白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
ブログ移転しました→https://note.com/shiraishi_igo

3線と4線

2018年02月09日 23時28分40秒 | 著書
皆様こんばんは。
明日は永代塾囲碁サロンにて講座と指導碁を行います。
今回の講座では午後1時から1時間ほど、LG杯第3局の解説を行います。
級位者の方にも分かり易い内容になると思います。
ご都合の合う方はぜひお越しください。
なお、指導碁では対局後に棋譜をお渡ししています。

さて、本日は著書「やさしく語る 布石の原則」について頂いたご質問に解答します。
1つ目は・・・。



1図(3線か4線か)
「173ページの問題図では黒25が△の位置に開いているが、177ページではAになっている。
どちらが実戦の進行なのか?」


申し訳ありません、間違えました・・・。
正しい実戦進行は黒△です。

また、もう1つご質問を頂きました。
それは、「黒△とAはどちらが勝るのか?」というものです。
うーん、良いご質問ですね。





2図(4線のメリット)
黒△の4線の開きのメリットとして、中央に対する影響力が強く、進出速度も速いということが挙げられます。
本局で言えば、白1とボウシされても、黒4、6などの反撃が狙えますね。





3図(4線のデメリット)
4線のデメリットとしては、足元の守りが弱いということです。
本局では白1と滑られると、簡単に根拠を奪われてしまいますね。





4図(3線のメリット)
その点、黒1の3線は足元の守りが強固です。
白2なら黒3と止めておいて、ある程度の根拠が確保できますね。





5図(3線のデメリット)
しかし、3線には上からの圧迫に弱いというデメリットがあります。
本局なら白1のボウシが有力な攻め方となるでしょう。
黒7からの反撃は、2図と比べると黒がだいぶ苦しそうです。


結局、3線と4線のどちらが勝るかは、第1章にも書いてある通りケースバイケースとしか言いようがありません。
石を守る際でもそれは同じです。
上下どちらからの攻めを避けたいかによって決めて頂くと良いでしょう。

ちなみに、本局では4線の開きが正解だと思います。
中央への影響力を重視したい局面に見えるからです。
コメント
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