語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【南雲つぐみ】ファイトケミカル ~8月31日は「野菜の日」~

2017年08月31日 | 医療・保健・福祉・介護
 8月31日は「野菜の日」。8(や)3(さ)1(い)の語呂合わせで、全国青果物商業協働組合連合会などが1983(昭和58)年に制定した。
 ビタミンやミネラル、食物繊維など、古くからよく知られた野菜の栄養素以外に、最近話題になるのは「ファイト(フィト)ケミカル」だ。ファイト(フィト)とはギリシャ語で「植物」の意味で、野菜や果物のみずみずしい色や香り、味のもとになっている成分を指す。もともとは、植物が自分の身を守り成長するために皮や種、根に蓄えるもので、細胞の酸化を防ぐ抗酸化作用が強いという。
 大きく分類するとポリフェノール系、カロテノイド系、イオウ化合物系などに分かれ、緑茶の渋味成分であるカテキン、トマトやスイカの赤い色素成分リコピン、ブルーベリーやナスなどの青い色素成分アントシアニン、タマネギやニンニクの辛み成分である硫化アリルなども、その一種だ。
 ファイトケミカルは、植物の細胞と細胞膜の中にあり、ほとんどは熱に強いので、生の野菜や果物よりも、調理したもののほうが摂取しやすいといわれている。

□南雲つぐみ(医学ライター)「ファイトケミカル ~歳々元気~」(「日本海新聞」 2017年8月31日)を引用
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【社会】孤立不安抱える50代会社員、社会とのつながりを ~ベストセラー『定年後』~

2017年08月31日 | 社会
 (1)定年退職後に、社会とどう接点を持ち日々を過ごしていくべきか。

 (2)大手の企業の、50代の社員向け「ライフプラン研修」は、多くが個人生活のリスク管理に集中している。年金など定年後の資産管理、体調面の管理、配偶者との良好な関係、趣味を持つことなど。
 大事なことだが、定年前の人たちが潜在的に抱えている不安は、お金などの話よりも、むしろ社会とのつながり、人とのつながり、自分の居場所があるか、といいったことの方が実は大きい。
 研修を受ける側の50代の社員も、その不安をはっきりと認識できていない。だから、この分野の研修は、企業でもまだ少数派だ。

 (3)特に「滅私奉公」で、自分の個性を殺すように仕事をしてきた人は、要注意だ。個人の力量をアピールするより、組織の一員としてどう動くかを長年会社から求められてきたのに、急に会社というタガが外れるわけだ。
 突然、自分の思うように主体的で悠々自適な生活を、と言われても、何をしてよいか分からないという人は多いのではないか。
 個性や主体性は、会社という組織の中にいて、自分以外の他人が常に周りにいるから成立していたのだ。退職して独りぼっちになると、個性も主体性も意味を持たなくなり、途端に何もできなくなってしまう。
 名刺がなくなることの怖さもある。自分は一体何者なのか、ということを突き付けられるのだから。

 (4)定年前後に、会社以外で自分の居場所、社会とのつながりが見つけられた人たちの話では、自分の病気について語る人が多い。家族の問題や会社のリストラ、合併などが契機になっている人も多い。挫折や不遇の体験がないと、長い会社員生活の枠組みから脱出するのが難しいという現実もある。
 楠木新氏自身も、40代後半のとき、体調を崩して会社を長期休職した。それが、執筆活動を始める一つのきっかけになった。
 当時は、開業や投資セミナーなどにいくつも参加したが、目立った特技もない自分がすぐに取り組めることはなく、いかに会社にぶら下がっていたかを痛感させられた。

 (5)楠木氏は、50歳前後の社員に対する研修の際、小さいころに好きだったことや、こだわりを持っていたものを振り返ってもらうようにしている。子どものころの自分と、今の自分がつながると、それが一つの物語になる。これがある人は安定しているし、新しい働き方を見い出しやすい。おそらく自分の根っこ、本質みたいなものが見えてくるからだろう。

 (6)定年後、社会的に孤立しないためにも、在職中から不安を抱えたままにしないで、自分はどうあるべきかをじっくり考えてもらいたい。そして何か気になることがあれば、とにかく行動してみることだ。
 次のステップに行くには、右往左往や試行錯誤が不可欠だ。三日坊主になっても三日分は成長できる。また、会社の仲間がいる在職中に動きだすことだ。定年退職後に独りぼっちになってからでは、時間も労力もより多くかかる。

□インタビュー:楠木新(『定年後』(中公新書)著者) 「孤立不安抱える50代会社員 社会とのつながり見出そう」(「週刊ダイヤモンド」2017年9月2日号)の「【Part 2】生涯現役! セカンドライフ 最強の方程式」
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 【参考】
【社会】65歳までの雇用措置義務が骨抜き ~中小で広がるブラック再雇用~
【社会】55歳で降格、出向、転籍/収入減「10年縛り」の過酷 ~役職定年の地獄~
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【社会】65歳までの雇用措置義務が骨抜き ~中小で広がるブラック再雇用~

2017年08月30日 | 社会
 「週刊ダイヤモンド」9月2日号の特集1は、「定年後の歩き方 お金・仕事・人脈」。その「【Part 2】生涯現役! セカンドライフ 最強の方程式」のコラムは次のようにいう。

 <社員に過重な労働と不当な賃金を強いる「ブラック企業」。働き方改革が叫ばれる中で、労働基準監督署は目の色を変えたように、目下是正に乗り出しているが、その網が及びにくい“空白地帯”がある。それが、定年後の再雇用だ。
 国は「高年齢者雇用安定法」によって、定年の引き上げや廃止をはじめ、65歳までの雇用確保措置の導入を企業に義務付けている。
 一方で、雇用の形態については使用者側に配慮するかたちで柔軟性を持たせており、パートタイマーとして再雇用しても、問題ない仕組みになっている。
 そのため、一部の中小企業では「ブラック再雇用」ともいうべき実態が広がり始めている。どういうことか。それは、再雇用でパートタイムの雇用契約に切り替えた上で、社会保険に加入できないように週3日の勤務などにして、労働時間を20時間未満に抑えてしまうのだ。
 となると、当然ながら企業が保険料を折半で負担してくれる厚生年金や健康保険には加入できず、相対的に保険料が割高になる国民年金と国民健康保険に入るしかない。
 さらに、雇用保険に引き続き加入していれば、再雇用で賃金が75%未満に下がっても、一部を補填する「高年齢雇用継続給付」が受けられるが、未加入の場合はそれも給付されない。
 週40時間働いていたときに比べると、収入が半分以下に減る上、国の補填措置も受けられないという「地獄」が待ち受けているわけだ。制度の趣旨をはき違えた企業のブラックな再雇用の現実に対し、国は今後どう対処していくのだろうか。>

□Column「65歳までの雇用措置義務も/中小で広がるブラック再雇用」(「週刊ダイヤモンド」2017年9月2日号)を引用
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 【参考】
【社会】55歳で降格、出向、転籍/収入減「10年縛り」の過酷 ~役職定年の地獄~

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【朝日俳壇抄】蟻地獄あなたの帰り待つてます ~8月28日~

2017年08月29日 | 詩歌
【凡例】☆印は共選作。①、②以下丸文字は一席、二席等。

<大串章選>
 ①シャガールの恋人達や天の川 (大分県日出町)松鷹久子
 ⑥写真の裏父の遺筆や終戦日 (益田市)井下みね子
 ⑦巨船めく病院の灯や夏終る (伊勢崎市)小暮駿一郎
 ⑧昼寝にも初心達人ありにけり (川西市)上村敏夫
 【評】第一句。ロシアで生まれフランスに永住したシャガール。「天の川」が幻想的な絵を想(おも)わせる。(後略)

<稲畑汀子選>
 ③幽谷の一瀑のこし暮れにけり(西宮市)黒田國義
 ⑦あつけなく逝きたる母や髪洗ふ (徳島県松茂町)奥村里
 ⑧雲海に孤高の山の姿あり (川西市)日塔脩
 ⑨引き返す道消えて無き出水かな (旭川市)大塚信太
 【評】(前略)三句目。深山幽谷の水音だけが暮れた闇に残っている詩情。

<金子兜太選>
 ①蟻地獄あなたの帰り待つてます (長岡市)内山秀隆
 ③考へる人の片手の渋団扇(うちわ)(神戸市)高橋寛
 ⑤風といふ大敵来たる竿灯(かんとう)祭(多摩市)吉野佳一
 【評】内山さん。真っ黒なジョークは軽みの真骨頂。むしろ爽やか。(中略)高橋さん。団扇は動いているのか、止まっているのか。(後略)

<長谷川櫂選>
 ②野球部と書かれし西瓜(すいか)合宿所 (神戸市)藤井啓子
 ③老いといふ泉に耳を澄しけり (三郷市)岡崎正宏
 ⑥無花果(いちじく)の畑又消え全部消ゆ (福岡市)藤掛博子
 ⑨億年の一と日八月十五日 (みよし市)稲垣長
 【評】(前略)二席。練習が終わったら全員でかぶりつくのだ。三席。泉のたとえが新鮮。老いが果して泉であるか、地獄になるか、その人次第。

□「朝日俳壇」(朝日新聞 2017年8月28日)
朝日俳壇
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 【参考】
【朝日俳壇抄】八月や骨で還れの骨さへも ~8月21日~
【朝日俳壇抄】戦争の滴り落つる日本かな ~8月14日~
【朝日俳壇抄】渾渾と泉湧きくる日野原忌 ~8月7日~
【朝日俳壇抄】天の川鳴門の渦に流れ入る ~7月31日~
【朝日俳壇抄】ヒアリ来る地球はますます炎えてくる ~7月24日~
【朝日俳壇抄】為政者の驕り露見や青嵐 ~7月10日~
【朝日俳壇抄】叩かれて叩かれてなほ油虫 ~7月3日~
【朝日俳壇抄】政権も徒党に堕すや走り梅雨 ~6月26日~
【朝日俳壇抄】妻はヨガ吾は吟行風薫る ~6月19日~
【朝日俳壇抄】あの人も人間失格桜桃忌 ~6月5日~
【朝日俳壇抄】地響きに滝の重さのありにけり ~5月29日~
【朝日俳壇抄】聖五月人には青の時代あり ~5月22日~
【朝日俳壇抄】戦後よりまた戦前へ四月馬鹿 ~5月15日~
【朝日俳壇抄】空爆の次は花見のニュースかな ~5月7日~
【朝日俳壇抄】鞦韆は蹴るべし愛は返すべし ~5月1日~
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【社会】55歳で降格、出向、転籍/収入減「10年縛り」の過酷 ~役職定年の地獄~

2017年08月29日 | 社会
 「週刊ダイヤモンド」9月2日号の特集1は、「定年後の歩き方 お金・仕事・人脈」。その「Part 1】役職定年の天国と地獄/55歳で降格、出向、転籍」は次のようにいう。

 (1)大手企業の約半数が導入・運用している役職定年(管理職定年)は、社員たちにとって想像以上に過酷だ。
 ある部長代理(48歳)は、今春会社が実施した「キャリアプラン研修(たそがれ研修)」を受け、その後は、人事部と定期的に面談しながら、グループ会社への出向を軸にして処遇が決まっていく。
 役職定年をめぐるこうした光景は、中小企業よりも大手でよく見受けられるのはなぜか。60歳よりもはるか手前の段階で、役職定年を迫るのはなぜか。
 それは、これまでの日本型の雇用システム(終身雇用、年功賃金)が、国際競争力の低下や景気循環の大きな波にのみ込まれ、「機能不全」を起こしてしまったからだ。
 日本の人口ピラミッドと、ある大手企業の社員数の構成図(人口ピラミッド)を比較すると、形状が全く異なっている。企業の構成図は変形したスペードのような、極めていびつな構成になっている。
 最少の年に比べて、バブル世代は少なくとも社員数が3~4倍に上っており、この世代が今まさに50歳前後で管理職の中心になっている。
  (a)そのため、特に40代前半の社員が割を食っており、1980年代後半に6割近かった管理職比率は、3割台にまで下がってしまっている。
  (b)さらに、バブル世代の社員数が多過ぎるため、ポストが極端に不足しており、新設では間に合わず、役職定年によってグループ会社に出したり、また一部は実質的に降格させたりして、何とか帳尻を合わせている。

 (2)(1)の状況はあと数年は続くと目される。企業によってはこれから本格化するところもある。
 「週刊ダイヤモンド」誌は、各業界の主要企業を対象に役職定年の実態調査を実施した。その集計結果から、サラリーマンにとって過酷な現実が透けて見えてくる。
  (a)役職定年を制度や慣行として実施している企業の割合は、48%でほぼ半分だった。
  (b)基準となる年齢では、55歳が最多の46%を占めている。57~59歳が25%、52歳が13%で続いている。
  (c)役職定年後の賃金水準は、21~30%減が最多の26%だった。2割前後賃金が減ってしまうのが、主要企業における実態らしい。
  (d)現在50歳前後の人が、年金を受け取れるのは65歳から。役職定年で多くの企業が55歳を基準にしているとなると、向こう10年間は収入減少に耐える必要がある。社員にとっては、かなり厳しい現実だ。
  (e)本来は60歳定年にもかかわらず、会社都合で処遇を変えている側面があるため、役職定年前に収入が減少する分を、一時金として数年分渡すという配慮をしている企業もある。ただ、そうした厚遇を受けられるのはやはり一部。実態調査でも、75%が補填措置はないと回答している。
  (f)さらに、グループ会社や取引先などに出向・転籍する際の対応を見ると、実に46%が出向・転籍に対して紹介やあっせんをしていないと回答している。要するに、「自分で探せ」ということだ。個別に呼ばれ、再就職支援会社のパンフレットをポンと上司に渡されて、「しっかり考えておけよ」とだけ言われる企業さえある。

 (3)早期退職を明確に迫られたり、「追い出し部屋」へ配置転換されたりするわけではない。
 ただ、一定の年齢になると、先輩社員たちは皆そうしてきたんだ、というプレッシャーを感じざるを得ない。
 入社以来、会社にどっぷりと漬かり、社外での「居場所」を探していなかった人たちは、新天地を見つけるまでに相当苦労するだろう。
 一方、会社が仲介してグループ会社に出向したり、親密な取引先に転籍できても、その後が安泰なわけではない。
 行った先で、本社からの天下りだと言われ、ろくな仕事を与えてもらえなかったり、外様扱いされてやたら距離を置かれたりということはザラにある。【大手金融機関のOB】
 ただでさえ収入減少に苦しんでいるときに、仕事でも追い打ちをかけられるわけだ。
 出世できなくなるだけならまだしも、定年よりはるか前に、実質的に平社員に戻るような現実とどう向き合っていくか。
 役職定年はサラリーマンに対し、仕事に対する価値観、向き合い方を根本的に変えよ、と迫っている。

□記事「55歳で降格、出向、転籍/収入減「10年縛り」の過酷」(「週刊ダイヤモンド」2017年9月2日号)
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【佐藤優】知識を本当に身に付けるには、テロ戦争におけるドローンの重要な役割、帰宅恐怖症

2017年08月28日 | ●佐藤優
 ①キャシー・ハーシュ=パセック、ロバータ・ミシュニック・ゴリンコフ(今井むつみ、市川力・訳)『科学が教える、子育て成功への道』(扶桑社 1,800円)
 ②マーク・マゼッティ(小谷賢・監訳、池田美紀・訳)『CIAの秘密戦争』(ハヤカワ文庫 1,100円)
 ③小林美智子『帰宅恐怖症』(文春新書 780円)

 (1)①は、子どもの教育について関心を持つ人にとっての必読書だ。次のような指摘がある。
 <デジタル技術は一人ひとりに合うような学び方、いわば学習のカスタマイズという恩恵をもたらした。例えば中学生や高校生は、夫々自分の強みと弱みが考慮され、個別にプログラムされたオンラインレッスンによって数学を学ぶことができる。ではこれらのデジタル機器の台頭によって他の人と共に学ぶ必要性がなくなったのだろうか。もちろんそんなことはない。オンラインによる学びの意義は大いにあるとしてもそれは学びの入口に過ぎない。ただ知識を吸収するだけでなく批判的に身につけてゆくには他の人と議論することが必要である。学んだことは真実か、どの状況に適応でき、どんな限界があるのかを考え、学び続けるために他の人とリアルに関わって学ぶ社会教育メディアを作らなければならない>
 知識をほんとうに身に付けるためには他者との議論が不可欠である。

 (2)②を読むとドローン(無人攻撃機)が対テロ戦争で重要な役割を占めていることが分かる。
 <ホワイトハウス当局は、パキスタンにおけるCIAの標的殺害の成果に感銘を受け、アンワル・アウラキを狩る業務をペンタゴンからCIAに移管した。九月三〇日、アメリカのドローン部隊がサウジアラビアにある基地を飛び立ち、国境を越えてイエメンに入り、ジャウフ県を走行する車列の一団を追跡しはじめた。(中略)目撃者の話によると、男たちは車から降りて朝食をとっていたときにドローンに気づき、車内に駆け込んだ。しかしドローンはすでに標的に狙いを定めており、その後は滅びの交響曲が粛々と奏でられた。二機のプレデターが車にレーザーを当て、ミサイル攻撃の精度を上げる戦術がとられた。そのうえでリーパーから発射されたミサイルが直撃弾となった。一行はみな殺害された>
 50年後には有人兵器はほとんど使われなくなるかもしれない。

 (3)③では、
 <「帰宅恐怖症」は、特別なことではなく、実はごく普通の生活のなかでのほんの些細なことから始まります。
 カウンセリングに来る男性相談者の多くは、日々の小さな小さな積み重ねから、妻に対する恐怖心が芽生えてしまい、妻が普通に接しても、ついつい身構えてしまうような状況に陥っています>
とする。読者の中で、大した仕事もないのに会社や役所で深夜まで残ってしまう人は帰宅恐怖症を疑ってみる必要がある。

□佐藤優「知識を本当に身に付けるには ~知を磨く読書 第212回~」(「週刊ダイヤモンド」2017年9月2日号)
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 【参考】
【佐藤優】北朝鮮との緊張の高まりに対して必要な姿勢、時間管理と量子力学、時間がかかるのは損
【佐藤優】川喜田二郎『発想法』 ~総合的思考と英国経験論哲学~
【佐藤優】日本の思想状況の貧しさ、頑丈にできている戦闘機、東方正教会に関する概説書
【佐藤優】資本主義の根底にある「勤勉さ」という美徳の淵源 ~『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』~
【佐藤優】手ごわいフェイクニュース、国を動かす政治エリートの意志、欧州内部における紛争
【佐藤優】×奥野長衛『JAに何ができるのか』
【佐藤優】『戦争論』をビジネスに活かす、現実社会の悪と闘う、ロシア人の意識と使命感
【佐藤優】面白い数学啓発書、日本人の思考の鋳型、攻める農業への転換
【佐藤優】総合的思考と英国経験論哲学(2) ~川喜田二郎『発想法』~
【佐藤優】総合的思考と英国経験論哲学 ~川喜田二郎『発想法』~
【佐藤優】保守論客が見た明治憲法、軍事産業にシフトしていく電機メーカー、安全と安心を強化する過程に入り込む犯罪者
【佐藤優】就活におけるネット社会の落とし穴、裁判官の資質、象徴天皇制と生前退位問題
【佐藤優】痛みを無視しない、前大戦で「前線」と「銃後」の区別がなくなった、情報を扱う仕事の最大の武器
【佐藤優】海上権力を維持するために必要な要素 ~イギリスの興亡の歴史を通して~
【佐藤優】女性の貧困を追跡したノンフィクション、師弟関係こそ教育の神髄、イランは国際基準から逸脱した国
【佐藤優】2000年の時を経て今なお変わらないインテリジェンスの「真髄」 ~孫子~
【佐藤優】財政から読みとく日本社会、ラジオの魅力、高校レベルの基礎の大切さ
【佐藤優】嫌韓本と一線を画す韓国ルポ、セカンドパートナーの実態、日本人の死生観
【佐藤優】人間にとって「影」とは何か ~シャミッソー『影をなくした男』~
【佐藤優】文部省の歴史と現状、経済実務家のロシア情勢分析、中国の対日観
【佐藤優】学習効果が上がる「入門書」、応用地政学で見る日本、権力による輿論のコントロールを脱構築
【佐藤優】大川周明『復興亜細亜の諸問題』 ~イスラーム世界のルール~
【佐藤優】女性と話すのが怖くなる本、ネット情報から真実をつかみ取る技法、ソ連とロシアに共通する民族問題
【佐藤優】ヨーロッパ宗教改革の本質、相手にわかるように説明するトレーニング、ロシア・エリートの欧米観
【佐藤優】なぜ神父は独身で牧師は結婚できるのか? 500周年の「革命」を知る ~マルティン・ルター『キリスト者の自由』~
【佐藤優】政界汚職を描いた古典 ~石川達三『金環蝕』~
【佐藤優】生きた経済の教科書、バチカンというインテリジェンス機関、正しかった「型」の教育
【佐藤優】誰かを袋だたきにしたい欲望、正統派の書評家・武田鉄矢、追い込まれつつある正社員
【佐藤優】発達障害とどう向き合うか、アドルノ哲学の知的刺激、インターネットと「情報犯罪」
【佐藤優】後醍醐天皇の力の源 「異形の輩」とは--日本の暗部を突く思考
【佐藤優】実用的な会話術、ユーラシア地域の通史、宇宙ロケットを生んだ珍妙な思想
【佐藤優】キブ・アンド・テイクが成功の秘訣、キリスト教文化圏の悪と悪魔、理系・文系の区別を捨てよ
【佐藤優】企業インテリジェンス小説 ~梶山季之『黒の試走車』~
【佐藤優】中東複合危機、金正恩の行動を読み解く鍵、「型破り」は「型」を踏まえて
【佐藤優】後世に名を残す村上春樹新作、気象災害対策の基本書、神学の処世術的応用
【佐藤優】地学の魅力、自分の頭で徹底的に考える、高等教育と短期の利潤追求
【佐藤優】日本人の特徴的な行動 ~日本礼賛ではない『ジャパン・アズ・ナンバーワン』~
【佐藤優】知を扱う基本的技法、ソ連人はあまり読まなかった『資本論』、自由に耐えるたくましさ
【佐藤優】後知恵上手が出世する? ~ビジネスに役立つ「哲学の巨人」読解法~
【佐藤優】トランプ政権の安保政策、「生きた言葉」という虚妄、キリスト教の開祖パウロ
【佐藤優】「暴君」のような上司のホンネとは? ~メロスのビジネス心理学~
【佐藤優】物まね芸人とスパイの共通点、新版太平記の完成、対戦型AIの原理
【佐藤優】トランプ側近が考える「恐怖のシナリオ」 ~日本も敵になる?~
【佐藤優】弱まる日本社会の知力、実践的ディベート術、受けるより与えるほうが幸い
【佐藤優】トランプの「会話力」を知る ~ワシントンポスト取材班『トランプ』~
【佐藤優】「不可能の可能性」に挑む、言語の果たす役割の大きさ、NYタイムズ紙コラムニストの人生論
【佐藤優】人生は実家の収入ですべて決まる? ~「下流」を脱する方法~
【佐藤優】ソ連崩壊後の労働者福祉軽視、現代も強い力を持つ観念論、孤独死予備軍と宗教
【佐藤優】米国のキリスト教的価値観、サイバー戦争論、日本会議
【佐藤優】『失敗の本質』/日本型組織の長所と短所
【佐藤優】世界を知る「最重要書物」 ~クラウゼヴィッツ『戦争論』~
【佐藤優】現代ロシアに関する教科書、ネコ問題はヒト問題、トランプ氏の顧問が見る中国
【佐藤優】日本には「物語の復権」が必要である ~反知性主義批判~
【佐藤優】サイコパス、新訳で甦る千年前の魂、長寿化に伴うライフスタイルの変化
【佐藤優】イラクの地政学、誠実なヒューマニスト、全ての人が受益者となる社会の構築
【佐藤優】外交に決定的に重要なタイミング、他人の気持ちになって考える力、科学と職人芸が融合した食品
【佐藤優】『ゼロからわかるキリスト教』の著者インタビュー ~「神」を論じる不可能に挑む~
【佐藤優】組織の非情さが骨身に沁みる ~新田次郎『八甲田山死の彷徨』~
【佐藤優】プーチン政権の本質、2017年の論点、ロシアと欧州
【佐藤優】国際人になるための教科書、ストレスが人間を強くする、日本に易姓革命はない
【佐藤優】ロシアでも愛された知識人の必読書 ~安部公房『砂の女』~
【佐藤優】トランプ当選予言の根拠、猫の絵本の哲学、人間関係で認知症を予防
【佐藤優】モンロー主義とトランプ次期大統領、官僚は二流の社会学者、プロのスパイの手口
【佐藤優】トランプを包括的に扱う好著、現代日本外交史、独自の民間外交
【佐藤優】デモや抗議活動のサブカルチャー化、グローバル化に対する反発を日露が共有、グローバル化に対する反発が国家機能を強化
【佐藤優】国際社会で日本が生き抜く条件、ルネサンスを準備したもの、理系情報の伝え方
【佐藤優】人生を豊かにする本、猫も人もカロリー過剰、度外れなロシア的天性
【佐藤優】テロリズム思想の変遷を学ぶ ~沢木耕太郎『テロルの決算』~
【佐藤優】住所格差と人生格差、人材育成で企業復活、教科書レベルの知識が必要
【佐藤優】数学嫌いのための数学入門、西欧的思考にわかりやすい浄土思想解釈、非共産主義的なロシア帝国
【佐藤優】ウラジオストク日本人居留民、辺野古移設反対を掲げる公明党沖縄県本部、偶然歴史に登場した労働力の商品化
【佐藤優】「21世紀の優生学」の危険、闇金ウシジマくんvs.ホリエモン、仔猫の救い方
【佐藤優】大学にも外務省にもいる「サンカク人間」 ~『文学部唯野教授』~
【佐藤優】訳・解説『貧乏物語 現代語訳』の目次
【佐藤優】「イスラム国」をつくった米大統領、強制収容所文学、「空気」による支配を脱構築
【佐藤優】トランプの対外観、米国のインターネット戦略、中国流の華夷秩序
【佐藤優】元モサド長官回想録、舌禍の原因、灘高生との対話
【佐藤優】孤立主義の米国外交、少子化対策における産まない自由、健康食品のウソ・ホント
【佐藤優】アフリカを収奪する中国、二種類の組織者、日本的ナルシシズムの成熟
【佐藤優】キリスト教徒として読む資本論 ~宇野弘蔵『経済原論』~
【佐藤優】未来の選択肢二つ、優れた文章作法の指南書、人間が変化させた生態系
【佐藤優】+宮家邦彦 世界史の大転換/常識が通じない時代の読み方
【佐藤優】人びとの認識を操作する法 ~ゴルバチョフに会いに行く~
【佐藤優】ハイブリッド外交官の仕事術、トランプ現象は大衆の反逆、戦争を選んだ日本人
【佐藤優】ペリー来航で草の根レベルの交流、沖縄差別の横行、美味なソースの秘密
【佐藤優】原油暴落の謎解き、沖縄を代表する詩人、安倍晋三のリアリズム
【佐藤優】18歳からの格差論、大川周明の洞察、米国の影響力低下
【佐藤優】天皇制を作った後醍醐、天皇制と無縁な沖縄 ~網野善彦『異形の王権』~
【佐藤優】新しい帝国主義時代、地図の「四色問題」、ベストセラー候補の研究書
【佐藤優】ねこはすごい、アゼルバイジャン、クンデラの官僚を描く小説
【佐藤優】外交官の論理力、安倍政権と共産党、研究不正が起きるシステム
【佐藤優】遅読家のための読書術、電気の構造、本屋大賞
【佐藤優】外山滋比古/思考の整理学
【佐藤優】何が個性で、何が障害か
【佐藤優】大宅壮一ノンフィクション賞選評 ~『原爆供養塔』ほか~
【佐藤優】英才教育という神話
【佐藤優】資本主義の内在的論理
【佐藤優】米国の戦略策定、『資本論』をめぐる知的格闘、格差・貧困問題の起源
【佐藤優】偉くない「私」が一番自由、備中高梁の新島襄、コーヒーの科学
【佐藤優】フードバンク活動、内外情勢分析、正真正銘の「地方創生」
佐藤優】日本の政治エリートと「天佑」、宇宙の生命体、10代が読むべき本
【佐藤優】組織成功の鍵となる人事、ユダヤ人の歴史、リーダーシップ論
【佐藤優】第三次世界大戦の可能性、現代東欧文学、世界連鎖暴落
【佐藤優】司馬遼太郎の語られざる本音、深層対話、米政府による暗殺
【佐藤優】著名神学者のもう一つの顔 ~パウル・ティリヒ~
【佐藤優】総理が靖国参拝する理由、NPO活動の哲学やノウハウ、テロ対策の必読書
【佐藤優】今後、起こりうる財政破綻 ~対応策を学ぶ~
【佐藤優】社会の価値観、退行する社会
【佐藤優】夫婦の微妙な関係、安倍政権の内在的論理、警察捜査の正体
【佐藤優】情緒ではなく合理と実証で ~社会の再構築~
【佐藤優】中曽根康弘、21世紀の資本主義分析、北樺太の石油開発
【佐藤優】日本人の思考の鋳型、死刑問題、キリスト教と政治
【佐藤優】中国株式市場の怪しさ、イノベーションの障害、ホラー映画の心理学
【佐藤優】普天間基地移設問題の本質、外務省犯罪黒書、老後に快走!
【佐藤優】シリア難民が日本へ ~ハナ・アーレント『全体主義の起源』~
 
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【南雲つぐみ】シカ肉の栄養 ~高タンパク、低カロリー、ミネラル豊富~

2017年08月27日 | 医療・保健・福祉・介護
 日頃食べている食品成分の基礎データを収録している「日本食品標準成分表」(文部科学省科学技術・学術審議会資源調査分科会)は、2015年に5年ぶりの改訂(第7訂)が行われた。収載食品数は1,878食品から2,191食品になり、成分項目も増加した。刺し身、天ぷらという食品形態での栄養成分値をはじめ、時代を反映して発芽玄米、低脂肪、無脂肪の無糖ヨーグルト、アマニ油、エゴマ油、青汁などもデータ掲載されている。
 肉類としてはニホンジカが加わった。全国各地でニホンジカによる農作物への被害が深刻化し、毎年平均で3万頭以上の捕獲を続ける必要があるとされているが、その商品化に向けての機能性が評価されている。
 ニホンジカはブタやウシに比べて高タンパク、低カロリーで、鉄分などのミネラルも多い。また、脂質は酸化しにくい多価不飽和脂肪酸の比率が高くなっている。食品成分表の記載にはないが、エネルギー代謝を活発にさせるカルニチンを多く含むという研究もあるそうだ。

□南雲つぐみ(医学ライター)「シカ肉の栄養 ~歳々元気~」(「日本海新聞」 2017年8月4日)を引用
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【本】東芝が危機に陥った原因は「サラリーマン全体主義」 ~『東芝 原子力敗戦』~

2017年08月27日 | 震災・原発事故
★大西康之『東芝 原子力敗戦』(文芸春秋、2017/1,728円) 
 
 我々が知りたいのは、東芝の決算をめぐる泥仕合や半導体事業売却の混迷ではなく、なぜこの会社が原発ビジネスの泥沼に引きずり込まれたかだ。本書はまさにこの点に、正面から迫る。
 当初、東芝の問題とは粉飾決算のことだとされ、歴代三社長による「チャレンジ」なる用語が一世を風靡した。ところがこれは、米国原子炉メーカーのウェスチングハウス社(WH)の経営危機を隠すための、巧妙な陽動作戦だった。
 実は国際的には、すでに原発は儲からないビジネスとなっていた。原発安全規制が強まり、そのコストが嵩(かさ)む一方、シェールガスや再生可能エネルギーの価格低下が起き、原発は競争力を失った。WHは、米国企業も英国企業も手を焼いて手放した代物だった。それを東芝は、三菱重工と競って高値づかみしたのだ。
 なぜ、そんな会社を東芝は子会社にする必要があったのか。東芝を、国策としての原発輸出に引き込んだのは、経済産業省だった。WH買収は、日本の原子力産業が海外飛躍する切り札のはずだった。だが、国策は不発に終わり、開けてみればWHは火の車だった。
 著者は、少なくとも二度(2009年と、11年の福島第一原発事故後)、軌道修正のチャンスがあったと強調する。だがそれも、「これは国策だ」の大声にかき消される。東芝が代わりに取り組んだのが、「原発の将来は明るい」との強弁と、損失をなかったことにする会計操作だった。
 著者は、東芝が危機に陥った原因を、「サラリーマン全体主義」に見いだす。「チャレンジ」という名の粉飾指示に、唯々諾々と従った一般社員たち。国策と心中しつつも、その当否判断から逃げる幹部たち。だが、判断を預けられた官僚たちも、惨憺たる結果に責任を取ることはない。
 思考停止、無責任、同調主義、こんな「サラリーマン全体主義」から脱却できるか否かに、東芝再生の未来はかかっている。

□諸富徹(京都大学教授・経済学)「(書評)『東芝 原子力敗戦』 大西康之〈著〉」(朝日新聞デジタル 2017年8月27日)を引用
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【南雲つぐみ】自分の眠りを大切に ~睡眠手帳~

2017年08月27日 | 医療・保健・福祉・介護
 「最近、ふとんに入ってもなかなか寝付けない」というAさん(60)。保健所で行われていた健康教室で相談したところ、「睡眠手帳」をつけるようアドバイスされた。一日のどこでどれぐらい寝ているかを帯グラフにするものだが、2週間ほど記録して分かったのは、一日の睡眠の合計は少なくないということだ。
 しかし、午前中や午後の早い時間帯に、何もせずにうたた寝をしている時間が、思ったよりも多かった。そこで、その時間帯に買い物に出るなどして体を動かすようにし始めたそうだ。
 また、夕食の後にも眠くなる時間帯があるのだが、テーブルをそのままにして寝るわけにはいかない。なんとか起きて家事を済ませ、入浴して寝ようとすると、もう眠気が吹き飛んでいるということを実感した。
 そこで、風呂と食事の時間帯を入れ替えたり、逆に食事の時間を早めにして、心地よい眠りを引き出すための生活リズムを探しているそうだ。必要なときには睡眠導入薬などをを使うことも考えている。

□南雲つぐみ(医学ライター)「自分の眠りを大切に ~歳々元気~」(「日本海新聞」 2017年8月16日)を引用
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【豊洲】小池都知事に翻弄される豊洲の観光施設事業者

2017年08月27日 | 社会
 (1)「小池百合子都知事の『築地は守る、豊洲を生かす』という方針には、全く納得できない」
 こう怒りをあらわにするのは、高橋弘・万葉倶楽部会長だ。万葉倶楽部は、豊洲新市場に計画されている観光施設「千客万来」を担う民間事業者だ。
 万葉は、2016年3月、都が公募した観光施設の事業者に決定した。以降、同社は開業に向けて準備を進めてきた。しかし、豊洲の土壌汚染問題などによって、図らずも設計を一部中止したり、着工を延期してきた。そしてこの6月、小池知事は宣言した。築地を再開発し「食のテーマパーク」にする、と。
 これに対して万葉は猛反発した。
 「築地と豊洲、わずか2キロメートルしか離れていない場所に似たような観光施設を造るなんて、集客はおろかテナント誘致にも大きな影響が出る。そもそも公募時の前提条件と大きく異なることに対する説明が全くない」【高橋会長】
 そして、小池知事に説明、回答を求めた。高橋会長は憤りを隠さない。
 「当初見積もった総投資額180億円から、工事の延期などですでに20億~30億円上振れしている」

 (2)万葉は、北海道から九州まで15の日帰り・宿泊温泉施設を展開している。「日本の素晴らしい食文化と、風呂文化の両方を世界に発信したい」と豊洲開発に手を挙げた。
 高橋眞己・同社専務もまた、「知事は、自分の目で募集要項や選定経緯の資料を読み直してほしい」と訴える。
  (a)千客万来にはそもそも、築地が持つにぎわいを継承・発展させるために、場外市場にある商店の“受け皿”となる意味もあった。
  (b)ただ、単に移転するだけでは採算が取れないため、他の飲食・物販テナントを新規に誘致して、商業棟に集積。さらに24時間営業の日帰り温泉とホテルを設けることで、国内外の観光客と市場関係者の双方にとって魅力ある施設にしようとしていた。
  (c)中でも温泉は、湯河原、熱海および箱根から湯を運び、浴槽違いで三つの温泉を楽しめるというユニークな取り組みをする予定だ。これに伴って、箱根では源泉の追加取得も検討しているほどだ。
  (d)にもかかわらず、「今の小池方針ではうちが施設を造っても、(築地と豊洲のどっちつかずで)テナントが入ってくれないだろう」【眞己専務】。
 万葉が小池知事に求めた詳細説明について、7月末に都の担当者から回答があったが、「とうてい納得できる内容ではなかった」【同】。

 (3)眞己専務は、悔しさをにじませる。
 「開業するにしても、着工の遅れから、東京五輪には間に合いそうもない」
 このまま数カ月間、方針が変わらなければ、同社は事業撤退と都への損害賠償請求に踏み切らざるを得ない、という。
 9月から都議会で定例会が始まる。築地・豊洲問題がどのように進展するのか、都民ならずとも目が離せない。

□柳澤里佳(本誌)「小池都知事に翻弄される豊洲の観光施設事業者の憤り」(「週刊ダイヤモンド」2017年9月2日号)
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 【参考】
【豊洲】は無用の長物では? ~水産物離れの時代、築地を食のテーマパークに~
【豊洲】も滅びる。築地も滅びる。 ~都議選のために持論を曲げた小池知事~
【豊洲】と築地の両立案は頓挫する ~策士策に溺れた小池都知事~
【片山善博】【豊洲】市場問題 ~都議会のなすべきこと~
【豊洲】都庁は伏魔殿 ~小池百合子・都知事の力量~
【豊洲】新市場、解析データで浮かび上がった謎 ~盛り土による地盤沈下にズレ~
【豊洲】は「空洞問題」で終わった ~当事者との合意形成が欠如~
【豊洲】市場では「安全宣言」を出せない ~土壌汚染対策法~
【豊洲】市場移転:宇都宮健児が小池百合子・都知事の決断を分析
【後藤謙次】築地市場の移転延期の決断が小池都知事の手足を縛るリスク
【五輪】が都民の生活を圧迫する ~汚染市場・アパート立ち退き~
【食】移転先の土壌、ヒ素汚染残して開場 ~築地市場~
【選挙】石原都政で何が失われたか ~福祉・医療・教育・新銀行破綻・汚染市場~
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【南雲つぐみ】女性の指の痛み ~エストロゲンの効果~

2017年08月26日 | 医療・保健・福祉・介護
 指の第1関節が変形する「ヘバーデン結節」や、第2関節が変形する「ブシャール結節」は女性に起こりやすいという。特に朝の指のこわばりや痛み、しびれに困る人が多く、けんしょう炎なども含め、女性ホルモンとの関係があると古くからいわれてきた。
 最近、女性ホルモンのエストロゲンには、関節や腱(けん)を包む「滑膜(かつまく)」の腫れを取る作用があることが分かってきた。このため、エストロゲンの分泌が減少する産後や授乳中、更年期以降に関節や腱に炎症が起こりやすいという。4月に開かれた「日本手外科学会」で、平瀨雄一郎医師(四谷メディカルキューブ、手の外科・マイクロサージャリーセンター長)が明らかにしたもので、これらの症状を持つ人に大豆由来の「エクオール」成分を含むサプリメントを使った保存治療を行ったところ、およそ6割に改善が見られたという。
 エクオールは体内でエストロゲンと似た働きをすることが分かっている。平瀨医師は「まだ指の変形の進んでいない軽症の人で改善効果が高い」としている。

□南雲つぐみ(医学ライター)「女性の指の痛み ~歳々元気~」(「日本海新聞」 2017年7月26日)を引用
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【欧州】総工費8兆円超の英高速鉄道プロジェクト ~高まる期待と漂う懸念~

2017年08月26日 | 社会
 (1)7月18日、英国政府は計画中の高速鉄道、ハイスピード2(HS2)に関し、第1期工区(ロンドン~バーミンガム間)の第1回大口発注先を発表した。今回の発注は、トンネル、橋、土手の工事。発注額は66億ポンド(約9,600億円)。コステイン(英国)、カリリオン(英国)、ブイグ(フランス)、ストラバグ(オーストリア)、スカンスカ(スウェーデン)といった建設会社13社が参加する四つの合弁企業が受注した。

 (2)HS2は、ロンドンとイングランド北部を結ぶ路線だ。計画案は2009年に発表された。
  (a)第1期工区・・・・ロンドンを南の起点として、イングランド中部バーミンガムまでの路線が2026年に開通予定。
  (b)第2期工区・・・・バーミンガムを起点とする二股の路線で、北東はリーズ、北西はマンチェスターまで延伸される。2032~33年に開通予定。雇用創出に対する期待も高く、今回の大口発注だけでも16,000人分の雇用につながると試算されている。

 (3)HS2は、日本企業にとっても関心の高いプロジェクトだ。
  〈例1〉JR東日本が運行計画に関するコンサルティング業務を受託した実績がある。
  〈例2〉日立製作所が車両納入を目指している。

 (4)HS2が開通すれば、ロンドン~バーミンガム間の移動時間は従来の6割に短縮される。
 HS2の最高運行速度は、欧州最速となる時速約400km。その計画が実現すれば、ロンドン~バーミンガム間の所要時間が現在の約80分から約50分に短縮される。バーミンガムには、自動車産業を中心に多くの日本企業が進出している。ロンドンとの往復時間が1時間短縮されれば、両者の間の距離は心理的にかなり近くなる。

 (5)本格的な発注開始を受けて期待が高まっているHS2ではあるが、幾つか懸念される報道も流れている。
 〈例1〉総工費が大幅に上振れする可能性の指摘。現在、英国政府はHS2の総工費を557億ポンド(8兆円強)と見積もっているが、運輸省の委託を受けた民間専門家による最新の試算では、1,040億ポンド(15兆円強)に膨れ上がる恐れがある。試算したマイケル・ビン氏によれば、用地買収やコンサルティングの費用が現在の想定よりも大きくなる可能性がある。
 〈例2〉工事受注業者の一つ、カリリオンの経営難。7月初め、同社は業績見通しの下方修正と配当停止を発表するとともに、CEOが辞任し、株価は約3分の1となった。7月18日の発注先発表後、グレイリング運輸相は、カリリオンの施工能力については再点検済みであることや、同社の合弁パートナーであるキア(英国)とエファージュ(フランス)からも保証を得たことを説明するなど、火消しに追われた。
 〈例3〉政府のHS2事業を統括する公共法人HS2が祓っていた過大な退職金。国家監査室は、規定の3倍近い金額が支給されていた、と指摘している。同公共法人のコスト管理やガバナンスに対する批判が高まっている。

 (6)HS2は多額の税金を投じる大プロジェクトだけに、産業界のみならず一般国民からも強い関心が寄せられている。今後も懸念や批判が予想される中、プロジェクトを推進していくためには高い期待の維持がカギとなるだろう。

□高山真(三菱東京UFJ銀行経済調査室ロンドン駐在)「総工費8兆円超の英高速鉄道プロジェクト/高まる期待と漂う懸念」(「週刊ダイヤモンド」2017年8月26日号)
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 【参考】
【欧州】スペイン経済は大打撃、欧州金融危機の再来か ~カタルーニャ独立~
【欧州】のゴミ箱扱いに憤慨する東欧諸国 ~深まるEUの東西分裂~
【英国】の地政学的優位性がBrexitで喪失 ~領内で高まる独立気運~
【欧州】北欧も難民入国規制強化へ ~形骸化するシェンゲン協定~
【スウェーデン】文化多元主義の限界 ~移民問題~


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【南雲つぐみ】ペスト菌の発見 ~8月25日~

2017年08月25日 | 医療・保健・福祉・介護
 1894年の8月25日、北里柴三郎がペスト菌を発見した。18歳で熊本医学校に入学した北里は、東京医学校(のちの東京大学医学部)時代に予防医学の重要性を確信し、ドイツに留学。当時、病原微生物学研究の第一人者であったロベルト・コッホに師事して研究に励んだという。
 ペストは14~17世紀の中世ヨーロッパで二度の大流行が発生、数千万人が命を落としたとされている。発症すると、わきの下や足の付け根のリンパ腺がひどく腫れ、そのうち全身の皮膚に黒い斑点ができて数日のうち亡くなることも多かった。当時は原因も治療法もわからず、黒死病(BLack Death)と恐れられ、魔女狩りなど迫害の引き金にもなったという。
 3回目のペスト大流行は1894年に香港で起こったが、このとき、北里がペスト菌の発見に成功したことで予防や消毒が行われ、死者数を抑えることができた。
 その後、抗生物質などによる治療法が開発されて感染症による死者は激減した。一方で、現在も新たな感染症の登場や、過去に流行した感染症の再登場が問題となっている。

□南雲つぐみ(医学ライター)「ペスト菌の発見 ~歳々元気~」(「日本海新聞」 2017年8月26日)を引用
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【保健】認知症の発症を予防する/10代から意識すべき9因子

2017年08月25日 | 医療・保健・福祉・介護
 (1)先日、世界四大医学誌のひとつ「ランセット」に認知症の発症と関連する10リスク因子が発表された。
 10因子のうち、遺伝的要因を除く9因子は「修正が可能」であり、すべて改善できれば「認知症の発症リスクを35%低下させる可能性がある」。【同誌の「認知症予防・介入・ケア委員会」】

 (2)まず、18歳未満の「小児期」に改善すべき認知症リスク・・・・<1>教育歴。
 15歳未満で教育歴が途絶えてしまうと、認知機能の予備能が低下し、認知症の発症リスクが上昇するらしい。単なる学歴ではなく、若いうちに脳をフル回転させることが重要である、という意味が強い。

 (3)45~65歳の「中年期」・・・・おなじみの<2>高血圧、<3>肥満に加えて、<4>難聴があげられている。
 <4>難聴は、軽症でも長い間に認知症リスクが上昇すると常々指摘されていた。耳からの情報が減少し、認知機能が低下する。今回あがった9因子のうちで最も影響が大きい。
 改善策として補聴器の装着などがあるが、「年寄りくさい」と敬遠されがち。デザインの全面的な見直しが業界に求められる。

 (4)65歳以上・・・・<5>喫煙、<6>抑うつ、<7>運動不足、<8>社会的孤立、<9>糖尿病が大きく影響してくる。
 <5>喫煙と<7>運動不足については、個人の自覚と努力が必要だ。
 <6>抑うつ、<8>社会的孤立に関しては、特に定年退職後の男性が陥りやすい。中年のうちに「職域」以外の領域で「社会的なつながり」をつくっておくといい。
 <9>糖尿病は、血糖値をキチンと管理することで、多少なりとも認知症リスクを減らすことができる。また、今回の報告では食事への言及がなかったが、リスク因子に高血圧や肥満が含まれている以上、「健康的な食事」が望ましいことは確かだ。

 (4)認知症の症状が表に出るのは、おおむ65歳以降だ。しかし「タネ」ははるか以前に播かれている。発症の芽は、若いうちから日々の積み重ねのなかで、丹念に摘み取るしかないようだ。

□井出ゆきえ(医学ライター)「認知症の発症を予防する/10代から意識すべき9因子 ~カラダご医見番・ライフスタイル編 No.362~」(「週刊ダイヤモンド」2017年8月26日号)
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 【参考】
【保健】10代の望まない妊娠を防ぐ ~長期間効果がある避妊法を選択~
【保健】糖尿病網膜症リスクを軽減 ~26メッツ・時/週以上の運動~
【保健】ヒアリにどう対処する? ~アナフィラキシーに注意~
【保健】鬱に効くボルダリング ~悲観的な自動思考を解消~

【保健】主食をしっかり食べると公平な判断ができる
【保健】梅雨明け~お盆は熱中症の季節 ~危ない人、予防と対応法~
【保健】塩分過剰で空腹に ~高血圧どころかメタボに~
【保健】満腹より栄養素に目を向けて ~収入が低い世帯は主食頼み~
【保健】だるいときほど階段昇降を ~カフェインより効果的~
【保健】成人ADHDの予備診断 ~六つの質問でクリーニング~
【保健】“ベンゾ系薬剤”に注意 ~常用量でも薬物依存を形成~
【保健】ギャンブル依存症ってなに? ~最新の定義は「プロセス依存」~
【保健】グルテンフリー食の功罪 ~結局、2型糖尿病に?~
【保健】アジア系2型糖尿病でも全がん死リスクが上昇
【保健】「男の更年期」改善効果に疑問符 ~テストステロン補充療法~
【保健】狩猟・採集民族のチマネの人々に学ぶ ~現代的な生活は健康リスク~
【保健】玄米でカロリー消費! ~30分程度の運動に匹敵~
【保健】1日あたり0.5合程度が上限 ~認知症を予防する飲酒量~
【保健】電子たばこで禁煙補助? ~英米で見解の相違~
【保健】二つの睡眠時無呼吸症候群 ~閉塞性か中枢性かで違い~
【保健】不安やうつはがんの初期症状? ~結腸・直腸、膵臓などで関連~
【保健】赤身肉は魚や鶏肉に置き換えて ~大腸憩室炎の発症リスクを軽減~
【保健】学会監修の防災セットが限定発売 ~心臓を守るリストも~
【保健】前立腺癌の手術で優れているのは ~ダ・ヴィンチvs人の手~
【保健】サウナで認知症リスクが低下 ~本場フィンランドの報告~
【保健】ポケモンGOで運動量up! ~仲間でワイワイの効果~
【保健】「過剰診断」か「見落とし」か ~マンモグラフィー検診のリスク~
【保健】悪性腫瘍ばりの「足の狭心症」 ~運動・喫煙で早期に対応を~
【保健】ワクチンを接種し損ねても ~インフル予防に補中益気湯~
【保健】高齢者は健康な生活、他方、若い世代は生活習慣に課題
【保健】子供の感染性急性胃腸炎に ~家庭でできる経口補水療法を~
【保健】痛風発作の薬は低用量で/米国のガイドラインが推奨
【保健】社会文化的伝統は肥満のもと ~年末~春は危険だらけ~
【保健】サルコペニア肥満で糖尿病!? ~筋肉減でインスリン分泌低下~
【保健】子どもの砂糖摂取量は1日25g以下に ~肥満症対策のため清涼飲料より水~
【保健】偽薬効果は学習効果? ~慢性的な腰痛が軽減~
【保健】中高年の性行動と認知機能
【保健】揚げ物はレジリエンス(心の弾力・回復力)に悪影響?
【保健】カロリー制限か運動療法か、どちらか一つじゃダメか?
【保健】遺伝子検査で再発リスクを評価 ~乳癌、抗癌剤治療の回避も~
【保健】慢性疲労症候群に関係か ~腸内細菌叢~
【保健】脳トレに有酸素運動をプラス ~認知機能と記憶力が向上~
【保健】標準体重なのに2型糖尿病?/BMIが「1」増加しただけで
【保健】受動喫煙は確実に癌、脳・心疾患、乳幼児突然死症候群を生む
【保健】嫌な気分の時こそ、動く ~うつ病治療に行動活性化療法~
【保健】孤独リスクも欧米化する?/宴会文化が廃れた後は
【保健】茶カテキンによる肝障害でノルウェーがサプリメント含有量規制へ
【保健】学んで4時間後に運動すると記憶が定着 ~記憶術~
【保健】飲む抗癌剤で生存率改善へ ~膵臓癌の再発を抑制~
【保健】恐竜も腫瘍を患う ~癌は進化の宿命~
【保健】高血圧にはモーツァルト ~安静に寝ているより効果的~
【保健】塞栓症リスクが低いピルは?/エストロゲン量と黄体ホルモンで違い
【保健】悲しいと食べすぎる ~食べ放題は幸せなときに~
【保健】「夏の蚊対策国民運動」 ~ジカ熱対策~
【保健】2型糖尿病発症にも民族差/アジア系は「BMI23」でリスク
【保健】ジャガイモに高血圧リスク/ノンオイルでも要注意 
【保健】ADHDに「ゲーム療法」?/2製品が臨床試験へ
【保健】男性は運送業、女性は医療・介護 ~メタボになりやすい業種~
【保健】健康生活の王道は「食」 ~食事バランスガイドと死亡率~
【保健】眼底検査で何がわかるか ~眼疾患だけではない~
【保健】弾性ストッキングが効果的 ~エコノミークラス症候群対策~
【保健】マインドフルネスで腰痛改善 ~認知行動療法と同じ効果~
【保健】歯磨きが心血管疾患を予防 ~毎食後で発症リスクを軽減~
【保健】ガン=生存時代の就労支援 ~治療と仕事の両立に指針~
【保健】糖尿病患者の降圧目標値 ~140mmHgでよい?~
【保健】睡眠不足でスナック菓子を渇望、体重増加 ~大麻並みの快楽
【保健】コーラ1缶で薬の吸収率がアップ ~抗癌剤の薬効~
【保健】その一言で妻の2型糖尿病リスクが減少 ~「先に寝ていて」~
【保健】先進国では認知症が減少? ~予防の鍵は生活習慣の改善~
【保健】生活設計は長期戦か短期決戦か ~癌の臓器別・病期別生存率~
【保健】イチゴとオレンジはEDに効く ~米国の研究報告~
【保健】高齢者の服薬適正化にGL ~容易な多剤併用に警鐘~
【保健】朝食抜きに脳卒中リスク 阪大など調査 大規模調査で1.18倍高
【保健】下剤は脳・心血管疾患リスク> ~背景にストレスや運動不足~
【保健】高脂肪食でシナプスが消失? ~動物実験~
【保健】2型糖尿病とフライド・ポテトとの関係 ~ポテトは煮物で~
【保健】世帯の所得と健康リスクの関係 ~食習慣と飲酒習慣~
【保健】抗がん剤の価格差は最大4倍以上 ~WHOの調査~
【保健】より危険な睡眠時無呼吸 ~脳・心疾患のリスク増~
【保健】初日の出の心身的効果 ~鬱対策は光を浴びて~
【保健】日本人肥満男性の食事と運動 ~糖尿病予防~
【保健】適性な「降圧目標値」 ~120未満で関連疾患が3割低下~
【保健】自由な裁量権でスリムに ~ストレスでメタボ~
【保健】目の老化には赤と緑と橙色 ~加齢黄斑変性症の予防~
【保健】早期発見のためにエコーと併用 ~乳がん検診~
【保健】骨折予防はカルシウムのほかに・・・・
【保健】前糖尿病患者は食習慣の改善を ~全国糖尿病週間~
【保健】糖質制限より脂質制限? ~体脂肪を減らす~
【保健】受動喫煙が歯周病リスクに ~ただし男性のみ~
【保健】貧乏ゆすりが命を救う? ~マナーより健康~
【保健】「高収入の勝ち組」の健康リスク? ~50歳以上の有害な飲酒~
【保健】照明用白色LEDのブルーライトは安全か?
【保健】目の愛護デー ~緑内障による失明を予防~
【保健】長時間労働は脳卒中リスク ~週41~48時間でも上昇~
【保健】ほぼ毎日食べると、死亡リスクが14%減少 ~唐辛子~
【保健】水族館でリラックス効果 ~血圧・心拍数に好影響~

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【南雲つぐみ】大人から子どもにうつる虫歯菌

2017年08月24日 | 医療・保健・福祉・介護
 虫歯は感染症の一種であることが分かってきた。口内には300~400種類の菌が存在するそうだが、その中で虫歯菌となるのはミュータンス菌というものだ。
 赤ちゃんの口内にはミュータンス菌はいない。では、どこから感染するのかというと、赤ちゃんの周りにいる大人たちの口からという。
 日本小児歯科医学会では、「子どものミュータンス菌は養育者から伝播する」としている。虫歯が多い人の唾液には、ミュータンス菌が高濃度に含まれている。特に、親や祖父母など子どもと生活をともにする人に虫歯があると、同じ箸やスプーンで子どもに食べ物を分け与えることでミュータンス菌を広げてしまうのだ。
 歯周病も同じように、大人から子どもに伝染するそうだ。日頃赤ちゃんや子どもに接する機会のある人は、うつさないためにも虫歯や歯周病は治しておいたほうがいい。また、風邪の後に起こりやすいヘルペス性歯肉口内炎も、箸やコップ、タオルなどを共有することで感染しやすいというので注意が必要だ。

□南雲つぐみ(医学ライター)「大人からうつる虫歯菌 ~歳々元気~」(「日本海新聞」 2017年8月22日)を引用
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