白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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天台山農商銀行杯2日目

2017年05月11日 22時22分33秒 | 囲碁界ニュース等
皆様こんばんは。
私のツイッターアカウントのフォロワーが1000人を超えました。
ありがとうございます!
最近はあまり投稿に時間を取れませんが、のんびりと続けて行きたいと思います。

さて、木曜日は日本棋院棋士の手合日です。
幽玄の間では多くの対局が中継されましたので、ぜひご覧ください。

また、それとは別に国際棋戦の中継も行われています。
本日は天台山農商銀行杯の2日目、日本チーム対韓国チームの対戦がありました。
いずれも劣らぬ熱戦でしたが、特に謝依旻六段藤沢里菜三段の対局は、勝つチャンスが十分にあったと思います。
しかし、残念ながら結果は全敗となってしまいました。
本日は藤沢三段と崔精七段の対局をご紹介しましょう。



1図(テーマ図)
崔七段の黒番です。
黒△と打った場面です。
じっくりとした展開になるかと思いましたが・・・。





2図(実戦白34~白50)
白1~白17まで、思い切った構想!
白△を捨て石に外勢を築き、上辺一帯を大きく構えました。
下辺の黒地など目じゃないと言っています。
藤沢三段らしい、碁盤を大きく使った構想ですね。

最近、ツイッターで木部夏生二段が視覚的に分かりやすい解説を試みているので、少し真似してみました(笑)。





3図(実戦黒51~白54)
このまま上辺が白地になってはいけないので、黒1と突入する一手です。
これを迎え撃って、攻めで大きなポイントを挙げよう、というのが藤沢三段の作戦でした。





4図(変化図)
その後白1と黒の急所を衝いた場面です。
黒2と素直につながれば、白5までの進行が想定されます。
黒は全く眼の無い姿で、いかにも苦しそうです。





5図(実戦黒65~黒67)
そこで、黒1、3のツケ切りで捌きに出ました。
一方的に攻められるようではいけないので、白にも弱点を作ろうということですね。
石を捌く時には非常に重要な考え方です。

この後ギリギリの戦いが続きましたが、ひょっとしたら藤沢三段に決め所があったかもしれません。
結果的には僅かに及びませんでした。
明日の台湾戦では全員の勝利を期待しましょう。