今、わが国は、世界一の長寿国になっています。65歳以上の高齢者人口は総人口の約29%になっています。平成6年(1994)には半分の14%の割合でしたから約30年経って2倍になったわけです。
手許にある平成6年度の兵庫教育大学附属中学校の第1学年の学年通信「嬉野」をめくってみると、10月29日付第25号に、「人間と環境」科の学習の様子が特集してありました。
「人間と環境」科は、当時、附属中学校が研究開発に取り組んでいた新しい総合学習の教科の名称です。そのテーマの一つに「身近なお年寄り」を取り上げ、「介護」について学び、体験する学習が組まれました。
兵庫県社保健所の協力を得て、高齢者理解の話や地域の公的サービスについて話を聴き、その後、家でできる介護の疑似体験をしました。寝たきりのお年寄りに粥を食べさせる、寝たきりで寝まきを寝たままで取り替えるなどの体験を役割を替えながら体験しました。
今後、さらに高齢化が進み、2025年には「団塊の世代」が75歳以上になります。社会科の授業で、今は若い人が3,4人で1人の高齢者を支えているが、君たちが大人になって中枢になる頃には、2人で、もっと言えば1人で1人を支える時代がやってくる、と話していました。
「人間と環境」科の学習は、社会科や理科などの教科の枠を超えた課題を探究的な学びをするというものでした。総合的な学習の時間の学習のモデルになったものですが、新教科としてさらに内容を充実させていれば、どんなテーマの学習をしているでしょうね。