先日のやしろ歴史民俗研究会で、参加者の加東市観光ボランティアの方から30年前の新聞記事のコピーをいただきました。加東市田中の薬師堂の桜と故堀内和男先生の記事でした。堀内先生はやしろ歴民研の会長でもあられました。
そこにあったのは、「幻の山桜」でした。薬師堂の境内に植わっていた山桜は、自然にできる数百年に一度できる希少種の枝垂れ山桜で、安土桃山時代の京の都を描いた屏風絵などに描かれている超珍しい桜だとのこと(兵庫教育大学の山田卓三教授)で、今では京都では見られないものとの記事でした。古木なので、種を採取して2世づくりに取り組むとも書いてありました。
ちょうど、田圃の作業をしておられた同地区の古老から、お話を伺うことができました。珍しい枝垂れ山桜なので、樹医さんを招いて希少種を残そうと接ぎ木をされたそうで、20本ほど苗木を育てたうち、今は一本が育っているとのことでした。
先週土曜日にはまだ蕾がありましたが、今日はほぼ満開で、白い大きな花が垂れた枝いっぱいについて風に揺られていました。花びらの真ん中あたりに薄い紅色がついており、何ともかれんな美しさでした。
この木があと10年、20年、30年と育って見事な枝垂れの花を風に揺らせてくれる風景が楽しみです。