白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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Master対棋士 第16局&封じ手予想

2017年02月15日 23時59分59秒 | Master対棋士シリーズ(完結)
皆様こんばんは。
本日、第41期棋聖戦(読売新聞社)第4局が始まりました。
1日目から難解な戦いに突入し、驚いています。

封じ手予想は、F-5(幽玄の間座標)タケフです。
石の形からすれば、これしかないと言った所です。
他の手が打たれたらビックリですね。

さて、本日はMasterの棋譜を紹介します。
今回登場するのは連笑七段、中国でトップ10以内には入っているであろう棋士です。



1図(テーマ図)
連笑七段が黒△と打った場面です。
前例のある布石で、弱体化した白△をどう扱うかがポイントです。





2図(変化図)
3子を直接動くなら、白1でしょう。
一例として黒8までの進行が考えられます。
似たような実戦例もあったと思いますが・・・。





3図(実戦)
実戦は白1と、中央の要所を押しました。
黒2と打たれて3子が苦しそうですが、場合によっては捨てるつもりでしょう。
そして放った手は、白3のツケ!

黒Aと打たれたらどうするのかと思いますが、上手い事捌く図があるのでしょうね。
しかし、私にははっきり白良しと思える図は見えませんでした。
恐らく判断力の違いでしょう。





4図(実戦)
実戦は白の技を警戒して黒1と伸びましたが、白2と押して堂々の動き出しに成功しています。
白6、8と、2目の頭を両方ハネる事になっては、白が好調に見えます。





5図(実戦)
黒3も絶好のハネで、中央を制圧しながら白△にプレッシャーをかけています。
しかし、ここで右辺を逃げず白4とは柔軟です。
隅の黒は生きており、中央も黒3を打って強くなりました。
そこにへばりついた白△は、もはやカス石という訳です。





6図(実戦)
白4まで、上辺の白がしっかり安定しました。
黒5で右辺を取られますが、白6、8などを利かして外側で得ができます。
全体的に見ると黒石が右上に偏っており、白十分の分かれとなりました。

この後白Aに対して黒が対応を誤ったようで、形勢は一気に傾きました。
世界トップクラスと言えども、早碁では大きなミスも出ます。
本局は連笑七段としては不出来な碁となってしまいましたが、直後に再挑戦しています。
棋士は負けず嫌いなのです。
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