今回の新潟遠征。
私に与えられた時間は、14・15日の両日とも各90分。
毎度のことではあるがスライドを少しくマイナーチェンジしてみた。
その目玉は、
ゆうこさんを探せ。
そこから、「沈黙の螺旋」を逆に回そうではないか、というストーリーである。
感謝(ゆうこ)ー2011.10.19
北川村道路工事、本当にありがとうございました。
仕事とはいえ、過酷な作業、残酷な雨・・・ほんとに大変だったと思います。
(中略)
北川村のじいじとばあば達は、皆さんのこと拝んでますよ。
その子供の私たちも・・・ありがとうございます。
何度か紹介しているのでご存知の方も多いと思うが、
2011年10月19日、国道493号の応急復旧完成時に、当ブログにいただいたこのコメント。
「ゆうこさん」とはコメントの主さんの名前である。
そして「沈黙の螺旋」(ノエル・ノイマン)。
マスメディアを通じ、個人が多数派と認識する世論が形成され、そのような世論が同調への圧力を持つという理論。
人々は自分の意見が世の中で多数派か少数派かを判断する直接的統計能力を持ち、
少数派だと思う人々は孤立を恐れて沈黙を保ちたがる。
そのため多数派の声が、螺旋が収束するようにますます増大するというものである。
(Weblio辞書より)
現代日本でこの理論がピタリと当てはまるのが、公共事業悪玉論とそれを取り巻く情況だと私は思っている。
藤井聡さんは、その著書『強靭化の思想』(扶桑社)でこう書いている。
世論と呼ばれるものは、人々の冷静な意見の集積というよりはむしろ、こうした「こわばった風潮」にしか過ぎない、と考えるのが沈黙の螺旋理論である。(P.101)
伝統に裏打ちされた良識を携えた庶民が残されていることを信じ、彼らに向かって正当な論理を発言し続けること以外に、沈黙の螺旋を逆に回す術はない(P.104)
「ゆうこさん」を探すために、私たちがしなくてはいけないことは情報を発信すること。
デジタルとアナログの双方を使った情報発信、つまりWebと生身との両面作戦である。
情報を発信しなければ、(たぶん)日本全国どこにでもいるはずの「ゆうこさん」は、その姿を表わすことすらなく沈黙するしかないのである。
私たち公共建設産業の構成員の一人ひとりが、それぞれの持ち場でそれぞれの「ゆうこさん」を掘り起こす。
そうは言いつつかといって、沈黙の螺旋を逆に回すなどという大それたことを成すには、私はちっぽけな存在に過ぎないし、私(たち)が置かれている情況を考えれば、あまりにも悠長な話しに過ぎるのかもしれない。
だとしても私は、「ゆうこさんを探せ」というメッセージを、送りつづけたいと思う。
それを見聞きして、「このメッセージはオレ(アタシ)に向けて発信された?」と感じた方がいたとしたら、
それは単なる勘違いではなく、自覚という名の勘違いである。
大いに「勘違い」してアクションを起こしてほしい。
そして、あなたの周りの人に、勧めてみてほしい。
キーワードは、「ゆうこさんを探せ」である。
強靭化の思想―「強い国日本」を目指して | |
藤井聡 | |
扶桑社 |
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