白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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AlphaGo Lee対Zero 第18局

2018年01月17日 21時35分50秒 | AI囲碁全般
皆様こんばんは。
明日から、いよいよ棋聖戦挑戦手合七番勝負が始まりますね!
井山裕太棋聖に挑戦するのは一力遼八段です。

既に何度もタイトル戦で戦った両者ですが、全て持ち時間3時間の碁でした。
3時間は多くのアマの皆様には長く感じられるでしょうが、手所を全て読み切って打つには到底足りない時間です。
ですから、読み切れなくても気合でエイッと勝負に出るような場面も多く見られました。
その結果、戦いに終始するような内容が多かったと思います。

しかし、今シリーズは持ち時間8時間です。
手の見える両者なら、相当深い部分まで読んで打つことができるでしょう。
じっくりした展開も多く見られるのではないでしょうか。
楽しみですね。

なお、私は明日有楽町囲碁センターにて指導碁を行います。
皆様のお越しをお待ちしております。


さて、本日はAlphaGoLee対Zeroシリーズです。



1図(テーマ図)
黒△一団が弱そうですが、周囲の白も弱いため、急に攻めようとしても上手くいきません。
そこで、まず白1、3と下辺白の足元を固めた場面です。
黒は分断されないよう、AやBと受ける形とされていますが・・・。





2図(実戦)
Zeroは手抜きで黒1とハネました!
白2から黒△を切り離されてしまいましたが、構わず黒7と仕掛けていきます。
これに対して白Aと受けていれば無事ですが、白△を取り込まれることになり、中央黒への攻めが狙えなくなるでしょう。
そこで実戦は・・・。





3図(実戦)
白1と助けて頑張りました。
しかし、黒2の手筋以下、流れるように進んで黒10の切りまで・・・。
なんだか白の姿がおかしなことになってきました。





4図(実戦)
黒6までと進みました。
下辺白は突き破られ、右辺白5子も弱くなっています。
白は散々な結果になりました。


2図黒1ハネが、攻防を兼ねた絶好点でした。
こういう手が打てると気持ち良いですね。