25日(日)、「東条川疏水の日」シンポジウムが兵庫教育大学(加東市下久米)の子午線ホールで行われ、東条川疏水ネットワーク博物館の関係者や地元の教育関係者らが参加しました。
「東条川疏水の日」は昭和26年11月23日に完成した鴨川ダムを記念して制定されたものですが、今年は25日にシンポジウムが行われました。
冒頭に東条川疏水の映像が紹介されたあと、主催者、来賓の挨拶があり、休憩のあと、3人の講演が行われました。まず、兵庫教育大学大学院の南埜猛教授が「2020から始まる新しい教育と東条川疏水での取組み」と題して、新学習指導要領で示された新しい学習を地域資源である東条川疏水を題材にして学習することができる、とこれまでの実践をまとめた研究誌を紹介しながら話されました。
続いて、東条湖おもちゃ王国の橋本匡史総支配人が「東条川疏水を子どもたちの創造力が育まれるフィールドに」の題で、おもちゃ王国における就学前の子どもたちを対象とした遊び、体験をもとにした取り組みを紹介しながら、東条川疏水の大切さを広めていきたいと話されました。
続いて、神戸大学副学長でネットワーク博物館会議の内田一徳名誉会長が「東条川疏水ネットワークのこれまでとこれから」と題して、東条川疏水ネットワーク博物館のスタートからこれまでの取り組み、今後の方向性について、加古川流域全体を視野においた、持続可能な地域づくりの取り組みについて国の地方創生の取り組みを紹介しながら話されました。
東条川疏水が全国疏水百選に選ばれたのが平成18年、その後、北播磨県民局が東条川疏水ネットワーク博物館構想を進め、博物館会議が立ち上がり、道標やため池表示板の設置、疏水流域の歴史や文化の聞き取り、小学生を対象とした疏水施設の見学や出前授業、先生の研修など地道な取り組みが重ねられてきました。貴重な地域の宝の価値をさらに掘り下げ、広め、次の世代にしっかりとつなげていくこの疏水ネットワーク博物館の活動がさらに充実していくことが私達の世代の仕事だという思いを強くしました。