皆様こんばんは。
本日のテーマは石の形です。
昨日は形の悪い手が沢山出て来ましたが、基本的には、プロは石の形を大事にして打っています。
碁は交代に1手ずつ打つゲームですから、1手打つ度に1手分のポイントを挙げて行かなければいけません。
しかし、形の悪い手を打つと0.5手分になったり、酷い時には0、つまりパスと同じ事になってしまいます。
最悪のケースでは、パスより悪くなる、マイナスという事も・・・。
そうならないよう、美しい形、効率の良い形を作っていきたいですね。
ちなみに美しい形と効率の良い形は、重なる部分もありますが、大きな違いがあります。
そのあたりは、また別の機会にお話しします。
本日は、幽玄の間で中継されたプロの碁をお手本に、石の形を学びましょう。
1図(テーマ図1)
山田規三生九段(黒)と伊藤庸二九段の対局です。
白1と切られましたが、黒どうしますか?
2図(失敗図)
問題形式にしたので、こちらが失敗だとお気付きになった方は多いでしょう。
しかし、実戦ではこういう所を繋いでしまう方が、圧倒的に多いのです。
まず、黒石の形は空き三角と陣傘が混じったような、歪んだ形をしています。
そして何より問題なのは、白Aの逃げ出しが残り、黒3子が不安になっている事です。
黒△がAにあれば良いのですが、1路ずれたこの図では、1手の価値がありません。
後に黒Aと守るような事になってしまうと最悪で、丸々1手損となります。
3図(正解図①)
実戦は黒1と当て返しました。
これが正解です。
ノータイムで黒△を助けてしまう方が多いのですが、プロはノータイムで黒1と打ちます。
正しい石の形が身に付いているからです。
4図(正解図②)
黒1子を取られましたが、黒4まで何事もありません。
黒石の姿が、スリムになったように感じませんか?
一方、白の形は団子になっています。
自分の形は良く、相手の形は悪くするのが理想的なのです。
石の形が良いという事は、活躍する石が多いという事です。
すると戦いで有利になったり、地が多くなったりします。
「碁の本質」は石の強弱ですが、石の形もまた非常に重要なのです。
5図(テーマ図2)
とはいえテーマ図1では、失敗の手を打ってどう悪くなるのか、具体的には見えにくいと思います。
そこで、分かりやすいテーマもご用意しました。
工藤紀夫九段(黒)と風間隼二段の対局です。
白△と打った場面です。
白Aや白Bを見られて黒が苦しそうですが、思い切った手で打開したい所です。
6図(失敗図)
黒1、3と脱出する事はできますが、白2がピンとした形の、素晴らしい伸び切りです。
白4と、黒3子をすっきり取っては白良しです。 ※AとBが見合い
7図(正解①)
実戦は黒1のハネ!
これが正解で、白に好形を与えません。
Aの傷が気になりますが・・・。
8図(変化図)
白1から黒2子は取られますが、黒2、4でぴったり中央が止まります。
黒6と、中央の白を分断しては、明らかに黒が攻勢に立ちました。
「ポン抜き30目」といっても、端に籠っているので全く役に立ちません。
9図(正解②)
中央を止められてはいけません。
白1から進出して行ったのは、必然です。
しかし、6図の伸び切りと違い、白の形が丸まったように見えませんか?
10図(正解③)
黒4までの分かれとなりました。
中央の黒は取られましたが、左下の黒が非常に強くなり、地も大きくなりました。
白の形が悪くなったため、中央に沢山手がかかりました。
5図に比べ、地も殆ど増えていません。
その間に、黒は左下に沢山打てたという訳です。
非常に重要ながら、分かり難いのが石の形です。
まずは理屈よりも、良い形を沢山見る事が大切ですね。
本日のテーマは石の形です。
昨日は形の悪い手が沢山出て来ましたが、基本的には、プロは石の形を大事にして打っています。
碁は交代に1手ずつ打つゲームですから、1手打つ度に1手分のポイントを挙げて行かなければいけません。
しかし、形の悪い手を打つと0.5手分になったり、酷い時には0、つまりパスと同じ事になってしまいます。
最悪のケースでは、パスより悪くなる、マイナスという事も・・・。
そうならないよう、美しい形、効率の良い形を作っていきたいですね。
ちなみに美しい形と効率の良い形は、重なる部分もありますが、大きな違いがあります。
そのあたりは、また別の機会にお話しします。
本日は、幽玄の間で中継されたプロの碁をお手本に、石の形を学びましょう。
1図(テーマ図1)
山田規三生九段(黒)と伊藤庸二九段の対局です。
白1と切られましたが、黒どうしますか?
2図(失敗図)
問題形式にしたので、こちらが失敗だとお気付きになった方は多いでしょう。
しかし、実戦ではこういう所を繋いでしまう方が、圧倒的に多いのです。
まず、黒石の形は空き三角と陣傘が混じったような、歪んだ形をしています。
そして何より問題なのは、白Aの逃げ出しが残り、黒3子が不安になっている事です。
黒△がAにあれば良いのですが、1路ずれたこの図では、1手の価値がありません。
後に黒Aと守るような事になってしまうと最悪で、丸々1手損となります。
3図(正解図①)
実戦は黒1と当て返しました。
これが正解です。
ノータイムで黒△を助けてしまう方が多いのですが、プロはノータイムで黒1と打ちます。
正しい石の形が身に付いているからです。
4図(正解図②)
黒1子を取られましたが、黒4まで何事もありません。
黒石の姿が、スリムになったように感じませんか?
一方、白の形は団子になっています。
自分の形は良く、相手の形は悪くするのが理想的なのです。
石の形が良いという事は、活躍する石が多いという事です。
すると戦いで有利になったり、地が多くなったりします。
「碁の本質」は石の強弱ですが、石の形もまた非常に重要なのです。
5図(テーマ図2)
とはいえテーマ図1では、失敗の手を打ってどう悪くなるのか、具体的には見えにくいと思います。
そこで、分かりやすいテーマもご用意しました。
工藤紀夫九段(黒)と風間隼二段の対局です。
白△と打った場面です。
白Aや白Bを見られて黒が苦しそうですが、思い切った手で打開したい所です。
6図(失敗図)
黒1、3と脱出する事はできますが、白2がピンとした形の、素晴らしい伸び切りです。
白4と、黒3子をすっきり取っては白良しです。 ※AとBが見合い
7図(正解①)
実戦は黒1のハネ!
これが正解で、白に好形を与えません。
Aの傷が気になりますが・・・。
8図(変化図)
白1から黒2子は取られますが、黒2、4でぴったり中央が止まります。
黒6と、中央の白を分断しては、明らかに黒が攻勢に立ちました。
「ポン抜き30目」といっても、端に籠っているので全く役に立ちません。
9図(正解②)
中央を止められてはいけません。
白1から進出して行ったのは、必然です。
しかし、6図の伸び切りと違い、白の形が丸まったように見えませんか?
10図(正解③)
黒4までの分かれとなりました。
中央の黒は取られましたが、左下の黒が非常に強くなり、地も大きくなりました。
白の形が悪くなったため、中央に沢山手がかかりました。
5図に比べ、地も殆ど増えていません。
その間に、黒は左下に沢山打てたという訳です。
非常に重要ながら、分かり難いのが石の形です。
まずは理屈よりも、良い形を沢山見る事が大切ですね。