ふるさと加東の歴史再発見

少し気をつけて周囲を見回してみると、身近なところにふるさとの歴史を伝えるものがある。

明治26年発行の尋常小学校生徒用修身書巻四からー仁徳天皇の「民のかまど」の話

2021年09月30日 05時16分52秒 | Weblog
 

 先日、仁徳天皇陵の調査が行われると新聞に報じられていました。仁徳陵はじめ古墳群「百舌鳥・古市古墳群」は、世界遺産にも登録されています。古墳公園の施設でVRで空中から見て、その巨大さに改めて驚きました。
 さて、仁徳天皇といえば、「民のかまど」の話が有名ですが、今ではTV番組「そこまで言って委員会」で竹田恒泰氏がよく出される話です。その話が明治26年発行の尋常小学校生徒用修身書巻四の第十六課「皇恩」に出ています。

第十六課  皇恩
世世の天皇は、いずれも仁恵ふかくまししが、殊にすぐれて、民を愛したまひしは、仁徳天皇にぞありける。
天皇の御世に、凶年うちつづきしことあり。あるとき天皇、民のかまどより立ちのぼる烟りのまれなるを御らんじて、其の貧しきを知(しろ)しめし、供御(ぐぶ)費えをはぶきて、租税公役をゆるしたまへり。かくて三年をすごしけるほどに、民のかまどより、烟りも盛んに立ちのぼりければ、「朕已に富めり、」とて、悦ばせたまひたり。

 学生時代に民を「おおみたから」と読むと知りました。国民のことを「宝」と大切に思う心が表れています。3年も無税にして質素な生活を過ごされ、宮殿も衣装も修理が必要な状態になっているなか、民の家から烟が立ち上っている光景をご覧になって「朕已に富めり」と満足された仁徳天皇のお話です。日本の国柄をよく表している逸話です。
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明治26年発行の修身教科書(巻二)よりー第十課「博愛」

2021年09月29日 05時34分08秒 | Weblog

 市内の旧家に保管されていた明治時代の修身教科書を紹介していますが、時折り手に取って読んでいると、実際に使用されたものだけに当時の子供達はどう読み、先生はどう指導したのかなどと想像してしまいます。徳目を具体的な逸話などで端的に示していること、行動を促している点で心に残ります。
 今日は巻二の「博愛」を紹介します。

第十課 博愛
何事も、人の上を思ひはかりて、我が身ひとつを利す、べからず。ただ我も人も、ともによきやうにと心がくべし。
山形屋荘兵衛は、近所より火事のおこりしとき、直ちに外に出でて、「火事ありとく水をくみおけよ、」とよびて、町内をふれまはり、しかるのち、己れの家をかたづけたり。

 こうした行動は、災害など被災者が自分より先にもっと弱い立場の人を優先した例や、避難を呼びかけ、救助活動で犠牲になった消防団員ら多くの人々の行動にも通じます。津波から村民を避難させるために自分の田の稲むらに火をつけて高台へと誘導した濱口梧陵の話にも通じます。こうした緊急の場合だけではなく、日常生活において「我も人も共に良きやうに」との心がけで行うことが大事だとあらてめて思うところです。
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今年のクルミもほぼ終わりました

2021年09月28日 04時35分42秒 | Weblog
 

 今年のクルミはほぼ終わりました。50個にはいかなかったので、去年に比べると少なく寂しい感じでした。柿の生りも少なく、実り豊かな秋を満喫とはいきません。今にも落ちてきそうなクルミを見上げながら、しみじみと秋を思う夕方でした。
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明治26年発行の尋常小学校生徒用修身書巻二からー第十七課「報恩」

2021年09月27日 04時53分10秒 | Weblog
 

 今日も明治26年発行の尋常小学校生徒用修身書巻二から第十七課「報恩」を紹介します。「恩に報いる」ことの大切さを教えています。昔から、この反対を「恩知らず」といって恥ずかしいこととしてきました。また、「鶴の恩返し」は誰でも知っている話でした。小さい子供に人として忘れてはならない大切なことをしっかり教えていたのです。

第十七課 報恩
おんをうけては、わするべからず。

挿絵 川で溺れそうになっている子供を犬が助けているところ
解説 いぬ、しゅじんをたすく。

 端的でわかりやすい構成です。子供には難しい話ではなく、飼い犬が主人である子供の帯を口にくわえて助けようとしている場面で教えています。忠犬ハチ公はまだ世に出ていませんが、犬は主人に忠実で、その主人の危難に遭遇しては、自身の安全を顧みることなく立ち向かいます。そうした話はよくあります。
 
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明治26年発行の尋常小学校生徒用修身書巻二からー第二十課「國法」

2021年09月26日 05時23分00秒 | Weblog


 昨日、修身書の「公益」を紹介しました。午後、庭の草引きをしようとして、ふと思い出したのが、「公益」の挿絵でした。道を繕う少年の挿絵です。そうだった、まず家の横の路地の草引きからやろう、と。きっと修身で学んだ子供達もそうした経験を積んでいったのではないでしょうか。
 今日は、最後に出てくる「二十課」「國法」を紹介します。

二十課 「國法」
 くに の おきて を まもる べし
挿絵 「このいけのうをとるべからず」の立て札の側で、「よしを、おきて を みて、うを をつらず。」の説明書きと釣り竿を持ち、池をおよぐ魚を見ている少年の姿が描かれています。

 「國法」を「くにのおきて」とし、身近な事例を挙げて、決まりを守ることの大切さを教えています。この挿絵場面を見て,思い出したのが、この夏、バーベキューをしてはならないという立て札を無視して、バーベキューをし、後始末もせずに立ち去る者が多くいたというテレビ報道でした。修身書で学んでいれば、この「よしお」君の姿が浮かんだかもしれません。
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明治26年発行の尋常小学校生徒用修身書巻二からー第十四課「公益」

2021年09月25日 05時26分27秒 | Weblog
 

 昨日に続いて、明治26年発行の尋常小学校生徒用修身書巻二からー第十四課「公益」を紹介します。
 さて、「公益」とは、「私」の利益ではなく、「他の人々」の利益、「世間一般」の利益といった意味です。これを尋常小学校2年生で教えたのですね。見開きで、挿絵と文で構成されています。

ひとのためをはかり、よのえきをはかるべし

挿絵は、店の前の道に土を入れて修繕する少年の姿が描かれており、「にさぶらう、みちをつくらふ」と説明が書かれています。昔はアスファルト鋪装などされていなかったので、でこぼこになったり、水が溜まったり、風が吹くと埃が舞ったりしました。
 道路はみんなが使うものであり、それを直すことは、自分のためではなく、みんなのためになり、世の中の利益になる行いです。「公益」の意味と行為をこうした身近な事例を通して教えています。
 幕末に日本を訪れた外国人が「日本は貧しいが清潔だ。各家の前を掃いて清めているからだ」と書いている例が少なくありません。
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明治26年発行の尋常小学校生徒用修身書巻二からー第九課「廉直」

2021年09月24日 05時44分18秒 | Weblog
 

 東京オリンピックで、競技場を間違えたジャマイカの選手に大会スタッフがタクシー代金を貸して競技場へと向かわせ、その選手が金メダルをとったことが話題になりました。日本では財布の落とし物が戻ってくる確率が非常に高いことも知られています。
 今日紹介するのは、明治26年発行の尋常小学校生徒用修身書巻二からー第九課「廉直」です。「廉直」とは行いが正しいことです。

第九課 廉直
心正直にして いさぎよき人は、みだりにものをとることなし。
あるはたごやの女、たびびとの、わすれおきたるかねつつみをみいだし、たいせつにおさめおきて、そのぬしにかへせり。
廉士(レンシ:シヤウジキノヒト)は、みだりにとらず。

 日本を旅した外国人が宿に財布などを置きっぱなしにしたことを心配していたが、部屋に戻ると部屋はきれいに片付けられ、財布はそのままに置いてあったことに感動した話もあります。こうした日本人の正直、人の物を盗ることはしてはいけないことを小さい頃から教えていたのですね。
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千鳥川の井堰のカワウ

2021年09月23日 05時31分27秒 | Weblog
 

 19日(土)の昼前、加東市木梨から家原へと千鳥川沿いの道(左岸)を車で走っていると、小学生の頃、夏休みの地区水泳をしていた井堰の辺り、今は改修されて新しい井堰になっていますが、その堰のコンクリート製の支柱に一羽のカワウが止まっていました。体は黒く光り、嘴が黄色で、その先が少し曲がっています。
 カワウといえば、コロニーをつくり、魚を根こそぎ食べてしまうし、糞の害もあって、駆除が課題になっています。川の浅瀬の石の上に止まって魚を狙う姿はよく見かけます。
 この堰の上流は垂れ桜で知られる桜堤があり、カモなどの水鳥が泳ぐ姿をよく見ます。この日は天気もよく、しばらくカワウの姿を眺めながら、小さい頃のことを思い出していました。
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雲間の中秋の満月と木星と4つの衛星が見えました

2021年09月22日 05時00分59秒 | Weblog
 

 21日(火)は中秋の名月と満月が8年ぶりに一致するということで、楽しみにしていました。
 午後7時頃、東の空低く、たなびく雲の端が光っていました。今か,今かと月が顔を出すその時を待っていました。その間に、南東の空に明るくまたたく星が見えました。先日も見た木星だと思い、デジタルカメラでズームしてみると、なんと星の右側に一列に並んだ小さな光が見えました。3つと少し離れて1つ。これが衛星か、と興奮しました。目では見えませんが、160倍のズーム画面ではちゃんと見えました。
 雲間から明るい、まん丸い月が顔をのぞかせました。上や下や、薄い雲が横切っていきます。犬の散歩中の近所の人も「いいお月さんですね」と一緒に見ることができました。涼しい風が吹き、いい夜でした。
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クルミが割れて、落ちてきました

2021年09月21日 04時16分20秒 | Weblog
 

 先週末頃から、庭のクルミの木に生っていた実が割れて、地面に落ち始めました。隣の駐車場のアスファルトの地面にもころがっていました。
 見上げると、実の下の部分からパカッと割れて、まだその中にクルミがついているのが見えます。木の下をよく見ると、落ち葉の下などにたくさんころがっていました。あっというまに10数個拾いました。拾い集めているとなんだか嬉しくなるのは縄文人由来のDNAでしょうか。
 今年は例年より少し遅いような気もします。
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彼岸花と山田錦ー加東市藤田の木梨神社参道入口で 

2021年09月20日 06時08分11秒 | Weblog
 

 19日(日)、お彼岸の墓参りをしてから、彼岸花を見に近くの田まで足を伸ばしました。加東市藤田地区の県道から木梨神社(こなし)神社への参道へ入るところに毎年きれいな彼岸花が咲きます。今年も明るい秋の日差しを受けて鮮やかな赤の彼岸花が咲いていました。
 藤田地区は人気の高い日本酒「獺祭」の幟が立つ酒米の王様山田錦の特A産地です。山口県の旭酒造と村米契約を結び、品質の高い山田錦を育てています。
 木梨神社は古い由緒をもつ神社で、八十枉津日神(やそまがつひのかみ)がお祀りしてあります。創建は崇神天皇の御代と伝えられ、多田満仲の築造した多田大池、大蛇伝説など、看板に書かれた由緒や伝説を読んでしまいます。
 稲はまだ青く、垂れた穂もこれから少しずつ色づいていくことでしょう。
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空に月と木星がくっきり

2021年09月19日 05時49分34秒 | Weblog
 

 18日(土)、朝には台風の雨も風も過ぎていました。そして、日中は青空が広がり夏のような暑さが戻ってきました。夜には涼しい風も吹き、空も晴れて、南の空に満月に近づいた月が輝いていました。
 庭から秋の虫の音が聞こえ、空にはお月さん。もうすぐ中秋の名月で、満月になります。午後8時30分頃、月の上の近くで光る星が目立っていました。木星か、と思いました。デジタルカメラでズームしてみると、小さな光の点が近くに見え、木星の衛星ではと思いましたがデジタルカメラの限界で分かりません。時折り、月の前をうすい雲が流れていきました。
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明治26年発行の尋常小学校生徒用修身書(巻二)からー第十一課「勉学」

2021年09月18日 06時05分10秒 | Weblog

 昨日に続いて、明治26年発行の尋常小学校生徒用修身書の巻二からー第十一課「勉学」を紹介します。修身書には、孝行、友愛などの徳目について逸話などを通して教えるようになっていますが、「学び」についてもその大切さが説かれています。

十一課
ひまををしみて、がくもんをつとむべし

短い言葉ですが、強く伝わってきます。見開きの挿絵は、吹雪の中を師のもとへと通う子供の姿が描かれ、次のように説明書きがあります。
「たいざん ゆき を おそれず、せんせい の もと へ かよふ」
 明治の子供たちは、「自分もこのようにありたい」と学問の大切さや意志を学んだのでしょう。

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明治26年発行の尋常小学校生徒用修身書(巻二)からー第十三課「攝養」

2021年09月17日 04時02分27秒 | Weblog
 

 今日は、明治26年発行の尋常小学校生徒用修身書巻二からー第十三課「摂養」を紹介します。「巻二」は2年生用だと思いますが、第十課までは、挿絵のみが掲載されており、十一課から見開きで、絵とひらがなの短い文が書かれています。
 第十三課は、「攝養」すなわち体、健康に注意するという意味です。まず、左の頁には、
 「のみくひをつつしみて、からだをすこやかにすべし。」
とあります。右の頁には、頁を半分に分かって、それぞれ上下2つの姿を描いています。
 右側には、「よしざう、やうじやうをおこたる」と解説が書かれ、上段には、なにやら菓子を食べているよしぞうの姿、下段には、寝込んでいる姿が描かれています。
 一方、左側は「けんざう やうじやうをつとむ」と解説があり、上段にダンベルのようなものを持って鍛えているけんぞうの姿、下段には、机に向かって勉強している姿が描かれています。
 菓子などをむさぼり食べているようでは、病気となり、体を鍛えていれば、勉強もしっかりできる、ということでしょう。単純明快です。明治時代も現代も同じなんですね。今なら、これにスマホやゲームのやり過ぎが入るのでしょうか。
 
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空にかかった月がきれいだった

2021年09月16日 05時32分05秒 | Weblog
 

 15日(水)の夜、空を見上げると、南の空に半月が輝いていました。きれいな秋の月です。台風に備えてすだれを撤去したので、空がよく見えるようになりました。
 調べてみると、昨日が半月で、今日は少し膨らんでいます。今月21日(火)が満月、中秋の名月のようです。「観月の夕べ」などの行事が行われていましたが、このコロナ禍でそうした行事も行われず、忘れてしまいそうです。
 小さい頃、裏のお兄ちゃんが手作りの望遠鏡で月面を見せてくれた時の感動、アポロ11号の月面着陸に胸躍らせたのは高校1年生だったか。今ではデジカメのズームでクレーターもくっきり見えます。
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