白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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宿題解答

2016年05月15日 23時59分59秒 | 問題集
皆様こんばんは。
本日は前回の続きをやっていきます。




白△と来られたらどうなるか?という問題でした。




黒1と打てば左下の白が危なくなります。
しかし白は左上の黒を取りに来ます。
ここで黒の対応はAかBですが・・・




黒1は白2で死んでしまいます。
黒3と渡りを止めても、左辺の白は生きています。




よって黒1とコウに受けるよりありません。
白2のコウ取りに黒3のコウ立てを打って取り返し・・・




白1以下かなりコウ立てが利いて、黒は全部受けきれるかどうか。
何しろ大石の命がかかっています。
黒2のコウ解消なら無難ですが、白3で左下が再び白地になります。
その代わりに黒が左上の白を取れるかと言えば、AとBが見合いになっていて生きています。
これでは失敗です。




最初に黒2と生きるのも白に響きません。
白3となって得たものが無く、失敗です。








まず黒1で白の受け方を見るのが正解です!
次に黒Aがあるのは前回示した通りで、白は手を抜くわけにはいきません。




白1なら黒2に回り、白3にはコウにせず黒4と繋いで生きています。
ハネ一本の効果により、白Aに打つことができません。




前図のダメヅマリを防いで白1にも、やはり黒2に回ります。
そして白3には、今度は黒4とコウに受けます。
黒6などのそばコウを使って・・・




黒2とコウを取り返し、白3には構わず黒4と解消します。
前に出た図と似ているようですが、大きく違うのは黒△によって渡りが止まっている事です。
黒6で左上白を取ることができます。




ちなみに、最初に黒1と打って白2の時に黒3を打つ手順でも正解です。
この手順は編集途中に気付きました


如何だったでしょうか。
少々ややこしいお話になりましたが、今回お伝えしたかったのは「様子見」とはどういうものかという事です。
プロが良く使うテクニックであり、解説でも時々目にされるかと思います。
意味がわかりにくいという方が多いですが、原理は単純。
後出しジャンケンです(笑)
今回の1線をハネる手などはまさにそれで、相手の手を先に出させておいてこちらの手を決めようという事です。
プロの対局への理解に役立てば幸いです。