語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【南雲つぐみ】コスモス ~「マザー牧場」や「ひたちなか海浜公園」~

2017年10月31日 | 医療・保健・福祉・介護
 日照時間が短くなると花芽を作る「短日植物」のコスモス。寒い地方から咲き始め、10~11月に見頃を迎える。
 東北各地や長野県軽井沢などの高原地帯では、早いところでは8月下旬から、日当たりと風通しのよい道路脇や休耕地などで咲き始める。温暖な千葉県や茨城県では10月あたりが見頃で、千葉県の「マザー牧場」や江戸川の河川敷、茨城県の「ひたちなか海浜公園」では広大な敷地がさまざまな種類のコスモスで埋め尽くされる。
 品種改良で、真夏から秋にかけて咲く早生の種類が増えた。近畿地方、四国、九州など西日本にあるコスモス園では、7~8月に見頃となるところが多いようだ。
 コスモスはキク科で、原産はメキシコ。明治時代、日本に初めて持ち込まれたのは、一重咲きだったという。現在では八重咲きや、舌状花(ぜつじょうか)という花びらの先にギザギザの入ったものなど、多品種が栽培されている。色もピンクや白のほか、濃い赤や黄、オレンジ、チョコレート色、紫、黒のコスモスも登場している。

□南雲つぐみ(医学ライター)「コスモス ~歳々元気~」(「日本海新聞」 2017年9月22日)を引用
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【佐藤優】カネとの付き合い方の秘訣、野外で生きる雑種ネコの魅力、前科者に冷たい日本社会

2017年10月31日 | ●佐藤優
 ①本田晃一『はしゃぎながら夢をかなえる世界一簡単な法』(SBクリエイティブ 1,400円)
 ②沖昌之『必死すぎるネコ』(辰巳出版 1,200円)
 ③廣末登『ヤクザと介護』(角川新書 820円)

 (1)①は、カネとの付き合い方の秘訣を記した優れた自己啓発書だ。本田氏は、次のように指摘する。
 <お金を手に入れるのにものすごくストレスたっぷりだったり、人をだましたり、自分を苦しめたりしていると、そのお金はマイナスのエネルギーだらけでまっ黒になります。
 肥だめみたいなもんですね。こんなのを抱えているのは嫌ですよね。だからある程度貯まると、耐えられなくなって、「流してしまえ」ということになります>
 ロシアマフィアも浪費だけでなく教会への高額な献金を行う者がいたが、マイナスのエネルギーがたまった汚いカネを洗い流したかったのだ。

 ②は、野外で生きる雑種ネコの魅力を見事に表現した写真集だ。
 <そんなネコたちの必死すぎる姿に立ちあいたいと思って/ぼくは毎日カメラを持ちつづけ、まっすぐ家路につかずにうろうろ徘徊をしています。
 早朝や深夜もねこの時間に合わせてふらふらと歩き回って、偶然にも出会えた瞬間を逃さないようにとシャッターをきります>
 この沖氏の気持ちが、写真から伝わってくる。ネコを愛する全ての人に薦める。

 ③を読むと、前科のある人に、日本の社会がとても冷たいことが分かる。服役して暴力団を辞めた人が覚せい剤の密売人になる事例が多いことについて、廣末氏はこう説明する。
 <暴力団を辞めた人が覚せい剤をシノギにすることには、何の不都合もありません。さらに言うと、彼らが未成年や婦女子に覚せい剤を販売しても、何の咎めも受けません。余談ですが、刑務所における作業報奨金の額は前時代的な金額ですから、出所後に健康で文化的な生活を送れるようなチャンスは僅かながらも存在しないのです(資産がある人は別ですが)。
 そうであれば、一番手っ取り早いシノギは覚せい剤(シャブ)の密売であるということは、その世界で生きてきた人にとって常識のようなものです。シャブを右から左に流すだけで、一か月もせずに100万円は稼げます。現代の社会において、覚せい剤をはじめとする薬物のニーズは相当数存在するから、市場は身近にいくらでもあるのです>
 佐藤優も鈴木宗男事件に連座して東京地方検察庁特別捜査部に逮捕され、東京拘置所に512日間勾留された。最高裁判所で有罪が確定したが、執行猶予が付いていたので刑務所で服役することはなかった。しかし、実刑になる可能性も十分あった。ここに書かれる元暴力団員たちと同じような状況に佐藤自身がなっていたとしてもおかしくなかった。

□佐藤優「前科者に冷たい日本社会 ~知を磨く読書 第221回~」(「週刊ダイヤモンド」2017年11月4日号)
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 【参考】
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【佐藤優】地図から浮かぶ歴史のリアル、平成不況は金融政策のミス、実証的データに基づく貧困対策
【佐藤優】ケータイによる日本語の乱れ、翻訳の技術、ロシア人の内在的論理
【佐藤優】武蔵中高の教育、ルター宗教改革の根幹、獣医師にもっと競争原理を導入
【佐藤優】社会に活力をもたらす政策、具体的生活の上に立つ民族国家、開発至上主義が破壊する永久凍土の生態系
【佐藤優】日本のフリーメイソン陰謀論、ユニークな働き方改革、自衛隊元陸将によるリーダーシップ論
【佐藤優】ハプスブルク帝国史の「もし」、最新の進化論、神童の軌跡
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