白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
ブログ移転しました→https://note.com/shiraishi_igo

大西竜平対AQ

2018年02月24日 21時30分03秒 | AI囲碁全般
皆様こんばんは。
幽玄の間での棋士とのスパーリングで、AQは予想以上の強さを見せています。
現在63勝5敗・・・。
その5敗のうちの3敗は、実は1人の棋士に喫しています。
その名は大西竜平三段です。
彼はDeepZenGOとも数多く打っており、AIのことはよく知っているのでしょうね。
本日は大西三段とAQの対局をご紹介しましょう。



1図(テーマ図)
AQの黒番です。
白△と打ち、AとBが見合いになっています。
黒×か〇のどちらかが取られることは必至です。

いかにも黒が困っていそうなので、普通ならこうならないために違う進行を選ぶでしょう。
しかし、AQの判断は違ったようで・・・。





2図(実戦)
黒1、3!
×印が全て断点という、八方破れ戦法です!
しかし、白も全ての断点を衝くことはできず、意外に打ち方が難しい・・・。





3図(実戦)
黒△までと進みました。
こうしてみると、意外と黒も形になっています。
右辺一帯の黒模様が深いですね。
この打ち回し、いかにもAIらしいと感じました。





4図(実戦)
悪い意味でAIらしかったのがこの場面です。
黒△は弱点を守った手ですが、この手ではAでも守れており、そちらの方が数段勝ります。

アマチュア有段者レベルでもこういう手はあまり打たないはずで、時々こういうミスが出るところがAIの実力評価を難しくしています。
結局は、勝率が一番の基準になるのでしょうね。
コメント
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