答えは現場にあり!技術屋日記

「三方良しの公共事業」をモットーに、辺境の高知のそのまた辺境から、土木技術者のオジさんが泣き笑いの日々を届けます。

上司も育てるCCPM

2014年03月19日 | CCPM

「先ほどの災害復旧の事例では、若い人がそれぞれの現場にいて宮内さんが統括でとおっしゃいましたが、どうも重要な局面では宮内さんが決めているように見受けられます。当然、宮内さんが全部やればそれは上手くやっていけるのでしょうけど、人材育成という観点から見ればそれではいけないのも事実だと思います。そこのところの兼ね合いをどういうふうに行っているか、具体的にお教え願いませんか?」

 

上越遠征の2日目。

「何か質問は?」という主催者さんの問いを受けた、ある土木技術者さんから質問である。

 

「鋭い質問ですね」

とかなんとか言って時間稼ぎをしつつ、おのれの頭のなかを整理しようと試みてはみたものの、

「具体的に」と指定されたにもかかわらず、具体的な例を指し示すことはできず、

「その場に応じて」だとか「その人に応じて」だとか、挙句の果てには「上司って我慢なんですよね」などという、

わかったようなわからないような、もやもやっとした回答しかできなかった私。

さぞかし質問の主さんは、がっかりされたことだろう。

毎度毎度のことなれど、ぶっつけ本番の質疑応答には、からきし弱いオジさんなのである。


あれから数日が経ち、今朝、西谷川畔を犬とともに歩きながらパッとひらめく。


「ああ、こうやって言えばよかったんだわ。。。」

 

そのときの脳内にあるのは今週の現場の流れ。

こんなふうである。

今週稼働するのは5つほどの現場、仮にA、B-1、B-2、C-1、C-2、Dとしておく。

枝番がついているのは工事は違うが隣接している現場と、工事は同じだが工区が分かれている現場、と理解してほしい。

Aは、3月いっぱいで完了させなければいけない部分があるが、全体は繰越し(つまり4月以降も工事ができる)。とりあえず今週についてはメンバーの変動はなし。

B-1は今日明日で作業完了、完成検査は来週。

B-2は、C-2を応援していたメンバーが今日から戻り、最後の作業。これも完成検査は来週。

B-1の次はCを優先、Cでは1より2のほうが優先。

それから・・・・・。

D君にアレを確かめて、C君にはあのことを念押しして、A君には・・・・・

いやいや待てよ、Aにはまだ言うべきじゃないな、混乱させるだけや・・・

あ、そうそう4月以降のあの件とあの件、そろそろ段取りしとかんと。Eさんに話しをしておこうか・・・・・

いやいやまだガマンガマン。優先順位が違う。今週は今ある現場が最優先。

 

とそこで気がついたのである。

答えはCCPMにあった。

優先順位と「つながり」である。

(ちなみにCCPM論的には、「つながり」は因果関係と説明されることが多いのだが、「因果」という言葉が嫌いな私は「つながり」。平仮名で「つながり」である)

優先順位を判断せずに(できずに)無闇やたらとでき得る作業に手をつけて現場を混乱させる。

あるいは作業(もしくは人)の「つながり」を考えずに(無視して)、たとえば出来高(お金)の進捗率で判断して作業を現場にリリースする。

現場にとってこれがもっともいけないことである。

一見すると ア → イ → ウ という流れが、それぞれの「つながり」をよく見直すと イ → ア → ウ であったり、

ところがそれはそれとして、そのときの優先順位をマルチプロジェクトのトータルで判断すると、別の考えかたもOKだったり。

常に「つながり」のなかで考え、「つながり」で判断し、優先順位で行動する。

単なる工程管理ツールのように思われがちなCCPMだが(建設業では特にそう思われていると思う)、そういう基本的なものの考え方こそが大切なのだと私は思う。

それまで経験的感覚的に行ってきたその行為に、ロジカルシンキングという実をふりかけてやることで、自分自身の暗黙知が身体のなかで形式知に変化する。

そう考えると、CCPMを使って人材育成をするということは、ベテラン技術者の頭のなかを「見える化」し、「見える化」したその段取り(工程)を共有していく繰り返しから、技術を伝承していく

というのとは別に、CCPMを運用することで培った思考方法や手法を、上司が部下に相対して使っていくという、

いわば「上司育成ツール」としての側面もあるのではないか。

少なくとも私は、意図していたかどうかは別にして、そうやって育てられてきたのではないか。

と、そう気づいたのである。

 

上司育成ツールとしてのCCPM。

新説やら珍説やら定かではないが、おかげさまで、おのれのやってきたことを違う目線で見ることができたような気がする。

人材育成とは、何も若手のみを育てることにあらず、伸びしろさえあれば、いささかトウがたった私のようなオジさんでもOK。

齢(よわい)五十を目前にした年にCCPMと出会って以降、CCPMに育てられた「上司」たる私が言うのだから(たぶん)間違いない。

と、それを気づかせてくれた雪国のあの技術屋さんの真摯な質問に感謝しつつ、こう心に誓う朝。

 

「よし、次はちゃんと答えるぞ~ (^^)v」


 (次はないかもしれないが。。。。ネ ^^;)

 

 

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