身でキーシンはモスクワでレーピンはシベリア。
5歳でヴァイオリンを開始、11歳でヴィエニヤフスキ・コンクールで金賞、17歳でエリーザベト王妃国際コンクールで史上最年少で優勝。
使っているヴァイオリンは1708年製のストラディヴァリウスでかって名手のサラサーテが愛用していたものという。
かってのヴァイオリニストのユーディ・メニューインが「私が聴いた中で最も優れた完璧なヴァイオリニスト」と激賞している。
もっとも、どんなコンクールに優勝しようと、どんなに有名な人間が褒め称えたとしても演奏が気に喰わなければ無視するのみだが、ブラームスの「ヴァイオリン協奏曲」もモーツァルトの「ヴァイオリン協奏曲」もいずれも特上で聴きながら惚れ惚れするほどの仕上がりぶり。
特にブラームスのヴァイオリン協奏曲は交響曲並のスケールと内容を持った作品だが「ベートーヴェンを超え得ない己が才能に暗澹としながらも作曲を続けざるを得なかった」誠実なブラームスの悲哀を十分感じさせるものだった。まったくこの年齢でこの演奏、言うこと無し・・・。
とにかく数あるクラシック音楽の楽器の中でも双璧とされるのが「ピアノ」と「ヴァイオリン」という楽器だが、伸び盛りのキーシンとレーピンが健在であればまず安泰、今後この二人を軸にクラシック界は展開していくと予言しておこう。
それにしても「キーシン」といい「レーピン」といい、ロシアはどうしてこう「けた外れのアーティスト」を次々に輩出するのだろうか。
レーピンを大いに気に入ったのでHMVをさらに調べてみたところ10枚組のCDボックスがあった。中ではモーツァルトのヴァイオリン協奏曲がダブってはいるが「シベリウスのヴァイオリン協奏曲」はこのボックスを購入しなければ聴けないので「購入GOサイン」をクリック。
折り返し、発送は3月1日の予定というメールが入った。
ところで話が全然変わるが、大分県内の魚販店で「禁止されているふぐの卵巣」を販売して2人が中毒になったことがNHKの朝のテレビニュースで全国放送(2月9日)されていたのはご存知の方がいるかも。
中国産品を国産品と偽るいわゆる偽装の問題などもあって今や「食の安全」は大きなテーマである。
本県ではこの身近なニュースにより、みんな怖がって「ふぐ」を買おうとしないものだから、ほかの「ふぐ」販売業者が大迷惑。うちのカミさんは逞しい(?)ものだから、この際に乗じて値引き交渉をして格安でフグを仕入れてきた。
おかげで9日の夕食は久しぶりに「ふぐチリ」を堪能しました。我が家ではこの騒動の余得にちゃっかり預かりましたです、ハイ。